アクセス解析ツールを分かりやすく解説!具体的なツールも紹介
WEBサイトを運営する上で避けては通れないのがアクセス解析ツールです。
今回はそんなアクセス解析ツールを1から解説していきます。
この記事の目次
アクセス解析ツールとは?
アクセス解析ツールは、サイト訪問者の属性や環境、行動、流入経路などを分析できるツールです。
例えば、WEBサイトへの訪問者数、WEBサイト内での訪問者の動き、WEBサイトでのコンバージョン数などの数値を取得できます。
アクセス解析ツール導入の目的は、施策の効果測定やサイトの課題を発見するためなど様々です。
Google Analyticsをはじめ、無料のツールもあり、WEBサイトをグロースさせるために必要なデータを取得できます。
ツールによっては、使い方が難しいものや専門知識がないと使えないものもあるため、導入前にツールの特性を知っておく必要があります。
アクセス解析でわかることに関してはこちらの記事を参考にしてください。
アクセス解析でわかることとは?【サイト分析】
アクセス解析ツールの種類
データ収集方法からアクセス解析ツールの種類を解説します。アクセス解析ツールはデータのとり方で大きく3つの種類に大別されます。
WEBビーコン型
Google Analyticsなどでも導入されている、一番オーソドックスなものです。
WEBサイトのページにタグを埋め込むことで、訪問しているユーザーの流入元、見ているページ、ページ内での行動などを取得します。
ページ毎に埋め込むことや、メンテナンスに工数がかかるというデメリットはありますが、Google Tag Managerなどのタグマネージャーツールを併用することで、そのデメリットも緩和することができます。また、あまりネットワークやプログラミングに詳しくない人でも、導入できるというのもメリットです。
パケットキャプチャ型
ユーザーがサイトにアクセスしてきている通信の流れの中(ネットワーク用語でパケット)でアクセス情報を取得します。
自社でネットワーク環境を構築できている必要があり、導入には高度な技術者の支援が必要です。
サーバーログ型
企業のサーバーなどにアクセスのログを直接ため込んでいくデータ取得形式です。
メリットとしては、Google Analyticsのように外部にデータを預けなくてもよいことが挙げられますが、構築に工数と費用が多くかかり、こちらも導入には技術者の支援が必要です。
アクセス解説ツールを選び際のポイント
自社に適したアクセス解析ツールを選ぶ上で「何を選んだら良いか分からない」といった方のために、アクセス解析ツールの選び方3つのポイントをまとめました。
アクセス解析ツールを導入する目的との整合性
ECサイトで商品購入数を増やしたい、資料請求の数を増やしたいなどWEBサイトによって目的はそれぞれです。まずは自社WEBサイトの目的を明確にしましょう。
目的によって、分析すべき項目内容が変わります。アクセス解析ツールはツール毎に分析できる内容が異なるため、自社の目的にあった分析ができるツールを選ぶ必要があります。
ユーザー数が見たいのか、流入経路が見たいのかなど求めている数値によって、使うべきツールは違うので自身のKPIやKGIにあうアクセス解析ツールを選びましょう。
アクセス解析ツールを導入する際の費用や運用コストの比較
目的に合ったアクセル解析ツールの候補が出てきたところで、その導入などに掛かる費用や、それを運用する上でのコストを比較し、一番費用対効果の良いツールを導入していきたいところです。
後ほどご紹介しますがGoogle Analyticsなど無料で利用できるツールもあります。自社で分析したい内容が無料ツールで事足りるのか、有料ツールでないと分析しきれないのかなど検討していきましょう。
アクセス解析ツールの使用感やサポート体制の比較
アクセス解析ツールは日常的に利用するものです。
例えば、iPhoneユーザーはAndroidを使いづらいと感じる(その逆も然り)のように、ユーザビリティも、選定する上で重要なポイントになります。
Google Analyticsを使っていたユーザーはAdobe Analyticsを扱いづらく感じるケースが多く、その逆の話もよく聞かれます。また、分析について必要な機能があるのか、サポート体制はどの程度なのかなども留意すべき点です。
おすすめのアクセス解析ツール
アクセス解析ツールについて基本的な事柄は把握できたかと思います。これからは、具体的にアクセス解析ツールを紹介していきます。
Googleのアクセス解析ツール
まずは、Googleが提供しているアクセス解析ツールを紹介します。多くの企業が導入している著名なツールです。
Google Analytics
無料でも利用できる、一番普及しているアクセス解析ツールです。流入元分析、サイト内の行動分析、コンバージョン分析、ユーザーの属性分析など、基本的な機能は網羅されています。
■Google Analyticsホーム画面
導入方法も簡単で、以下のURLから手順に従ってタグを設置するだけです。
タグの設置の方法が不明、という方はぜひ以下の記事で解説しているので、ご覧ください。
・Google アナリティクスの使い方・見方をマスターしよう!
Google Analyticsには種類があり、2022年6月現在では以下の3種類が一般的です。
・Google Analytics Universal Analytics
・Google Analytics 360
・Google Analytics 4
Google Analytics Universal Analyticsは無料で使えるツールです。
大規模なWEBサイトや高度な分析をする場合でなければ、無料版で十分です。大規模なデータ処理、より詳細なユーザー分析、GoogleのサポートなどがあるのがGoogle Analytics360です。
また無料版のAnalyticsと違ってGoogle Analytics 360ではデータをエクスポートできるのも特徴です。
注意していただきたいのが、2022年5月時点の情報では、これらのUniversal Analyticsと360は、2023年7月1日をもってデータの収集が停止されるとGoogleから公表されていることです。Googleは、Google Analytics 4への移行を勧めており、新しくアクセス解析を始める方はGoogle Analytics 4で始めることを強くお勧めします。
出典元:Google https://support.google.com/analytics/answer/11583528?hl=ja
GA4に関する記事はこちらで詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
・いつまでにすべき?GA4(Googleアナリティクス4)への移行方法と切り替え時期
・GA4(Googleアナリティクス4)とは?UAとの違いを徹底解説!
・GA4の設定方法について解説!導入方法からイベント設定まで紹介します
Google Analytics 4はWEBサイトの解析のみならず、アプリの解析もできるように開発がすすめられた分析ツールです。無料のツールなので、導入しておいて損はないですが、Google Analytics 4は使いづらい、という方は、これから紹介するツールの導入を検討してもよいかもしれません。
Google Search Console
Googleが提供している、無料で利用できる検索関連のデータを分析するツールです。
Google Search Consoleは単なる分析ツールではなく、SEOの観点でサイト上の設定に不備があった場合などに知らせてくれる機能が備わっており、SEO対策をするのであれば必須とも言えるツールです。
導入方法も、Google Analyticsと同じくWEBビーコン型が用意されています。他にも導入方法についての選択肢があるので、もしWEBビーコン型での導入が難しい場合は、技術者などと検討の上、別の方法もとることができます。詳しくは、Google Search Consoleのサイトをご確認ください。
■Google Search Consoleサイト
https://search.google.com/search-console/about
■Google Search Consoleホーム画面
Google Analyticsと連携して使用できるツール
Google Analyticsは一般的に普及している解析ツールということもあり、連携して使えるツールが数多く存在します。今回はそんなツール群から、特におすすめなものをご紹介します。
Google Data Portal
導入費用は無料で、Google Analyticsと接続することでデータの可視化を手助けしてくれるツールです。
いわゆるBIツールに該当します。画面例のように、デフォルト画面が用意されているのですぐに利用することができます。運用費用も基本的には無料ですが、特殊なデータを接続する場合、データ量の従量課金制でコストがかかってくるので、ご注意ください。
■Google Data Portalサイト
https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/data-studio/
■Google Data Portal画面
AIアナリスト
小規模サイトの場合、月数万円の少額から利用できる、Google Analyticsデータの可視化ツールです。
データを可視化するだけでなく、AIによって作成された分析が自動でレポーティングされるのがこのツールの特徴です。
■AIアナリストサイト
■AIアナリスト画面
アナトミー
Google Analyticsだけでなく、Google Search Console、そしてWEBサイトのHTMLソース、画面キャプチャ、その他の情報を統合して、サイトに関するSEOの情報を精度高く提示してくれるツールです。
2022年5月時点ではサポート付きの30日間無料トライアルも実施中です。SEOも本格的に行いたいが、難しいデータ分析には拒否反応がでる、という方には一度試してみることをおすすめします。
■アナトミーサイト
■アナトミー画面
Tableau
全世界的に普及しているデータ可視化ツールです。様々な分析ツールのデータとの接続連携をサポートしていますが、その中にはもちろんGoogle Analyticsも含まれています。
料金については、企業向けは導入費用+人数に応じたライセンス契約となっております。個人向けは2022年5月現在、月間70米ドルで、年間契約が必須となっています。
法人向けは、「Creator」「Explorer」「Viewer」とプランが分かれており、プランによって利用できる機能が異なります。無料トライアルも実施しているようなので、興味のある方は無料トライアルで試してみることをおすすめします。
出典元:Tableau https://www.tableau.com/ja-jp/pricing/teams-orgs
■Tableauサイト
■Tableau画面
FARO REPORT
FARO REPORTは、Google AnalyticsとGoogle Search Consoleからデータを読み込み、分かりやすいレポートを1分程度で生成できることが特徴の分析ツールです。
Google Analytics 4にも対応しており、Google Analytics 4でのデータ抽出に困っている方は一度試してみることをお勧めします。無料プランもあるので、まず無料で始めて必要であれば有料プランを追加していくことも可能です。
■FARO REPORTサイト
■FARO REPORT画面一例
GArepo
GArepoはGoogle Analyticsと連携させて使うツールです。
特徴として、改善点を見つけやすいレポート画面、過去データとの比較レポートがデフォルトで搭載などが挙げられます。また、他のツールではあまり見ないバブルチャートなどの機能も有しているので、サイト細かい状況までグラフなどに端的に表現してレポーティングする必要がある方にはぴったりのツールです。
2022年5月時点で、初期費用は無料で、月間でかかってくる最低料金は5,500円です。契約期間も1か月単位の更新で、2022年5月時点では申込日の月末までは無料で利用できます。
出典元:GArepo https://www.garepo.jp/fee.html
■GArepoサイト
■GArepo画面一例
他の独自アクセス解析ツール
Google Analyticsとその周辺ツールについて解説してきましたが、アクセス解析ツールはそれだけではありません。
特にGoogle Analytics Universal Analyticsが2023年中に使えなくなるなか、代替となるWEBサイト解析ツールの選択肢でGoogle Analytics 4以外にもツールがあることを知っておくことは重要です。
忍者アクセス解析
基本無料で利用できるアクセス解析ツールですが、「Ninja Tools」というようなバナーがサイト上に表示されるなど、運営しているWEBサイトのデザイン・UIに影響があります。
■忍者アクセス解析サイト
https://www.ninja.co.jp/analyze/
■忍者アクセス解析画面
アクセス解析研究所
無料で利用できるアクセス解析ツールです。
GPS情報を用いた分析もできることや、ユーザー個々のサイト内行動を追跡できるのが特徴です。
■アクセス改正研究所サイト
■アクセス解析研究所画面
Juicer
基本機能は全て無料の、WEBビーコン型のアクセス解析ツールです。
公式サイトによると、ソフトバンク、ダイキン、JTB、森永製菓、ローソンなど有名企業での採用実績があるようです。基本的にGoogle Analyticsとは独立したアクセス解析ツールですが、Google Analyticsに過去分のデータがあれば、それを読み込むことも可能なので、分析ツールの切り替えという意味でも便利です。
画面例にあるように、サイトの重要指標をシンプルでグラフィカルに表現してくれます。マーケティングには欠かせないペルソナ分析、NPS(ネットプロモータースコア)、ABテスト、リードスコアリングなども機能もついており、これらの機能についても無料で使える範囲が広いです。
有料プランには、ユーザー一人一人のログデータを用いたデータ活用や、DMP(データマネジメントプラットフォーム)を使った分析、広告運用関連などが含まれており、基本機能だけでは不足しているポイントを補っています。
出典元: juicer https://juicer.cc/plan/
■Juicerサイト
■Juicer画面
競合サイト分析ツール
今まで自社のサイト分析用のツールを紹介してきましたが、他社のサイトを分析できるツールも存在します。今回はその中から2つツールを紹介します。
SimilarWeb
Similar Webは、イスラエル発の競合サイト分析ツールです。
ある程度流入数があるサイトについての、推測流入数、流入元、流入してきているキーワードなどを見ることができます。自社サイトのように導入にタグを埋め込むというような作業も必要なく、ポータルサイトにアクセスすればすぐに見ることができます。
特徴として、自社サイトを登録すれば、AIが自社サイトに似たサイトの数字を表示してくれる機能などがあり、今まで認識していなかった競合を発見するのにも役立ちます。
■SimilarWebサイト
https://www.similarweb.com/ja/
■SimilarWeb画面
Dockpit(旧名:eMark+)
特定の競合サイトのみならず、業界全体のトレンドまでも把握できることが特徴のインテリジェンスツールです。
また、キーワードを入力すればその検索ボリュームを把握できる、Google Analyticsのデータ連携もできるなど、一つのツールでいろんな種類のデータを把握できるのが便利なツールです。登録は無料です。
出典元:VALUES https://www.valuesccg.com/service/dmd/emarkplus/
■Dockpitサイト
https://www.valuesccg.com/dockpit/
■Dockpit画面
ヒートマップツール
最後に、ユーザーのページ内での動きを事細かに分析することができる、ヒートマップツールについて紹介します。
Ptengine
タグを一つ入力するだけで、ユーザーの動きを可視化できるツールです。3,000PVまでなら無料で利用することができ、それ以上は月間4,980円~になります(2022年5月現在)
■Ptengineサイト
■Ptengine画面
Mouseflow
コンバージョンを上げることに特化した、ヒートマップツールです。リプレイ機能などで、ユーザーが実際にどのような動きをしたのかなどを確認することができます。デンマークの新興IT企業が開発していますが、日本語対応も行っています。
■Mouseflowサイト
■Mouseflow画面
UserHeat
基本的なヒートマップ機能を無料で利用することができます。
法人向けの有償プランでは、ヒートマップ機能に加えて、アクセス解析に関するデータも取得できるようになるので、ヒートマップだけでなくアクセス解析まで補完できるのが特徴です。
■UserHeatサイト
■UserHeat画面
Clarity
マイクロソフト社が提供する、ヒートマップツールです。基本的に無料で利用でき、GDPRなどのリーガル対応がしっかりしているところが特徴です。
■Clarityサイト
https://clarity.microsoft.com/
■Clarity画面
まとめ
自社アクセス解析ツール、他社アクセス解析ツール、ヒートマップツールとWEBサイト分析に関わる分析ツール群を一通り解説してきました。
WEBサイトに関わる分析ツール一つとっても、色んな種類があり、各社様々なツールが出ていることがお分かりになったかと思います。いろんなツールがありすぎて混乱してしまう、という方は、そもそもなぜ解析ツールを導入するかを目的から考えてみましょう。
それぞれのツールで特徴がありますので、自分の目的を念頭に置いたうえで、どんな特徴が目的達成に適しているかを考えれば、おのずと最適なツールは絞られてくるはずです。
最適な分析ツールを持つことはWEBサイト運営に於いて極めて需要です。しっかりと適切なツールを選んだうえで、WEBでのビジネス拡大など、それぞれの目的に向けて邁進しましょう。
執筆者:山本卓真
株式会社ヒトノテのSEOコンサルタント。中小企業から大企業まで様々な規模、業種のサイトのSEOに携わる。WEBマーケティングの広い知見と経験をもとにクライアントと伴走することが得意です。
監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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