一覧ページの内部リンクはどうすればいいの?SEOで必要なリンクと設置の工夫を考察
求人サイトや予約サイト、ECサイトなどのデータベース型サイトのSEOにおいて、一覧ページの内部リンクはとても重要です。しかし設置する条件が複雑で検討しなければいけない観点が多く、困っている方もいるのではないでしょうか。実際、弊社で依頼を受ける中でも同様の相談を受けることがあります。
一覧ページの内部リンクにおいては抑えるべきポイントが幾つかあります。この記事では、弊社ヒトノテで提案する際の考え方や、主要なWebサイトがどのような作りになっているかを解説いたします。Web担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
一覧ページの内部リンク設計で重要なポイント
そもそも一覧ページとは、特定のカテゴリーやテーマに関連する詳細ページをリスト形式で表示するページのことです。
一覧ページに内部リンクを設置する目的は主に2つあります。1つ目に、ユーザビリティの向上です。ユーザーが特定の情報を効率的に探し出し、その詳細ページへと遷移するためには適切な内部リンクが必要です。2つ目に、クローラビリティの向上です。検索エンジンにサイト内のページを漏れなく評価させるためには、評価させたいページへのリンクの網羅的な設置が有効です。
ここで注意したい点が、ユーザビリティとクローラビリティが必ずしも両立できるわけではないということです。
例えば、クローラーに巡回させるためにリンクを設置しすぎることで、サイトの読み込みが遅くなったり、ユーザーが欲しい情報を見つけるまでのスクロール回数が多くなったりする可能性があります。
こういったリスクを回避するために、一覧ページの内部リンク設計で考えるべきポイントは以下の2点です。
- どのページへのリンクを設置するのか
- どのようにリンクを設置するのか
下記で詳しく解説します。
SEOにおける内部リンクの重要性や設計の基礎知識を知りたい方はこちらの記事も合わせてご確認ください。
>>>そもそも内部リンクのSEO効果とは?設計の基礎知識や効果的な設置方法を解説
【一覧ページの内部リンク】必要な内部リンク
一覧ページに必要な内部リンクは次の5つです。
- 自条件にマッチする詳細ページへのリンク
- 自条件配下の条件ページへのリンク
- 自条件×他条件の掛け合わせページへのリンク
- 前の条件に戻るリンク
- 同階層の他条件ページへのリンク
1.自条件にマッチする詳細ページへのリンク
ユーザーが検索した条件に合致する商品やサービスページへの内部リンクです。
例えば、不動産ポータルサイトで「渋谷区」と検索した場合、渋谷区の物件がリストで一覧表示され、リンクをクリックすることで各物件の詳細ページを確認できると思います。
このようなリンクが自条件にマッチする詳細ページへのリンクです。
下記の画像は不動産ポータルサイト「ホームズ」の一覧ページです。「渋谷区の賃貸」という条件に合った物件へのリンクが設置されていることが確認できます。
引用:ホームズ「渋谷区の賃貸一覧」ページ https://www.homes.co.jp/chintai/tokyo/list
2.自条件配下の条件ページへのリンク
表示する範囲が広い条件の場合、ユーザーが特定の情報を見つけやすいように、細分化し配下の条件を作る必要があります。例えば「東京」→「渋谷区」「新宿区」「千代田区」「港区」といった関係です。
このリンクには「東京の賃貸」のページから「渋谷区の賃貸」のページへのリンクなどが該当します。
ここで注意なのは親元の条件とその配下の条件は置き換わる関係となるということです。
下記は転職求人サイト「リクナビNEXT」で「東京(23区)の営業」の条件で検索した際の一覧ページです。これを見ると、「東京(23区)」には「千代田区」「中央区」「港区」といった配下の条件が、「営業」には「企画営業」「コールセンター」「キャリアカウンセラー」といった配下の条件がそれぞれ設定されているのが分かります。
引用:リクナビNEXT「東京(23区)の営業一覧」ページ https://next.rikunabi.com/rnc/docs/cp_s00700.jsp?leadtc=top_kvs_submit
試しに「千代田区」のリンクをクリックすると、表示されるのは「千代田区の営業」の一覧ページです。このように「東京(23区)」とその配下である「千代田区」が置き換わる関係にあることでユーザーにとって見やすく理解しやすいページとなります。
引用:リクナビNEXT「千代田区の営業一覧」ページ https://next.rikunabi.com/area_wp0313100000/sc_chiyoda/jb0100000000/kw%89%63%8B%C6
3.自条件×他条件の掛け合わせページへのリンク
現在の条件に他の条件を追加した一覧ページへの内部リンクです。
例えば「渋谷区の賃貸」のページから「渋谷区の2DKの賃貸」など、今表示している条件にさらに条件を追加した一覧ページへのリンクが該当します。
親元の条件とその配下の条件が置き換えの関係となるのに対し、こちらは追加の関係となります。
リクナビNEXTでは「東京(23区)の営業」という条件に追加して、「こだわり条件」や「雇用形態」、「年収」などの条件を追加できるようになっています。
引用:リクナビNEXT「東京(23区)の営業一覧」ページ
4.前の条件に戻るリンク
1つないしは2つ以上階層が上の一覧ページに戻る内部リンクです。
例えば「千代田区の営業」のページから「千代田区」や「営業」の一覧ページへと戻るリンクが該当します。
下記の画像のようなリンクです。
引用:リクナビNEXT「千代田区の営業一覧」ページ
5.同階層の他条件ページへのリンク
同階層の他条件とは、現在の条件と概念として並列な関係にあり、両立できない条件のことを指します。例えば「東京」と「北海道」、「渋谷区」と「新宿区」などの関係です。
「渋谷区の賃貸」のページから「新宿区の賃貸」のページへのリンクなどが該当します。
下記はファッションECサイト「ZOZOTOWN」の「メンズTシャツ/カットソー」の一覧ページです。同階層の他の条件である、メンズトップスの別ジャンルへのリンクが設置されています。
引用:ZOZOTOWN「メンズトップス Tシャツ/カットソー一覧」ページ https://zozo.jp/men-category/tops/tshirt-cutsew
ここからは、上記5つの内部リンクを設置する際の注意点やコツを紹介します。
検索される可能性のある条件掛け合わせページへのリンクは網羅的に設置する
ユーザーの利便性を考え、条件掛け合わせページへのリンクは網羅的に設置しましょう。これはクローラーの巡回を手助けする効果も期待できるため、SEOにおいても非常に有効です。
例えばリクナビNEXTでは、勤務地や職種、こだわり条件といった検索されやすい条件だけでなく、雇用形態や年収、おすすめキーワードといった少しマイナーな条件を掛け合わせたページへのリンクも設置しています。
引用:リクナビNEXT「営業一覧」ページ https://next.rikunabi.com/eigyo
一方で、自条件と両立できない条件の掛け合わせページへのリンクは設置しないようにしましょう。
上記サイトの場合、「営業×事務・管理」のような「職種×職種」のページへのリンクは設置されていません。「営業の求人一覧から条件を変えて探す」といった文言から分かるように「営業」と「事務・管理」などの他の職種は置き換えの関係になっています。
商品がないページへのリンクは設置しない
両立できない条件を掛け合わせる場合や掛け合わせる条件が多すぎる場合には、表示する詳細ページが0件となることがあります。このような0件Hitのページへのリンクは設置しないようにしましょう。サイトの評価を下げてしまう可能性があります。
リクナビNEXTでも、一覧ページがない条件にはリンクが設置されていないことが確認できます。
引用:リクナビNEXT「北海道のルートセールス、外商一覧」ページ https://next.rikunabi.com/hokkaido/jb0101010104
【一覧ページの内部リンク】設置方法の工夫
一覧ページに必要な内部リンクを設置するだけでは不十分です。
なぜなら、必要なリンクが設置されていたとしても、リンクの数が多すぎるとユーザーの利便性を低下させ、反対に少なすぎるとクローラビリティを低下させる可能性があるためです。
そこで重要になるのが「どのようにリンクを設置するのか」という観点です。
ここからは内部リンク設置方法の工夫を紹介します。
分かりやすいリンク枠を設置する
まず、はじめに紹介するのは不動産ポータルサイト「ホームズ」の一覧ページです。
一見、リンクの数が多く見えますがリンク枠がしっかりと区切られており、リンク枠のテキストも理解しやすいものになっているため、ごちゃついている印象は受けません。
多くのリンクを設置する場合には、リンク枠の区切りやテキストを分かりやすくすることでユーザーの利便性を高めるよう心がけましょう。
引用:ホームズ「北海道中央区の賃貸一覧」ページ https://www.homes.co.jp/chintai/hokkaido/sapporo_chuo-city/list
検索されにくいリンクは隠す
次に紹介するのは求人サイト「バイトル」の一覧ページです。
バイトルでは検索されやすいページへのリンクを分かりやすく設置し、それ以外のリンクに関しては「よくあるご質問」として設置しています。この状態でもクローラーはリンクを認識できるため、問題なくリンク先のページを巡回させることができます。ユーザーの使いやすさとクローラビリティを上手く両立させた好事例です。
引用:バイトル「新宿区一覧」ページ https://www.baitoru.com/kanto/jlist/tokyo/23ku/shinjukuku
ただし、「ユーザーからリンクを隠す」という方向性で考える際には、隠しリンクとならないように注意が必要です。隠しリンクは、スパム行為の一種でGoogleペナルティの対象となっています。
内部リンクを「背景と同色にする」「画像の背後に置く」「画面外に表示する」「フォントサイズを0にする」「小さな1文字に設置し隠す」などの悪質な行為は隠しリンクと判断される可能性があります。できるだけ避けるように心がけてください。
一覧ページ自体を読みたいと思ってもらえるコンテンツにする
最後にゲーム攻略サイト「ゲーム8」の一覧ページを紹介します。
ゲーム8では、紹介するゲームのストーリーに沿って詳細ページへのリンクを設置しています。デザインにもこだわっており、要所要所でゲームのアイキャッチ画像を入れることで、ゲームをプレイしているユーザーにとって読みやすく楽しめる一覧ページとなっていることが分かります。
一覧ページは役割上、リンクを設置するだけの簡素なページとなりがちです。このように一覧ページ自体を読みたいと思ってもらえるコンテンツにすることで、詳細ページへのリンクが多くても、ユーザーに離脱されにくいページにすることができます
引用:ゲーム8「ドラクエ8攻略一覧」ページ https://game8.jp/dq8
まとめ
本記事では、一覧ページに必要な内部リンクと設置方法の工夫をSEOの観点から考察しました。一覧ページの内部リンク設計は専門家でも難しいところがあり、画一的な最適解などは見つかっていません。逆にいうと、まだまだ工夫の余地があり、今後も議論がなされていくところでしょう。本記事がSEO施策の立案・実行の参考になれば幸いです。
株式会社ヒトノテでは、SEOに関するさまざまな情報を、弊社の知見も踏まえて分かりやすくお伝えしています。関心がある方は、ぜひ他の記事もご覧ください。
また、専門家に相談・依頼したいという場合にはお気軽にご相談ください。不明点や疑問点に対して、1つ1つ丁寧にご説明いたします。
監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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