アクセス解析レポートを1から作る方法
アクセス解析レポートの作成は、WEBサイトの分析・改善を進める上で重要なものです。アクセス解析とは、WEBサイトのアクセス数やユーザーの情報、流入・離脱経路などを解析することを指します。
そして、アクセス解析のデータを記録したものがアクセス解析レポートです。
アクセス解析レポートを作ることで、自サイトの現状を理解しやすくなり、改善施策や効果検証などに活用できます。
この記事では、アクセス解析レポートの作成方法と作成時の注意点を解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の目次
アクセス解析レポートとは
アクセス解析レポートとは、WEBサイトのアクセス情報やユーザー行動情報などのアクセス分析記録をレポート化したものです。
WEBサイトのアクセス情報は、サイトへのアクセス数だけではなく、ユーザーの情報、流入・離脱経路なども含まれます。
そして、レポートを参考にWEBサイトを改善していくというのが目的です。
アクセス解析レポートは、日々のサイト状況を確認するモニタリングレポートと、施策の効果検証に使用するレポートの大きく2種類あります。状況によって使い分けましょう。
モニタリングレポート
モニタリングレポートとは、アクセス数などに大きな変動がないか日々、もしくは定期的に確認するためのアクセス解析レポートです。
モニタリングレポートは、サイトのパフォーマンスを定点観測できるようにすることが重要です。
また、モニタリングレポートで知りたい情報は人によって違いますので、どんな情報を盛り込むかはレポートを利用する方と話し合って決めましょう。
サイトのパフォーマンスの変化が一目でわかる少なくとも以下の3点は少なくとも盛り込みたいところです。
- アクセス数
- 前年、先月との比較
- コンバージョン率
WEBサイトの目標やKPIの達成度合いが可視化されるようにしましょう。
施策用レポート
施策用レポートとは、WEBサイトを改善するための施策を施したときに、その施策内容や結果、なぜこの結果になったのかの分析などを記録したレポートです。
施策用レポートは以下の3点がわかりやすいように作成しましょう。
- 行った施策
- 施策を行ったときの状況
- 施策後にどんな変化があったか
また、過去にも行ったことがある施策であれば過去との比較も盛り込むと、効果検証がより明確にになります。
データを並べたあとは分析結果を記載しましょう。
今回の施策で感じたことや新たな仮説を立ててレポートに載せると、施策実装者以外にも参考にしやすいレポートになります。
レポートを作成するためのアクセス解析ツール
アクセス解析レポートの作成には、アクセス解析ツールを使いましょう。
アクセス解析ツールを使えば、サイト全体のアクセス数やユーザーの流入経路、キーワードの検索順位などの情報が計測できます。
アクセス解析ツールは、Googleが無料で提供しているもので十分な情報が取得できます。
では、ここからはアクセス解析ツールを紹介します。
Google アナリティクス
Google アナリティクスは、Googleが無料で提供しているアクセス解析ツールです。
Google アナリティクスだけで、サイト全体のアクセス状況からユーザーの行動まで把握できます。
アクセス解析レポートも作成できるので、アクセス解析には欠かせない定番ツールです。
Google アナリティクスは、調べられる項目が豊富でサイト改善のヒントになる情報がたくさん手に入りますので、ぜひとも使いこなしましょう。
Google アナリティクスの導入方法や機能の詳細はこちらの記事で解説しています。
・GA4とUAの併用方法を紹介!GA4とUAの比較や併用のメリットを解説
・いつまでにすべき?GA4(Googleアナリティクス4)への移行方法と切り替え時期
・GA4とは?Googleアナリティクス4とUAの違いを徹底解説!
・GA4の設定方法について解説!導入方法からイベント設定まで紹介します
・GA4でのパラメータ設定手順やURL発行方法を解説!流入経路を分析しよう
・GA4のコンバージョン設定方法を徹底解説!UAとの変更点についても紹介
・GA4(Googleアナリティクス4)とは?UAとの違いを徹底解説!
Google サーチコンソール
Google サーチコンソールは、Googleアナリティクスと同じくGoogleが無料で提供している分析ツールです。
Google サーチコンソールにサイトを登録しておけば、サイトの検索クエリや表示回数、検索順位を調べられます。
ページ単位、キーワード単位で調査できるので、Google サーチコンソールもアクセス解析には欠かせません。
他にも、サイトのインデックス状況を確認したりサイトマップをGoogleに送信する機能もあるので、こちらも使いこなせるようにしましょう。
Google サーチコンソールの導入方法や機能の詳細はこちらの記事で解説しています。
・【保存用】Googleサーチコンソールの基本から設定・活用ポイントまで徹底解説!
・サーチコンソールの「モバイルユーザビリティの問題」の解決方法を解説!
・サーチコンソールで指定できる分析期間は?分析別の最適な指定方法もご紹介
・インデックスカバレッジとは?サーチコンソールでよく見るエラーは何?
アクセス解析レポートに入れるべき項目
アクセス解析レポートにはどんな情報を載せるのかが重要です。
レポートを見る人にもよりますが、最低限アクセス解析レポートには入れるべき項目があります。
また、アクセス解析ツールによって計測できるデータが異なるので、ユーザーの属性はGoogle アナリティクス、流入キーワードについてはGoogle Search Consoleのように分けて確認しましょう。
ここからはアクセス解析レポートに入れるべき項目を解説します。
サイト全体のアクセス状況
サイト全体のアクセス数や滞在時間、ユーザーが訪れる時間帯などの項目です。
アクセス解析の基本となるデータであり、サイト全体のアクセス状況を見ればサイトのアクセスの増減が一目でわかります。
ページ別のアクセス状況
各ページのアクセス数や滞在時間、ユーザーが訪れる時間帯などの項目です。
サイト全体のアクセスを細分化して確認すれば、サクセスを集めているページや離脱率が高いページを特定できます。より細かい分析や、ボトルネックを見つけることが容易になります。
ユーザー属性
サイトへ訪れたユーザーの年齢や性別、使用デバイスなどの項目です。
どんなユーザーがサイトを閲覧しているかわかります。
施策用のレポートの場合、事前に設定していたターゲット層について分析する際に必須となります。モニタリングレポートの場合も、自サイトのユーザー層を把握するための重要な項目といえるでしょう。
CV(コンバージョン)状況
CVとは、お問い合わせ獲得や資料請求などを指し、CV率はそのページ目標の達成率のことです。
CV率を見ればページに訪れたユーザーがどんな行動をとったかわかります。
例えば、アクセス数が多いのにもかかわらず、CV率が低い場合、導線や入力フォームなどに問題がある可能性があります。
流入キーワード
流入キーワードとは、ユーザーがサイトに訪れるまでに検索したキーワードのことです。
流入キーワードを見ればサイトに訪れるユーザーの検索意図がわかります。ユーザーの検索意図に合ったコンテンツ内容を作ることが可能になります。
流入キーワードは、Googleサーチコンソールで確認することが可能です。
Google アナリティクスを使ったレポート作成方法
アクセス解析レポートの作成方法は、大きく分けて2つあります。
- Google アナリティクスからレポートを作成
- アクセス解析レポートツールで自動作成
では、それぞれの作成方法を具体的に解説します。
方法➀Google アナリティクスからレポートを作成する
Google アナリティクスからアクセス解析レポートを作成する方法を解説します。
まずはGoogle アナリティクスの画面で、サイドバーの「カスタム」→「マイレポート一覧」をクリックして、Dashboardsの「作成」をクリックしてください。
空白のキャンバスにレポートを作成するか、デフォルトのレポートで作成するか聞かれますが、ここでは「デフォルトのマイレポート」を選択してみます。
レポート名を入力して「マイレポートを作成」をクリックしてください。
すると、Google アナリティクスのデータが連動したアクセス解析レポートを作成してくれます。
デフォルトのレポートでも表示したいデータはペン印の編集ボタンから自由に変更できるので、まずはデフォルトから編集してみましょう。
ウィジェットに表示したいデータを選択できるので、好きな項目を追加しましょう。
項目を追加したら「保存」を押します。
レポート画面右下に「マイレポートを更新」というリンクがあるので、レポートを更新したいときは押してください。
以上が、Google アナリティクスからアクセス解析レポートを作成する方法です。
方法②アクセス解析レポートツールで自動作成する
アクセス解析レポートを自動作成できるツールを使用してレポートを作成する方法もあります。
Google アナリティクスからレポートを作成するよりも自由度が高く、好みの情報やデザインを盛り込めるので、一度は作成してみましょう。
次の見出しでアクセス解析レポートを自動で作成できるツールを紹介します。
自動作成できるアクセス解析レポートツール
アクセス解析レポートを自動作成できるツールは、無料〜有料のものがあります。
有料のツールでは、ツール提供会社の担当者がサポートしてくれるものもあり、どんな情報をレポートに入れてどう改善に使えばいいのかアドバイスをくれるでしょう。
一方、無料のツールはまず自分でレポートの雛形を作成して、それが自動更新されるというパターンが多く見られます。
アクセス解析レポート自動作成ツールの中で代表的なのが「Googleデータポータル」です。
Googleデータポータル
Googleデータポータルは、Googleが無料で提供しているBIツールです。アクセス解析レポートを自分で作成できる機能が備わっています。
GoogleアナリティクスアカウントやGoogle広告、Big QueryなどGoogleサービス連携させて、レポート生成ができます。
アクセス解析レポート作成画面では、白紙のキャンバスに表示させたい数字やデータグラフを自由に配置できます。
作成したレポート画面は、リンクで共有できたりPDFにダウンロードできたりします。
また、レポート画面の更新時間も設定でき、無料ながらアクセス解析レポートに使える機能です。
Googleデータポータルでレポートを作成してみて、もし物足りなさを感じたら他のアクセス解析レポートツールにも目を通してみましょう。
その他のアクセス解析レポートツール
アクセスのレポートを作成するのはいいのですが、データ解析の仕方がわからず改善点を見つけられないというケースがあります。
そんなときに、Googleデータポータル以外のアクセス解析レポートツールを使えば、改善点をわかりやすくしたレポートを作成できるでしょう。
Google アナリティクスアナリティクスに紐づいたアクセス解析だけでなく、独自のアクセス解析を備えたツールもあるので、自社サイトに合わせたツールを使いましょう。
ここでは、その他のアクセス解析レポートツールを3つピックアップして解説します。
GArepo(ガレポ)
GArepoは、Google アナリティクスのデータからオリジナル解析レポートを作成して、サイトの改善点をわかりやすく表示してくれるツールです。
例えば、「コンバージョン総数」を増やすには「新規集客率」「新規成約率」「リピーター集客数」のいずれかを改善すれば良い。
というように、データを元に改善のヒントを導き出すことも可能です。
他のツールにはあまり見ない「バブルチャート」で視覚的にわかりやすく解析データを表示する機能もあります。
アナトミー
アナトミーは、Google アナリティクスアナリティクス以外にもGoogle サーチコンソールやWEBサイトのソースコードなどの情報を統合して、サイト全体のSEOに関する情報を精密に表示してくれるツールです。
SEO分析力が特徴のツールで、サイトの内部構造や検索インデックスなども正確に読みとれ、SEOのプロが行うような分析を視覚化できます。
Juicer(ジューサー)
Juicerは、あらゆる基本機能が無料で使えるアクセス解析レポートツールです。
SEOには欠かせないペルソナに焦点を当てた解析やABテスト、リードスコアリング、アクセスログ分析など、広範囲の機能が無料で使えます。
基本的にGoogle アナリティクスとは独立している解析ツールですが、Google アナリティクスの過去分のデータを読み込むこともできるので、ツールの切り替えがスムーズに行える点も便利です。
以上3つのアクセス解析レポートツールを紹介しましたが、他にも便利なツールがたくさんあります。
アクセス解析レポートを作成するときの注意点
アクセス解析レポートは、ただ作成するだけではあまり意味がありません。
レポートを作成するとき、何のためにどんなデータを表示するのかが重要です。
また、アクセス解析レポートを作成する際には注意点があります。
過去のデータも入れる
アクセス解析レポートには過去のデータも入れましょう。
現在のデータを見ただけでは、何が落ち込んだのか何が改善されたのかわかりません。
前年同月比や四半期比など、過去のデータと比較することで現状の分析ができます。
例えば、サイトの運営方法を変えていないのに、過去データよりアクセスが急増したとしましょう。
アクセスが急増した原因として、季節のトレンドや外部要因(他のメディアに紹介されたなど)が考えられます。
原因を特定できてしまえば、「トレンドにはこのコンテンツを追加する」「このジャンルのメディアに掲載されるとアクセスが増えるので他社にもアプローチする」など、施策を練ることが可能です。
このように、サイトの改善点を見つけるために、過去のデータを含めて作成しましょう。
アクセス解析の目的を明確にする
もうひとつの注意点が「アクセス解析の目的を明確にしてレポートを作成する」ということです。
アクセス解析は、サイトを改善・課題発見の手段でしかありません。何のためにアクセス解析を行っているのかを明確にすることで、適切なアクセス解析レポートが作成できます。
そのため、まずは現状のサイトの問題点を挙げて、アクセス解析をする目的を設定しましょう。
サイトによってコンバージョン率(成約率)の改善なのか、SEOの改善なのか、目的は様々です。
その目的を達成するために、アクセス解析レポートにどんなデータが必要なのかを必ず考えてアクセス解析レポートを作成しましょう
【まとめ】アクセス解析で困ったら専門家に聞いてみよう
本記事ではアクセス解析レポートの解説をしてきました。
最後に、この記事のまとめは以下の通りです。
- アクセス解析とは、サイトのアクセス状況やユーザー情報を解析することを指す。
- アクセス解析レポートとは、アクセス解析データをまとめて記録したものである。
- アクセス解析レポートを作成するために、Google アナリティクスやその他のツールを使用するとよい。
- アクセス解析レポートを作成するときの注意点は、過去データの比較とアクセス解析の目的設定を行うことである。
アクセス解析はサイト分析に関するベースの知識がないと上手くいきません。
また、サイト分析ができたとしても解析レポートを施策に昇華させるためには、課題解決のための知見も必要です。
例えば検索流入によるアクセス数のアップを図る場合、アクセス解析だけでなくSEOの知見も必要です。
SEOに関する記事はこちらをご覧ください!
・Google SEOの基本から流入数をアップさせる14の秘訣!
・SEOの効果とは?効果を出すための対策ポイントも解説!
・被リンクとは?SEOにおける重要性について
SEOやサイト構造の知見がなければ、アクセス解析を行ってもサイト改善につながらない場合もあります。
アクセス解析を行う上で、
「どのデータをまとめればいいのか」
「どのツールを導入すればいいのか」
「どのデータから改善点を見つければいいのか」
このあたり不安がある方は、アクセス解析のプロに頼むのもありだと思います。
費用がかかるというイメージがあるかもしれませんが、以下のメリットと比較してみましょう。
- アクセス解析の手間をなくせる
- SEO・マーケティングスキルを提供してもらえる
- サイト改善によって得られる成果が大きくなる
苦手な分野はプロに任せて、得意分野に力を注いでいくことが時としてビジネスには必要ではないでしょうか。
株式会社ヒトノテは、アクセス解析やWEBマーケティングの支援を行っています。
「自分の商品に自信があるけれど、商品を知ってもらうことに苦戦している…。」
という企業の方からご依頼いただいています。
アクセス解析やWEBマーケティング・SEOのスペシャリストが、お客様と二人三脚でビジネスを拡大させていきます。
アクセス解析でお悩みの方は、株式会社ヒトノテにご相談ください。
執筆者:山本卓真
株式会社ヒトノテのSEOコンサルタント。中小企業から大企業まで様々な規模、業種のサイトのSEOに携わる。WEBマーケティングの広い知見と経験をもとにクライアントと伴走することが得意です。
監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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