noarchiveとは?SEOにどう影響するのか
Googleなどの検索エンジンは、サイトの情報を一時的に保存しています。
これは「キャッシュ」として検索結果ページから閲覧することができる情報です。
しかし、比較サイトやネットショップのサイトを運営しているなど、価格や情報が常に変動している場合、古い情報がキャッシュとして残ってしまうと困る場合があるのではないでしょうか。
そこで今回は、キャッシュを残さない方法として「noarchive」の使い方をご紹介します。
この記事の目次
noarchiveとは?
noarchive(ノーアーカイブ)は、Googleなどの検索エンジンにキャッシュを残さないよう指示を出すことができるタグです。
このタグを設置することで、古い情報がキャッシュに残らず閲覧される心配もありません。
例えば、ネットショッピングのサイトが数時間限定のセールを行う場合。
セールのタイミングのみ表示していたページ情報がキャッシュに残ってしまうと、セール終了後にキャッシュ情報を見たユーザーが混乱してしまうかもしれません。
一般ユーザーがキャッシュ情報を見ることは少ないかもしれませんが、サイトの更新だけでなく、キャッシュ対策もしておくことで万が一の不要なトラブルを防げます。
noarchiveの記述
実際にnoarchiveを記述する際は、meta robotsタグを使用します。
meta robotsとは、Googleなどの検索エンジンに対して指示を出すためのメタタグの一つです。
noarchiveも検索エンジンに対する指示のため、このmeta robotsを使用して記述を行います。
ページ単位で指定ができるため、キャッシュを残したくないページのhead内に下記の記述を行います。
<meta name=”robots” content=”noarchive”>
※XHTML1.0の場合は閉じタグ(半角の空白と/)を記述する必要があります。ページでお使いのHTMLのバージョンに準じて使用してください。
この記述を行うことで、検索エンジンにキャッシュの保存を拒否する指示を出せます。
上記のようなmetaタグはhtmlの<head>内に記述します。<head>タグについて詳しく知りたい方は以下の記事もご参考ください。
noarchiveの記述例(RobotsタグとX-Robotsタグ両方)
noarchiveの記述はgoogleやbingなど一般的な検索エンジンに対して有効ですが、特定の検索エンジンに対してのみ指示を出すこともできます。
【一般的な検索エンジンに対して】
<meta name=”robots” content=”noarchive”>
【Googleのみに対して】
<meta name=”googlebot” content=”noarchive”>
上記のように、name属性部分を指定したい検索エンジンが使用しているロボット名に変更をするだけで指示が可能です。
meta robotsタグが使用できない場合は、HTTPヘッダーのレスポンスでX-Robotsタグを使用できます。
例えば、PDFをサイト内にリンクしている時などです。PDFには<head>が存在しません。その際に利用できるのがX-Robotsタグです。
利用されているサーバーによって異なりますが、基本的には.htaccessファイルに下記を使用します。
【X-Robotsタグの記述方法】
<Files ~ “\.pdf$” >
Header set X-Robots-Tag “noarchive”
</Files>
上記はサイト内のPDFファイル全てに対して指定する方法です。
Files部分を書き換えることで、画像やXMLサイトマップを指定することもできます。
【X-Robotsタグで画像のキャッシュを拒否する記述例】
<Files ~ “\.(jpe?g|gif|png)$”>
Header set X-Robots-Tag “noarchive”
</Files>
noarchiveの書き方を誤った場合の影響
タグは正しい書き方をしないと、検索エンジンが読み取ってくれない、もしくは無視をする場合があります。
同じmeta robotsタグを2つ設定していたり、記述するつづりを間違えていたりすると、正しく機能しません。
また、意図しないページにnoarchiveを設定をしてしまうと、キャッシュをしてほしいページのキャッシュが残らなくなります。
記述の際は上記のような注意が必要です。
noarchiveのSEOにおける効果
noarchiveを設定するとSEOに影響が及びそうだと不安になる方もいるのではないでしょうか。
noarchiveはSEOに影響はありません。
キャッシュを拒否したからといって順位が変動するようなことはないため、安心して使用が必要なページに設定をしてください。
noarchiveと一緒によく使われるmetaタグ
meta robotsタグはnoarchiveだけでなく、以下も使用することができます。
noindex
ページのインデックスを拒否するタグです。
このタグを使用すると、検索結果にそのページは表示されません。
プライバシーポリシーページや、ユーザーのログイン用ページなど検索結果に表示する必要がないページに設置します。
Googleは似通ったコンテンツがあるページを評価しない傾向にあります。
例えば、プライバシーポリシーページのようにある程度記載事項が決まっているページは、他サイトと似通った文章が使われていると見なされる可能性もあります。
そこで、予めnoindexを設置して評価対象から外すことで、誤った評価を受けるリスクを減らすことができます。
他にも、ユーザー用ログインページなど必要最低限のコンテンツがあれば十分なページでは、他の有益なページのインデックスを優先させるためにnoindexを設置する場合があります。
【記述方法】
<meta name=”robots” content=”noindex”>
nofollow
ページ内にあるリンクへSEOの効果を与えないように指示するタグです。
リンク先のページへ、本来行き渡るはずであったSEOの効果を渡したくないという意思表示をします。
Googleはサイト間で設置されるリンクを重要視する傾向があります。
設置したリンクはリンク先URLを支持していると考えられ、リンク先URLは支持を集めたサイトとして認識されます。このリンク支持が、SEOとしての評価向上に効果をもたらします。
しかし、Googleは広告など金銭のやり取りが発生するリンクを使ってSEO評価を集める行為を禁止しています。その他にも、自身のサイトと関連性が低いページへのリンクなどはスパム行為と判断されやすく、Googleから正しい評価を受けられない可能性があります。
このように「ユーザーには見てもらいたいと思っているが、SEO目的でのリンクではない」と主張する必要がある場合に使うのがnofollowです。
そのため、広告などの有料リンクや、海外サイトなどへリンクをしている場合に使用することが多くあります。
【記述方法】
<meta name=”robots” content=”nofollow”>
nofollowは特定のリンクのみに設置することもできるため、一部のリンクだけに設定をしたい場合はリンクへ直接記載をします。
【リンクへ直接記述する方法】
<a href=”URL ” rel=”nofollow”>外部サイトのリンク</a>
まとめて記載
ここで紹介したタグは、カンマを利用することで一つのmeta robotsタグとしてまとめることも可能です。
【複数の要素を持ったmeta robotsタグ例】
<meta name=”robots” content=”noindex,nofollow,noarchive”>
まとめ
サイトによっては、検索エンジンのキャッシュが残っていることで運営上の思わぬトラブルを招くこともあります。
古い情報を残したくないサイトもあるでしょう。そんな時に活用できるのがnoarchiveです。
head内に記述することで、検索エンジンにキャッシュを残さないよう指示が出せます。
ページ単位で使用することができるため、一部のページのみでも使用可能です。
noarchiveの記述はSEOにも影響を及ぼさないため、順位の変動を気にする必要もありません。
サイト内で使用したいページがあれば、ぜひ活用してみてください。
監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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