トピッククラスターの実施手順!高難易度キーワードのSEO評価を高める戦略やページ構成を徹底解説
トピッククラスターは、1つのトピックに対して、関連性の高いページやコンテンツを網羅的に作成し、適切に内部リンクでつなぐことによって、そのトピック全体のSEO評価を高める施策です。
本記事では、高難易度キーワードのSEO評価を高めるトピッククラスターの実施手順を解説します。どのようにキーワードを選定し、ページを作成していけばいいのかを実例を交えながら紹介するので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
トピッククラスターとは?
トピッククラスターとは、1つのトピック(=ターゲットキーワード)を決め、そのトピックに関する周辺情報を網羅することで、トピック全体のSEO評価を高める施策のことです。難易度の高いキーワードを獲得する戦略として実施することが多いです。
核となるキーワードのページ(ピラーページ)を作成し、その周囲に関連ページ(クラスターページ)を配置します。ピラーページとクラスターページは内部リンクでつなぎます。
なぜSEOにおいてトピッククラスターの考え方が必要なのか?
Googleは、ユーザーが求める情報に対して、専門的かつ網羅的にまとめているサイトを評価する傾向にあります。
例えば、「エンジニア 転職」という検索キーワードに対して、多くの求人情報が掲載されていたり、転職のコツやエンジニアに向いている人のノウハウなどのページがあったりするサイトが評価されやすいです。
トピッククラスターは、あるテーマに対して、ユーザーが求めるさまざまな情報を深く、網羅的に押さえる施策・戦略です。
このトピッククラスターの考え方は、Googleの考え方とマッチしています。特に、昨今のSEOではEEATの重要性が一段と上がっているので、SEOにおいてトピッククラスターの考え方が必要といえるでしょう。
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トピッククラスターを活用しているサイト事例
ここでは、トピッククラスターを活用して、成果を上げているサイトを紹介します。SEO評価の高いサイトが、どのようなページ構成になっているのかを確認してみましょう。
マイナビ転職
マイナビ転職の「面接対策|よく聞かれる質問と回答例〜準備・面接後のやり取り・流れ・マナー〜」は、「面接」「面接対策」といったキーワードで1位を獲得しています。このページはピラーページとなっており、面接に関するさまざまなコンテンツや内部リンクが設置されています。
このピラーページ内にあるコンテンツ(大見出し)は大きく5つです。
- 面接開始までの流れを確認(受付・入室マナーなど)
- WEB面接の準備・対策
- 面接でよくある質問の回答50例
- 苦手をなくそう!逆質問、志望動機、短所などの例文集
- 面接後の不安を解消(お礼メールは送る?など)
それぞれの大見出しの中にも細かくコンテンツが設置されており、内部リンクでつながれています。
例えば「面接開始までの流れを確認(受付・入室マナーなど)」の大見出しでは、面接の準備や受付・入室マナーなどのコンテンツが時系列に沿って置かれています。
さらに、それぞれのポイントで必要な情報(コンテンツ)には、該当記事への内部リンクが設置されています。この該当記事が、クラスターページです。
例えば「スーツ&私服面接で印象の良い服装」をクリックすると、「転職面接の服装を徹底解説!スーツ・髪型・服装自由の正解」の記事(クラスターページ)に遷移します。
このように、ピラーページでは面接や面接への準備の全体像がフロー化され、面接対策の概要が掴めるようになっています。さらに、ピラーページ内にある1つ1つのコンテンツに内部リンクが設置されており、関連記事(クラスターページ)に飛べるように設計されています。
マイナビ転職は、このトピッククラスターの設計によって、「面接」や「面接対策」といった競合の多いビッグキーワードで、上位表示できているといえるでしょう。
みんなのFX
みんなのFXの「FXとは?初心者でもわかるFXの基礎知識」は、「FX」「FX とは」「FX 初心者」などのキーワードで検索上位を獲得しています。トピッククラスターによって設計されており、このページはピラーページとして機能しています。
目次からも読み取れるように、仕組み・運用方法・リスクといったFXの基礎知識がテキストで説明されており、このピラーページ自体も1つの記事として設計されています。
そして、このピラーページ内のコンテンツの関連ページとして、それぞれのコンテンツに関係する記事(クラスターページ)への内部リンクが設置されています。
例えば、「レバレッジについてもっと詳しく知る」をクリックすると、レバレッジについて詳しく解説されたページに遷移します。
このように、ピラーページをFXの基礎知識が解説された1つの記事として作成し、その中で出てくる用語や関連知識をピラーページとして作成しています。ピラーページに飛べるように内部リンクもきちんと設置しています。
みんなのFXもトピッククラスターの戦略によって、「FX」「FX とは」などの競合が多く、難易度が高いキーワードを獲得できています。
トピッククラスターの実施手順
実際にどのような手順でトピッククラスターを実施すればよいのかを解説します。今回は、登山の情報を発信するサイトの流入増加を目的とし、キーワードやコンテンツ・ページ構成を考えていきます。
①ターゲットを明確にする
まずは、自社サイトのターゲットを明確にします。ここで設定するターゲットは、「中小企業の経営者」や「IT企業の会社員」のようなざっくりしたイメージではなく、ユーザー像が具体的にイメージできるように落とし込んでいくとよいでしょう。
今回の想定(登山の情報を発信するサイト)だと、以下のようになります。
基本情報
・年齢:25歳
・性別:女性
・家族構成:独身
・住んでいる場所:東京
・職業:ITベンチャー企業の営業職
・勤務時間:平日10〜19時
・年収:400万円
・貯蓄:150万円
・趣味:旅行、読書
・よく使うSNS:Instagram
詳細
・アクティブな性格
・休日は友達とどこかへ出かけたり、旅行をしたりする
・登山未経験
・友達との会話の中で「登山に行きたいね」という話題になり計画することに
・登山に行く具体的な日にちも決めたものの、登山に関する知識やグッズは何もない
・初めての登山に向けてさまざまな情報を集めている状態
このように、サイトのターゲットとなるユーザー像を具体化することで、ユーザーが検索しそうなキーワードや求める情報が見えてきます。
②ピラーページのキーワードを決める
ターゲットが明確化したら、そのユーザーが検索し、最終的に検索上位を獲得したいキーワードを決めます。このキーワードが、ピラーページのキーワードになります。
ピラーページのキーワードは、1〜2語で、ある程度の月間検索ボリュームがあるキーワードが望ましいです。
上記で設定したユーザーは、以下のキーワードを中心に情報収集していくと考えられます。
- 登山 初めて
- 登山 初心者
- 登山 準備
実際にこれらのキーワードが、どのくらい検索されているのか、検索ニーズがあるのかをツールを使用して調べます。
キーワード | 月間検索ボリューム |
登山 初めて | 90 |
登山 初心者 | 5,400 |
登山 準備 | 480 |
調査結果から、「登山 初心者」をピラーページのキーワードに設定するのがよさそうです。
実際にGoogleで「登山 初心者」と検索すると、
- 登山を始めるための登山初心者へのノウハウ
- 登山の初め方ガイド
といったページが並んでおり、設定したターゲットの検索意図とマッチしているコンテンツが上位表示されていることがわかります。つまり、トピッククラスターとしてコンテンツを作成する価値があるといえます。
③クラスターページのキーワードを洗い出す
ピラーページのキーワードが決まったら、クラスターページのキーワードを洗い出します。それによって、ピラーページの構成や必要なコンテンツも見えてきます。
キーワードの洗い出しに便利なのが、以下の項目の調査です。
- サジェストキーワード
- Q&Aサイト
- 関連キーワード
サジェストキーワード
サジェストキーワードとは、Googleの検索窓にキーワードを入れた際に、さらに候補として出てくるキーワードのことです。「登山 初心者」では、以下のサジェストキーワードが表示されます。
「登山 初心者」と検索するユーザーは、
- 登山 初心者 関東
- 登山 初心者 服装
- 登山 初心者 1人
- 登山 初心者 装備
- 登山 初心者 おすすめ
- 登山 初心者 迷惑
などのキーワードも検索している可能性が高いことがわかります。
Q&Aサイト
Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトでも検索してみましょう。
Yahoo!知恵袋で「登山 初心者」と検索すると、
- 登山初心者におすすめの山
- 登山初心者の服装
- 登山初心者の靴
- 緊急時のために必要なアイテム
などを知りたいユーザーがいることがわかります。
関連キーワード
SEOツールやキーワードツールを使用して、ピラーページのキーワードに関連するキーワードを調査します。弊社ヒトノテでは、Ubersuggest(有料版)を使用しています。
「登山 初心者」と入れると、以下の関連キーワードが出現します。
- 登山 初心者 装備
- 登山 初心者 服装
- 登山 初心者 持ち物
- 登山 初心者 ツアー
- 登山 初心者 雪山
- 登山 初心者 ルート
- 登山 初心者 1人
- 登山 初心者 ルール
上記のキーワードが関連していることがわかります。
④ピラーページの構成やコンテンツを考える
ひと通りクラスターページのキーワードを洗い出したら、そのキーワードを活かしながら、ピラーページの構成や必要なコンテンツを考えます。
「登山 初心者」のピラーページでは、以下のような構成やコンテンツ、クラスターページへのつなぎこみが必要と考えられます。
構成 | クラスターページ (キーワード) |
登山の基礎知識 | ・登山 メリット ・登山 計画 ・登山 ルール ・登山 マナー ・登山 季節 |
山の選び方 | ・登山 山 選び方 ・登山 コース 選び方 |
登山におすすめの山 | ・登山 初心者 おすすめ ・登山 春 おすすめ ・登山 夏 おすすめ ・登山 秋 おすすめ ・登山 冬 おすすめ ・登山 日帰り おすすめ ・登山 関東 おすすめ |
登山の服装・持ち物 | ・登山 服装 ・登山 持ち物 |
登山の歩き方 | ・登山 歩き方 |
登山で遭難しないために | ・登山 安全対策 ・登山 道迷い ・登山 低体温症 ・登山 高山病 |
構成やコンテンツが固まったら、実際にピラーページを作成していきます。
⑤クラスターページを作成する
上記で挙げたキーワードをもとに、クラスターページを作成します。1つ1つのキーワードに合わせたページ・コンテンツをしっかり作り込んでいきましょう。
基本的には、検索ボリュームの大きなキーワードから作成するのがよいでしょう。検索ボリュームが大きいほど、検索上位を獲得した際の流入インパクトも大きくなります。
⑥ピラーページとクラスターページを内部リンクでつなぐ
クラスターページを作成したら、ピラーページとクラスターページを内部リンクでつなぎましょう。内部リンクでつなぐことによって、Googleにそのトピックの網羅性や専門性を認識させ、ピラーページをはじめとしたトピック全体の評価向上が期待できます。
まとめ
今回は、高難易度キーワードのSEO評価を高めるトピッククラスターの実施手順を解説しました。トピッククラスターの考え方は、Googleが1つの軸として考えているサイトの専門性や網羅性にマッチします。
自社サイトで獲得したいビッグキーワードのSEO評価がなかなか上がらない場合は、トピッククラスターを実施してみるのも1つの手でしょう。
ヒトノテでは、さまざまな観点でWebサイトへの流入や問い合わせが増えるようにご支援をさせていただいております。
- SEO観点での自社サイトのベストプラクティス
- SEOの基礎知識や原理原則
- 効果的なSEO施策
などを知りたい場合は、ぜひこちらからお気軽にご相談ください。不明点や疑問点に対して、1つ1つ丁寧にご説明いたします。
監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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