SEO 公開日: 2024.07.19 更新日: 2024.08.19

GA4を使ったSEO分析!モニタリング項目と確認方法を解説

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GA4を使ったSEO分析

GA4は、SEOにおいて必須のツールです。GA4を活用することで、サイトやページへ訪問したユーザーの行動を的確に分析できるようになります。

本記事では、SEOに関わる分析業務に焦点を当てて、GA4の実践的な活用方法を紹介します。SEOで必要なモニタリング項目と、GA4での確認方法やレポート設定方法を理解して、今日から業務に活用していきましょう。

【前提】SEOに必要なモニタリング項目

SEOに必要なモニタリング項目のロジックツリー

前提として、SEOに必要なモニタリング項目を整理しましょう。

SEOの最大の目標となる指標は「CV数」です。このCV数を増やすために、流入数とCVRの向上が必要です。特に流入数は、SEOに大きく関わる要素のため、しっかりとモニタリングする必要があります。

流入数に関わる要素
・キーワードバリエーション
・キーワードの検索順位
・キーワードの検索数

キーワードバリエーション
同じ意味ながら、表現が異なるキーワードのこと(類似語・同義語・略語など)
例)歯医者と歯科、ホームページ制作とHP制作など

GA4では、流入数そのもののモニタリングはできるものの、流入数に関わるそれぞれの項目は確認できません。Googleサーチコンソールやキーワードプランナーなどのツールを使って、流入数に関わる項目を確認する必要があることを覚えておきましょう。

項目確認できるツール
キーワードバリエーションGoogleサーチコンソール
ミエルカ
キーワードの検索順位Googleサーチコンソール
DemandMetrics
GRC
キーワードの検索数キーワードプランナー
KeywordTools.io
Ubersuggest

GA4で追うべきモニタリング項目

GA4で追うべきモニタリング項目のフロー

基本的にGA4では、サイト全体やページごとの流入数やCV数を追っていきます。また、数値を分析する中で、数値に変化が起こった際の要因を考えることも必要です。GA4で追うべきモニタリング項目を紹介します。

①サイト全体の数値(流入数・CV数・CVR)

まずは、自然検索からの流入数やCV数、CVRを、サイト全体で見ることが重要です。サイト全体の流入やCVは伸びているのか、どのように変化しているのかに着目しましょう。

②ページ単位の数値(流入数・CV数・CVR)

自然検索からの流入数やCV数、CVRをページ単位で見ることも必要です。特に、流入数やCV数に変化がある場合に、どのページ・ページ群で変化が起こっているかを分析しましょう。

③CVRに変化が起こった際の要因

サイト全体やページ単位の数値を確認し、中でもCVRに変化が起こった際は、その要因を考えるようにしましょう。CVRに変化が起きた際に考えられる要因は、主に以下の内容です。

  1. ユーザーのモチベーションや属性が変わった
  2. ユーザーの行動が変わった
  3. ユーザーがCVに至る経路のどこかで歩留まりが起こった

特に2と3は、GA4でしっかり分析できます。また、GA4と並行して、Googleサーチコンソールで流入クエリやクリック率などの変化を見ることも必要です。

GA4を使ったサイト全体の数値確認&分析方法

ここからは、GA4を使って、どのように数値を確認していけばよいのかをお伝えします。まずは、サイト全体の流入数やCV数、CVRの確認方法を紹介します。

チャネル別の流入推移を確認する

まずは、サイト全体の自然検索からの流入数やCV数を簡易的に把握するために、チャネル別の流入推移を確認しましょう。

GA4の画面

GA4の画面

チャネル別の流入推移は、「レポート>集客>トラフィック獲得」で確認できます。

GA4の画面

自然検索は、「Organic Search」を確認します。セッションで流入数を確認でき、キーイベントでCVとなる指標を選択してCV数を確認できます。

右上に表示される期間の項目で、期間の範囲を変えたり、比較したりすることで、自然検索からの流入数やCV数の動きを大まかに把握できます。

自然検索流入数を確認する

探索レポートを活用することで、各週や各月のセッション数(自然検索流入数)を実数で把握できます。

GA4の画面

「自由形式」レポートの各項目を設定して、自然検索流入数を確認できるようにします。

左側に表示される「変数」の項目を以下のように設定します。

GA4の画面

変数の項目設定値
セグメント自然検索流入
ディメンション

イベント名
ランディングページ+クエリ文字列
指標イベント数
アクティブユーザー数
総ユーザー数
セッション

セグメントの自然検索流入の設定方法
①セグメントの項目の「+」をクリック
②「ユーザーセグメント」を選択
③新しい条件を追加で「セッションのデフォルトチャネルグループ」を選択
※検索窓に「セッションのデフォルト」と記入すると出てくる
④フィルタを追加で「含む」「Organic Search」を記入し、「いずれかの時点で」にチェックを入れて適用をクリック
⑤右上の「保存して適用」をクリック

「ディメンション」と「指標」は、各項目の「+」をクリックし、上記の該当項目を選択します。

なお、この変数の設定は後のレポートでも使用します。

続いて、変数の右側にある「設定」の項目を以下のように設定します。

GA4の画面

GA4の画面

設定の項目設定値
手法自由形式
ビジュアリゼーションテーブル
セグメントの比較自然検索流入
ピボット最初の列
最初の行1
表示する行数10
ネストされた行No
最初の列グループ1
表示する列グループ数5
セッション
セルタイプ棒グラフ
フィルタ

すると、各月の自然検索流入数レポートが完成します。

GA4の画面

月によって、自然検索からの流入数がどのように変動しているかを確認できます。行の値を「週」に設定すれば、週ごとのデータを確認できます。

自然検索流入数とCV数を同時に確認する

探索レポートでイベントを表示するレポートを作成することで、セッション数(自然検索流入数)とCV数を同時に確認できます。

通常、セッション数とイベント(CV数)を同時に見ることはできませんが、「session_start」というイベントを活用すれば、セッション数とCV数を同時に確認できます。

GA4の画面

変数の項目設定値
セグメント自然検索流入
ディメンション

イベント名
ランディングページ+クエリ文字列
指標イベント数
アクティブユーザー数
総ユーザー数
セッション
設定の項目設定値
手法自由形式
ビジュアリゼーションテーブル
セグメントの比較自然検索流入
ピボット最初の列
最初の行1
表示する行数10
ネストされた行No
イベント名
最初の列グループ1
表示する列グループ数5
イベント数
セルタイプ棒グラフ
フィルタイベント名
次の正規表現に一致
(session_start|イベント①|イベント②)
※GA4に設定してあるイベント名を入れる

イベント名(目標)ごとのイベント数(CV数)を確認できるように設定し、フィルタで正規表現を使用して表示するイベントを絞ります。

イベントの設定手順は以下の記事をご覧ください。
GA4のイベント設定の手順とは?イベントの種類、UAとの違いも解説

上記の設定を行うと、セッション数とCV数を同時に確認できるレポートが完成します。

GA4を使ったページ単位の数値確認&分析方法

続いて、ページ単位の流入数やCV数、CVRの確認方法を紹介します。

ページごとの流入数とCV数を確認する

探索レポートで、ページごとの流入数とCV数を確認できるレポートを作成しましょう。

GA4の画面

変数の項目設定値
セグメント自然検索流入
ディメンション

イベント名
ランディングページ+クエリ文字列
指標イベント数
アクティブユーザー数
総ユーザー数
セッション
設定の項目設定値
手法自由形式
ビジュアリゼーションテーブル
セグメントの比較自然検索流入
ピボット最初の列
ランディングページ+クエリ文字列
最初の行1
表示する行数10
ネストされた行No
イベント名
最初の列グループ1
表示する列グループ数5
イベント数
セルタイプ棒グラフ
フィルタイベント名
次の正規表現に一致
(session_start|イベント①|イベント②)
※GA4に設定してあるイベント名を入れる

ディメンションは、行に「ランディングページ+クエリ文字列」、列に「イベント名」を設定します。セッションは「session_start」のイベントを使って確認します。

各数値の比較は、期間の設定の「比較」でも行えますが、比較したい期間を設定してCSVで書き出し、Excelやスプレッドシートなどに取り込んで比較するのが見やすいです。

ページ群(カテゴリ)ごとの流入数とCV数を確認する

探索レポートを活用すれば、ページ群(カテゴリ)ごとの流入数とCV数の変化も確認できます。上記のレポートに「ランディングページ+クエリ文字列」のフィルタを追加し、ページを絞り込みます。

GA4の画面

変数の項目設定値
セグメント自然検索流入
ディメンション

イベント名
ランディングページ+クエリ文字列
指標イベント数
アクティブユーザー数
総ユーザー数
セッション
設定の項目設定値
手法自由形式
ビジュアリゼーションテーブル
セグメントの比較自然検索流入
ピボット最初の列
ランディングページ+クエリ文字列
最初の行1
表示する行数10
ネストされた行No
イベント名
最初の列グループ1
表示する列グループ数5
イベント数
セルタイプ棒グラフ
フィルタイベント名
次の正規表現に一致
(session_start|イベント①|イベント②)
※GA4に設定してあるイベント名を入れる
フィルタランディングページ+クエリ文字列
※部分一致や正規表現を活用する

ページ群(カテゴリ)を示す「ランディングページ+クエリ文字列」のフィルタは、部分一致や正規表現を活用します。

例えば、「column」ディレクトリ配下のデータを見たいのであれば、部分一致で「/column/」を設定すればOKです。正規表現であれば、「複数の半角数字が続く」「半角英字〇文字」などの設定が可能です。

フィルタの部分一致や正規表現を上手に活用して、ページ群(カテゴリ)ごとの流入数とCV数の変化を分析しましょう。

【補足】GA4でよく使用する正規表現

GA4でよく使用する正規表現を一覧で紹介します。正規表現は、1つの形式で複雑な条件設定をするための記述方法です。探索レポートのフィルタで多用するため、覚えておくと非常に役立ちます。

正規表現意味記述例記述意味
.任意の1文字が続く1.15
1A
1Yなど
?直前の文字が0回か1回出現するhttps?://abc.comhttp://abc.com
https://abc.com
*直前の文字が0回以上出現するhttps://abc.com/yyy/*https://abc.com/yyy/
https://abc.com/yyy/zzzなど
+直前の文字が1回以上出現するhttps://abc.com/yyy/+https://abc.com/yyy/zzz
https://abc.com/yyy/zzz/vvvなど
|前後のいずれか(or条件)organic|directorganic
direct
^続く文字が先頭^organicorganic search
organic socialなど
$続く文字が末尾organic$google organic
yahoo organicなど
()同じ順番で文字列に含まれる(abc)abc
abc1234
1234abc
(|)()内のいずれかhttps://abc.com/(yyy|zzz)https://abc.com/yyy
https://abc.com/zzz
[abc]abcの文字列のうち1文字[xy]abcxabc
yabc
[0-9]0〜9の数字が含まれた文字列https://abc.com/[0-9]+https://abc.com/12345
https://abc.com/67890など

GA4を使ったCVRに変化が起こった際の要因の確認&分析方法

最後に、CVRに変化が起こった際の要因分析の際に便利な、探索レポートの作成・活用方法を紹介します。

サイト内でのユーザーの行動を確認する

探索レポートの「経路データ探索」を活用すると、サイト内でのユーザーの行動を確認できます。

GA4の画面

変数の項目設定値
セグメント自然検索流入
ディメンション

イベント名
ランディングページ+クエリ文字列
指標イベント数
アクティブユーザー数
総ユーザー数
セッション
設定の項目設定値
手法経路データ探索
セグメント自然検索流入
ノードの種類イベント名
ページタイトルとスクリーン名
ページタイトルとスクリーンクラス
ページパスとスクリーンクラス
特別なノードのみ表示チェックを入れる
イベント数
フィルタイベント名
次と完全一致
page_view

経路データ探索の設定方法
①探索レポートの「手法」の項目を「経路データ探索」に設定
②レポート右上の「最初からやり直す」をクリック
③始点の「ページパスとスクリーンクラス」を選択
④始点として設定したいページを選択

今回の場合は、始点を「/」(トップページ)に設定しています。「/」の次に表示される「/company/」「/column/」などをクリックすると、その先のページの遷移がわかります。

サイトリニューアルの前後や期間での比較で、ユーザーのサイト内の行動がどのように変化したかを確認できます。

また、レポートの「終点」を選択することで、ユーザーが最後に訪れたページまでのサイト内行動を確認できます。例えば、終点を問い合わせ完了ページに設定すると、どのようなページをたどってCVに至ったのかがわかります。

GA4の画面

CVまでの遷移率を確認する

探索レポートの「ファネルデータ探索」を活用すると、CVまでの遷移率を確認できます。

GA4の画面

変数の項目設定値
セグメント自然検索流入
ディメンション

イベント名
ランディングページ+クエリ文字列
指標イベント数
アクティブユーザー数
総ユーザー数
セッション
設定の項目設定値
手法ファネルデータ探索
ビジュアリゼーション標準のファネル
ファネルをオープンにするオフ
セグメントの比較なし
ステップトップページ
サービスページ
CVページなど
内訳なし
ディメンションあたりの行数5
経過時間を表示するなし
次の操作なし
フィルタなし

ファネルデータ探索では、「ステップ」の項目でページを設定し、CVに至る経路のどこでユーザーの歩留まりが起こったのかを確認できます。

例えば、トップページからサービスページを閲覧して、問い合わせフォームに至るユーザーの離脱率などをレポートで可視化できます。

GA4のデータを見る上で必要な観点

GA4のデータを見る上では、以下の観点が必要です。

昨年・先月のデータと比較する

直近の数値を見るだけではなく、昨年の同月や先月のデータと比較することが大切です。昨年の同月よりも伸びているのか、しっかりと積み上げがあるのかをしっかりと比較しながら確認します。

その年・その月のトレンドを踏まえる

比較時には、その年やその月のトレンドを踏まえるようにしましょう。Googleの検索結果やユーザーの行動は、トレンドによって左右されます。

例えば、確定申告関連のコンテンツは、毎年1〜3月に流入が大きく伸びる傾向があります。その時期のニュースやSNSで話題になったことも、SEOや数値に大きく関わってくるため、トレンドを考慮することが重要です。

また、数値が変化した要因を深堀りする際は、Googleサーチコンソールを併用し、必ず流入クエリを見るようにしましょう。

まとめ

今回は、SEOで必要なモニタリング項目と、GA4での確認方法・レポート設定方法を解説しました。

GA4を使用すれば、サイト全体やページ単位での流入数やCV数を細かく把握できます。数値に変化が起こった際の要因の深堀りにも活用できるため、SEOには必要不可欠です。ぜひ今回紹介したレポートの作成方法や分析方法を試してみてください。

ヒトノテでは、さまざまな観点でWebサイトへの流入や問い合わせが増えるようにご支援をさせていただいております。

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ヒトノテ坪昌史

監修者:坪昌史

株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。

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