食べログのSEOを徹底解剖!サイト構成やSEO上の工夫とは?
食べログを利用して、さまざまな飲食店を検索したことのある人は多いでしょう。店舗名や「ジャンル×おすすめ」で検索すると、食べログのサイトが検索結果の上位に表示されるため、SEO評価が高いことがわかります。
この記事では、食べログのSEOを徹底解剖し、どのようなページ構成で、どのような工夫を行っているかを解説します。食べログのSEO戦略や取り組みを理解して、自社サイトにも活用していきましょう。
この記事の目次
食べログとは?
食べログは、日本の飲食店を探すためのWebサイトです。レストランやカフェ、居酒屋などの情報を検索でき、ユーザーが投稿したレビューや評価を参考にしてお店を選ぶことができます。
また、店舗の営業時間やメニュー、写真なども確認できるので、初めてのお店でも安心して訪れることができます。食べログのランキングは多くのユーザーが参考にしており、美味しいお店を見つけるのに役立ちます。
食べログの認知度は?
食べログは、大手グルメサイトの「ぐるなび」や「ホットペッパーグルメ」と比較し、認知度や利用率において業界No.1を獲得しています。
食べログは、Googleの月間検索回数*においても、ぐるなびの2倍以上、ホットペッパーグルメの3倍以上と、高い認知度を誇ります。
*Ubersuggest調べ
キーワード | 検索回数 |
食べログ | 550,000 |
ぐるなび | 246,000 |
ホットペッパーグルメ | 165,000 |
食べログの掲載店舗数は?
情報量はSEOにおいて重要な要素となります。食べログの掲載店舗数は、ぐるなび・ホットペッパーグルメを上回っています。
サイト | 掲載店舗数 |
食べログ | 約81万件 |
ぐるなび | 約49万件 |
ホットペッパーグルメ | 約75万件 |
食べログは、他の2つのサービスと比較しても、ユーザーにとって人気が高く、情報量も豊富であると言えます。検索回数やサイトの露出度が高いため、検索エンジンで上位に表示されやすいです。
食べログのSEO状況
ここでは、食べログのサイトがどのように作られているのかを紹介します。流入数や被リンク数、検索クエリ別の平均順位を用いて、競合サイトとの比較を行っています。
大まかなサイト構成
食べログは、TOPページの配下にエリア、ジャンル、その他テーマなどのページがあります。
エリアは、都道府県→中エリア→小エリア→駅のように細分化され、それらのページとジャンルやテーマをかけ合わせたページが作られています。
また、店舗ページの下にはメニューや写真、口コミなどが下層ページにぶら下がっているような構成になっています。
URLは、ジャンルやテーマよりも、エリアが上階層に来るようなディレクトリ構成になっており、ジャンルやテーマよりもエリア名を重要視した戦略になっていることが伺えます。
流入数や被リンク数の比較
弊社で利用しているUbersuggest(SEOツール)によると、食べログ・ぐるなび・ホットペッパーグルメのデータは以下のようになっています。
食べログ
ぐるなび
ホットペッパーグルメ
ツールによるデータのため実際の流入数とは異なりますが、食べログはぐるなびやホットペッパーグルメを圧倒する数字になっています。
一方で被リンク数は、ぐるなびやホットペッパーグルメの方が数が多いのは意外です。ただ、それでも食べログの方が流入が多いのは、以下の理由が考えられるでしょう。
- 高いブランド認知を誇り、サイトのベース評価が高いため
- 口コミによるロングテールワードの獲得が大きいため
検索クエリ別の平均順位
以下は、各検索クエリ別に平均順位を調査したデータです。
調査対象キーワード数 | 食べログ平均順位 | ぐるなび平均順位 | ホットペッパー平均順位 | |
BIGワード(グルメ、レストラン、居酒屋など) | 4 | 2.7位 | 15.0位 | 2.5位 |
都道府県×グルメ/レストラン | 94 | 3.8位 | 18.8位 | 17.3位 |
都道府県×ジャンル | 100 | 1.6位 | 17.7位 | 10.0位 |
市区×グルメ/レストラン | 100 | 1.6位 | 8.9位 | 13.0位 |
市区×ジャンル | 100 | 1.4位 | 15.5位 | 9.6位 |
店舗名 | 100 | 8.0位 | 27.3位 | 25.2位 |
食べログは、ほとんどのカテゴリで平均順位が最も高いです。特に「都道府県×ジャンル」「市区×グルメ/レストラン」「市区×ジャンル」では、圧倒的な強さを示しています。
食べログの各ページのSEO上のポイントや工夫
ここからは、食べログの各ページに見られるSEO上のポイントや工夫を紹介します。
SEOの原則としては、以下の3点が挙げられます。
- 検索して流入するユーザーの期待に沿ったページであること
- 評価を得るのに十分な情報(主にテキストコンテンツ)が存在すること
- 他のページの評価を上げるための内部リンクが効果的に配置されていること
この3つの観点を中心に各主要ページのポイントや工夫を見ていきます。
TOPページ
まずは、食べログのTOPページを見ていきます。
ユーザーの期待に沿ったページであるか
主な流入キーワード
「食べログ」「グルメ」「レストラン」
ユーザーの期待
エリア、ジャンル、シーンやこだわりから飲食店を見つけたい
TOPページの最上部に検索窓があり、続いてエリア選択、料理ジャンル選択が配置されています。特集を挟んでシーンやこだわり条件が配置されており、ユーザーがさまざまな条件で自分に合う飲食店を探せるコンテンツ設計になっています。
また、リンクは上述の通りエリア、ジャンルの順番になっており、ユーザーのニーズやSEOでの優先順位を意識してコンテンツが配置されていることが伺えます。
SEOに効果的なテキスト情報
食べログほどの巨大サイトになると、あまりテキスト情報がなくても十分に評価がされるので、TOPページのテキスト情報は多くありません。
その中でもテキストの更新性をつけるための工夫として、食べログマガジン新着記事や、食べログまとめアクセスランキングを用意しています。
他ページを評価するための内部リンク
前述の通り、レストラン検索導線への内部リンクは、エリア、ジャンル、利用シーン、こだわり条件、の順に並んでいます。
これはユーザビリティの観点も多分に含まれますが、SEO観点でも優先順位の高いページを優先的に並べるようにしていると考えられます。
それぞれの内部リンクを詳細に見ていきましょう。
【エリア検索】
主要都道府県への内部リンクが初期表示され、「もっと見る」を押すと、都内の主要エリアや全国の有名エリアが並びます。(PC版とスマートフォン版で挙動が異なります)
また同時に、特に需要が大きいエリア×ジャンルへのリンクも直接配置されており、検索ニーズの大きいページにTOPページから直接リンクを置く工夫がされています。
【ジャンル検索】
食べログには約270ジャンルが存在*し、その中で特に重要な6ジャンルを初期表示しています。
さらに「もっと見る」を押すと、追加で40ジャンルのリンクが表示され、ここにSEO上特に重要な内部リンクを配置する工夫が見られます。
【利用シーン・こだわり条件】
続いて配置される利用シーンは、数が少ないからか、すべてが表示されます。
一方、こだわり条件は、エリアやジャンル同様「もっと見る」が設置され、SEO上重要なリンクが配置されています。
【その他のリンク】
上記以外に、一部の記事や店舗、口コミへのリンクが一定のロジックで表示されています。これは重要な店舗や階層の深いページに直接リンクを設置することで、特定ページの評価向上やサイト全体のクローラビリティ向上に寄与します。
他にも、「食べログ求人」や「幹事マニュアル」などへのリンクが配置されています。このあたりはSEO上の意図というよりも、企業として複数のサービスの相互リンクを設置しようという意図に感じます。
都道府県ページ
続いて、食べログの都道府県ページを見ていきます。
ユーザーの期待に沿ったページであるか
主な流入キーワード
「東京 グルメ」「大阪 レストラン」
ユーザーの期待
特定のエリアで良いお店がないかを探したい
TOPページと同様に最上部に検索窓があり、続いてそのエリアでのランキングTOP3のお店が配置されています。
店舗一覧がページ内の大枠を占めており、気になった店舗のリンク先にすぐ飛べるような設計になっています。
また、店舗情報一覧は、標準(PR店舗優先順)、ランキング、口コミが多い順、ニューオープンで並び変えることができます。
さらに、左カラムには、エリア、ジャンル、予算、営業時間、こだわり、利用シーン、空間・設備などから店舗を探せるようになっています。
ページ下部には、東京のグルメ情報まとめや、グルメ・おでかけ情報メディアicotto、東京の新着口コミなどから店舗を探せるリンクが設置されています。
SEOに効果的なテキスト情報
店舗情報の枠内に、その店舗の特徴を書いた文章を掲載することで、ユーザーが店舗情報を認知しやすくなっています。また、新着の口コミを掲載することで、テキストの更新性をつけるための工夫を行っています。
他ページを評価するための内部リンク
レストラン検索導線の内部リンクは、以下の順番で並んでいます。
- エリア検索
- 駅
- 施設・観光スポット
- ジャンル検索
- こだわり
- 利用シーン
- 空間・設備
それぞれの内部リンクを詳細に見ていきます。
①エリア検索の内部リンク
選択している都道府県のエリア(銀座・新橋・有楽町など)を31個配置しています。
続いて、話題のエリアから探す内部リンクが14個配置されています。こちらは銀座、渋谷などの小エリアへの内部リンクが配置されています。
続いて、選択している都道府県の市区町村の内部リンクが配置されています。東京の場合は、62個の市区町村エリアへの内部リンクが配置されています。
②駅から探す内部リンク
10個の主要駅への内部リンクが配置されています。さらに、路線一覧のページにも内部リンクが配置されています。
③施設・観光スポットから探す内部リンク
1,000を超える観光スポット*や、550を超える施設*が存在する中で、主要の観光スポットと施設を4個に絞って内部リンクを配置しています。
④ジャンルから探す内部リンク
人気のジャンル、レストラン、ラーメン、カフェ・パン・スイーツ、バー・お酒、料理旅館・オーベルジュ、その他でそれぞれ内部リンクが設置されています。
⑤こだわりから探す内部リンク
個室、飲み放題、カード可など10個の内部リンクが貼られています。
⑥利用シーンから探す内部リンク
指定なし、家族・子供と、デートなど9個の内部リンクが貼られています。
⑦空間・設備から探す内部リンク
オシャレな空間、カップルシートなど5個の内部リンクが貼られています。それだけでなく、詳細条件の内部リンクも貼られています。
ほかにも、値段からランチを探せる内部リンクや、コース、個室・空間、特別なシーン、宴会にそれぞれ内部リンクが貼られています。
市区×ジャンルページ
続いて、食べログの市区×ジャンルページを見ていきます。
ユーザーの期待に沿ったページであるか
主な流入キーワード
「江東区 グルメ」「新宿区 レストラン」
ユーザーの期待
市区エリアでよいお店がないか
ほかのページと同様に、最上部に検索窓があり、店舗一覧がページ内の大枠を占めています。また、店舗情報一覧は標準(PR店舗優先順)、ランキング、口コミが多い順、ニューオープンで並び変えることができます。
また、左カラムには、市区町村、ジャンル、予算営業時間、こだわり、利用シーン、空間・設備などから店舗を探せるようになっています。
他ページを評価するための内部リンク
レストラン検索導線の内部リンクは、市区町村×ジャンル検索、ジャンル検索、こだわり、利用シーン、ドリンク、空間・設備という順番で並んでいます。
それぞれの内部リンクについて詳細に見ていきます。
・市区町村×ジャンルから探す内部リンク
選択している区のより詳細なエリア×ジャンルへの内部リンクが配置されています。江東区×焼肉の場合は、26個の地区エリア×焼肉のページへの内部リンクが存在しています。
・市区×ジャンルから探す内部リンク
ジャンルを選択することで、市区×ジャンルのページに飛べます。それぞれのジャンルに内部リンクが配置されています。
・こだわり
個室、飲み放題、カード可など10個の内部リンクが貼られています。
・利用シーン
指定なし、家族・子供と、デートなど9個の内部リンクが貼られています。
・空間・設備
オシャレな空間、カップルシートなど5個の内部リンクが貼られています。それだけでなく、詳細条件の内部リンクも貼られています。
ほかにも、値段からランチを探せる内部リンクや、コース、個室・空間、特別なシーン、宴会にそれぞれ内部リンクが貼られています。
店舗ページ
最後に、食べログの店舗ページを見ていきます。
ユーザーの期待に沿ったページであるか
主な流入キーワード
「表参道焼肉 KINTAN」「maya 五反田店」
ユーザーの期待
お店の詳細情報が知りたい
TOPページと同様に、最上部に検索窓があります。その下には、店舗名、5段階中の評価、最寄り駅、ジャンル、予算が書かれています。
そのお店の情報をトップ、座席、メニュー、写真、口コミ、クーポンから詳しく知ることができます。
それぞれの中身を見てみます。
・トップ
まずはじめに、ネット予約ができる日にちをカレンダー形式で見ることができます。続いて、その店舗のおすすめコース、おすすめドリンクプランが書かれています。その下に、お店のこだわり、座席、コース、クーポン、投稿写真、口コミ、テイクアウト、お店の場所、店舗基本情報と並びます。
・座席
座席一覧がキャプチャとともに掲載されています。
・メニュー
コース、料理、ドリンク、ランチ、写真の各カテゴリを選択することで、ユーザーが見たい情報を見ることができます。
・写真
すべて、料理、ドリンク、内観、外観、その他の各カテゴリをユーザーが選択することで、写真を見ることができます。
・口コミ
各ユーザーの口コミを見ることができます。
・クーポン
お店で使えるクーポンが掲載されています。
ページ内下部では、「このお店が紹介されているグルメ情報まとめ」「このお店が紹介されている記事」をまとめた特集があり、続いて「ランチのお店を探す」リンクが張られています。
SEOに効果的なテキスト情報
お店のアピールをするテキストやお店のこだわりが詳しく書かれ、テイクアウトや基本情報だけでなく、食べログの強みである口コミがしっかり掲載されています。
このようなお店に関連する一次情報があると、ページの評価、ひいてはサイト全体の評価を高めることができます。
他ページを評価するための内部リンク
店舗ページの下の方に注目してみると「関連の情報をすべて見る」というリンクがあります。
ここの中にある内部リンクが、SEOにとって非常に重要です。
内容を見てみると、上から「条件の似たお店を探す」「周辺エリアのランキング」「近くにある施設」「周辺の観光スポット」「関連のキーワード」「よくある質問」の順で並んでいます。
・条件の似たお店を探す
ジャンル×ランチや、ジャンル×利用シーンに分けられて内部リンクが配置されています。
・周辺エリアのランキング
周辺のエリアのランキングについての内部リンクが5個配置されています。
・近くにある施設
近くにある施設の内部リンクが7個配置されています。さらに、東京都の施設一覧ページ*にもリンクが配置されており、各店舗ページの回遊を担保しています。
・周辺の観光スポット
周辺にある観光スポットの内部リンクが5個配置されています。名称と距離も記載されています。
・関連のキーワード
選択しているお店の関連のキーワードが書かれており、それぞれに内部リンクが配置されています。リンク先のページを見てみると、選択しているエリア(今の場合表参道)×ジャンルのページに飛ぶことができます。
・よくある質問
よくある質問が掲載されています。主にテキストが多いですが、それぞれの質問に関連のある内部リンクが配置されています。
まとめ
今回は、食べログのサイト構成や、SEO上どのような工夫を行っているかを紹介しました。
食べログは、TOPページからエリア、ジャンル、その他テーマなどで店舗を検索できるサイト構成になっています。都道府県→中エリア→小エリア→駅のようにエリアを細分化し、エリアページとジャンル・テーマをかけ合わせたページを展開しています。
また、各ページでSEOに効果的なテキスト情報や、適切な内部リンクを配置し、SEO評価を高める工夫を行っています。
今回紹介した食べログのサイト構成やSEO上の工夫をヒントにし、自社サイトの改善やSEO評価の向上につなげていきましょう。
ヒトノテでは、さまざまな観点でWebサイトへの流入や問い合わせが増えるようにご支援をさせていただいております。
SEO観点でのベストプラクティスや効果的な施策を知りたい場合は、ぜひお気軽にご相談ください。不明点や疑問点に対しても、1つ1つ丁寧にご説明いたします。
監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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