サイト改善 / 制作 公開日: 2020.01.14 更新日: 2024.08.19

【超実践】CVR改善の進め方と効果的な施策13選!SEOにも役立つ考え方を解説

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CVR改善の進め方と効果的な施策13選

CV(コンバージョン)は、Webサイトにおける最も重要な指標です。CV数やCVR(コンバージョン率)の変化によって、サイトやサービス全体の売上も大きく変わります。

そのため、CV向上を目的とするCVR改善は、全サイトが行うべき施策です。CVR改善は即効性があり、ポイントさえ押さえれば、小さな改修だけで大きな効果が出ます。

この記事では、CVR改善の進め方と効果的な施策を詳しく紹介します。

また、よりCVR改善の理解が深まるように、初級・中級・上級の3つのレベルに整理しました。自社の状況がどのレベルなのかを考え、それぞれのレベルに合った観点や見出しから読み進めてください。

初級レベル
状況・CVR改善の概要を知りたい
・CVR改善の手法を知りたい
観点・CVR改善の意味を理解する
・自社サイトはCVR改善を行うべきなのか
・CVR改善が必要な理由を理解する
読み始める見出しそもそもCVRとは?
中級レベル
状況・CVR改善の概要や重要性は理解している
・売上を伸ばすためにCVR改善を行いたい
・具体的に何をしたらよいかを知りたい
観点・CVR改善のプロセスを知る
・基本的なCVR改善施策を知る
読み始める見出し【CVR改善の進め方】施策の精度が上がる6つのプロセス
上級レベル
状況・さまざまなCVR改善施策を試してきたが、成果にはつながらなかった
・より効果的な方法を模索している
・実施しているCVR改善施策が正しいかどうかを知りたい
観点・ページやCVタイプ別のCVR改善の考え方を理解する
・CVR改善の手順やサイクルが正しいかをチェックする
・自社の状況にマッチしたCVR改善施策を知る
読み始める見出し【基本編】CVR改善施策6選

そもそもCVRとは?

CVR(コンバージョン率)とは、セッション数に対する成果の割合のことです。

Webサイトやページのセッション数に対して、目標としている成果(CV)がどのくらい発生したかを示します。

CVRの計算式
CVR =CV数÷セッション数×100

サイト別のCV例

CV(コンバージョン)の定義は、Webサイトによって異なります。サイト別のCV例は、以下の通りです。

サイトの種類CV例
求人サイト求人への申し込み
不動産サイト物件の問い合わせ内覧の予約
ECサイト商品購入
コーポレートサイト資料請求問い合わせ
予約サイト(ホテル・旅行など)予約

また、サイトの中でもCVポイントが複数ある場合があります。上記で示したCV例は、あくまでも最終的なゴールです。ゴールの前にも、物件を保存する、商品をカートに入れるなどのアクションが発生します。これらもCVポイントとなり得ます。

サイトやサービスの成果につながっているにもかかわらず、見落としているCVポイントがあるかもしれないため、改めて見直してみるのもよいでしょう。

CVR改善はどのようなフェーズのサイトが実施すべき施策なのか?

フローチャート

まず前提として、CVR改善は以下の2点を満たすフェーズのサイトでないと効果は期待できません。

  1. サイト自体にある程度アクセスが集まっている
  2. かつCVが期待できるページにアクセスが集まっている

サイト自体にアクセスが集まっていれば、改善結果の数値はある程度担保することができます。しかし、そもそものアクセス自体が少なければ改善後の数値に大きな変動は見込めません。

実際に、次のような数値の違いをチェックしてみましょう。

CVR改善前CVR改善後CV変化量
アクセス数100のサイトCVR:1%CV数:1CVR:5%CV数:54
アクセス数10,000のサイトCVR:1%CV数:100CVR:5%CV数:500400

上記のように、アクセス数100のサイトとアクセス数10,000のサイトでは、同じCVRでもCV数は大きく異なります。

もし、アクセス数が1万に満たない場合は、CVR改善の前にアクセスの母数を増やすための施策を行いましょう。

また、一覧ページや詳細ページ、サービス紹介ページといったCVが期待できるページへのアクセス数の確認も重要です。

サイト全体のアクセスはあるものの、上記のようなCV期待値の高いページのアクセスが低い場合は、同様にCVR改善よりもアクセスを増やす施策の方が優先度が上がる場合があります。

CVR改善をすべき理由とは?

CVR改善を実施する目的は当然、CV数を上げる点にあります。CV数が上がることによって、事業の売上や顧客満足度の上昇にもつながるでしょう。

ここでは、CVR改善をすべき理由やCVR改善がもたらす効果を解説します。

アクセス数を増やすよりもインパクトが大きいことがある

まず、CVR改善を行うべき理由として挙げられるのが、売上に対するインパクトの大きさです。

Webサイトのひと月のセッション数が3万件、単価1万円の商品を販売しているECサイトを例にして考えてみます。

CVR1%の場合CVR1.3%の場合
セッション数3万件/月3万件/月
CV(購入数)300件/月390件/月
購入単価1万円1万円
売上合計金額300万円390万円

CVR改善を行い、CVRが1%から1.3%になると、月間の売上が90万円も上がることになります。

当然、セッション数を増やしてCV数を上げる方法もあります。しかし、同じ90件(90万円)のCVを生み出すためには、セッション数を3万件から3.9万件にしなければなりません。

月間セッション数が3万件のサイトで、9,000件のセッションを追加で生み出すのは、簡単なことではありません。SEOでセッション数を増やすのであれば時間がかかり、広告で増やすのであれば費用がかかります。

一方で、CVR改善は即効性があり、ポイントさえ押さえれば、小さな改修だけで大きな効果が出ます。

CVR改善のインパクトを算出するために、自社サイトでCVRが+0.3ポイント改善したら、どれくらいの売上が変化するのかを試算してみるとよいでしょう。

ターゲットに刺さる訴求を見極めるテストもできる

CVR改善を行うことによって、ターゲットやユーザーに刺さる訴求を見極めるABテストもできます。ABテストとは、Aの施策とBの施策を同時に試して数値を比較し、どちらの施策が効果的なのかを比較することです。

WebサイトのABテストは手軽に行えるため、反応がよいワードや文章を、手間や時間をかけずにキャッチアップできます。ABテストの結果を踏まえ、反応がよい施策に費用を追加投入したり、他のページにも同じ言い回しを活かしたりすることもできるでしょう。

また、ABテストで蓄積されたデータは商談や接客時にも使用できます。成約率に影響を与え、自社のノウハウとしても効果的なテストとなります。

ちなみに、KGI(最終的な目標数値)を売上に設定するケースが多いですが、細かくKPI(目標)を設定していくこともCVR改善を行う上で重要です。

例えば、資料請求やメルマガ登録、問い合わせなど、直接売上につながらないCVであったとしても、それぞれのCVRを上げることで最終的な売上数値も上がっていきます。

CVRの平均値や基準値

CVR改善を行う上で、CVRの平均値や基準値を把握しておくことが重要です。業界やWebサイトの種類、ページタイプによって平均値や基準値は異なります。

ここでは、業界別のCVR平均値と、ページタイプ×CVタイプ別の基準値を紹介します。自社サイトの数値と比較して、改善点を見つけるための参考にしましょう。

業界別のCVRの平均値

Ruler AnalyticsとWordStreamが調査した業界別のCVRの平均値を紹介します。

業界平均CVR
プロフェッショナルサービス4.6%
旅行4.6%
工業4.0%
自動車3.7%
法律3.4%
デンタルコスメティック3.1%
ファイナンス3.1%
ヘルスケア3.0%
BtoB サービス2.7%
不動産2.4%
代理店2.3%
BtoB テクノロジー2.3%
BtoC2.1%
BtoB EC1.8%

出典:「Updated 2023: Average Conversion Rate by Industry and Marketing Source」Ruler Analytics

業界平均CVR(Google検索)平均CVR(Googleディスプレイ広告)
マッチングサービス9.64%3.34%
法律6.98%1.84%
toCサービス6.64%0.98%
自動車6.03%1.19%
人材サービス5.13%1.57%
金融・保険5.10%1.19%
旅行・ホスピタリティ3.55%0.51%
教育3.39%0.50%
産業サービス3.37%0.94%
健康・医療3.36%0.82%
BtoB3.04%0.80%
テクノロジー2.92%0.86%
EC2.81%0.59%
家庭用品2.70%0.43%
不動産2.47%0.80%

出典:「Google Ads Benchmarks for YOUR Industry」WordStream

サービスや旅行などの分野で、CVRが高い傾向にあります。あくまでも一例ではありますが、自社の業界やサービスのCVRの基準値として参考にするとよいでしょう。

ページタイプ×CVタイプ別のCVRの基準値

ページやCVの種類によっても基準値は異なります。

ECサイトやポータルサイトの購入・予約など
・トップページ:2〜3%
・一覧ページ:0.5〜2%
・詳細ページ:0.5〜2%

記事ページのメルマガ登録・資料請求など
0.05〜0.1%

ECサイトやポータルサイトの購入や予約などのCVRは、トップページからは2〜3%、一覧・詳細ページからは0.5〜2%が基準値といえます。

記事ページのメルマガ登録や資料請求といったCVRは、0.05〜0.1%を基準値として見ておきましょう。

【CVR改善の進め方】施策の精度が上がる6つのプロセス

続いては、具体的なCVR改善の進め方やプロセスを紹介します。CVR改善は、1回で終わらせるのではなく、繰り返し行うことが大切です。繰り返すことによって、知見が蓄積され、精度が上がっていきます。

Webサイトや管理体制によっても変わってくる可能性もあるため、CVR改善のプロセスを適宜アレンジしながら実践してみましょう。

①GA4の計測環境を整える

前提として、CVR改善を行うためには、数値を正確に把握できるように準備しなければいけません。そのため、まずはGA4でCVを計測できるように、イベント作成を行いましょう。

GA4でのイベント作成方法

GA4の設定画面

  1. 左下の「管理アイコン」をクリック
  2. データの表示の中の「イベント」をクリック
  3. 「イベントを作成」をクリック
GA4の設定画面

  1. 右上の「作成」をクリック
GA4の設定画面

  1. カスタムイベント名を記入
  2. 一致する条件の「パラメータ」「演算子」「値」を記入
  3. 右上の「作成」をクリック

カスタムイベント名
CVの名前を指定する
例)購入完了、問い合わせ完了など

一致する条件
イベントが発動する条件を設定する

例)

パラメータ演算子
event_name次と等しいpage_view
page_path次で始まる/contact/thanks/

②自社サイトのCVRをチェックする

GA4の計測環境が整ったら実際にサイト全体のCVRがどれくらいなのかを確認します。GA4の探索レポートを活用することで、CV数やCVRを把握できます。

CVRは日々変化するため、平均値をとるために対象期間を月ごとや1カ月以上で設定して確認してみましょう。

GA4の探索レポートを活用したCVRの確認方法

GA4の設定画面

  1. 左に表示されるメニューから「探索」を選択
  2. 「+」をクリック
GA4の設定画面

  1. 各項目を以下のように設定する

※上記では、セグメントを「自然検索流入」に絞ってデータを取得しています。特に指定がない場合は、空欄でも問題ありません。

▼変数の設定項目

変数の項目設定値
セグメント自然検索流入
ディメンション

イベント名
ランディングページ+クエリ文字列
指標イベント数
アクティブユーザー数
総ユーザー数
セッション

▼設定の設定項目

設定の項目設定値
手法自由形式
ビジュアリゼーションテーブル
セグメントの比較自然検索流入
ピボット最初の列
ランディングページ+クエリ文字列
最初の行1
表示する行数10
ネストされた行No
イベント名
最初の列グループ1
表示する列グループ数5
イベント数
セルタイプ棒グラフ
フィルタイベント名
次の正規表現に一致
(session_start|イベント①|イベント②)
※GA4に設定してあるイベント名を入れる

セグメントの自然検索流入の設定方法
①セグメントの項目の「+」をクリック
②「ユーザーセグメント」を選択
③新しい条件を追加で「セッションのデフォルトチャネルグループ」を選択
※検索窓に「セッションのデフォルト」と記入すると出てくる
④フィルタを追加で「含む」「Organic Search」を記入し、「いずれかの時点で」にチェックを入れて適用をクリック
⑤右上の「保存して適用」をクリック

GA4の設定画面

  1. 画面右側に表示されるレポートから、CVRを算出する

レポートのデータは、Excelやスプレッドシートに書き出して確認するとよいでしょう。関数を設定すれば、CVRも自動ではきだせます。

詳しいGA4の設定手順や確認方法は、以下の記事をご覧ください。

③CVR改善をするポイントを絞る

次に、CVR改善をした際に成果(CV数)が大きくなるであろうページの絞り込みをしていきます。

CVR改善でよくやりがちな間違いは、担当者の主観で重要だと思うページばかり改善をしてしまうというパターンです。GA4で数値を見ながら、改善ポイントやページを絞り込んでいきましょう。

改善するとCV数増加につながりやすいページ
・PV数が多いページ
・ランディングページで流入しているセッションが多いページ
・上記のページの中で、他の同様ページと比較してCVRが低いページ
・CVに近いページ(カートやお問い合わせフォームなど)

また、ページタイプとCVタイプも合わせてチェックしていく必要があります。先述したページやCVの種類ごとの平均値や基準値と比較して低いページを発見したら改善ページとして候補に入れていきます。

さらに、サービスサイトとメディアサイトで考え方が異なるため、それぞれ解説していきます。

サービスサイトの場合(TOP・一覧・詳細ページなど)

サービスサイトの場合は、「大カテゴリ」「小カテゴリ」「ブランド」「フリーワード」など、いくつかのパターン別にチェックしていきます。

パターンごとに整理できたら、それぞれのパターンのCVRを確認します。比較すると傾向を把握しやすくなります。

また、サービスサイトは、サイト内を回遊するユーザーが多くなります。サイト全体のUI/UXが重要なポイントとなるため、UI/UX観点でも改善ポイントを探っていきましょう。

メディアサイトの場合(〜とは・ハウツー・〇選記事など)

メディアサイトの場合は、記事のタイプ別に分けてチェックしていきます。

例えば、「記事カテゴリ」「記事ジャンル」「記事テーマ」ごとにCVRを整理します。それぞれの数値を比較すると、カテゴリやジャンルによってCVRの違いが見えてきます。「どのようなカテゴリやジャンルだとCVRが高くなるのか?」といった傾向を掴みましょう。

メディアサイトは、サービスサイトに比べてサイト内回遊が少ないため、そのページ内でスムーズにCVに誘導させられるように、ポイントを絞って考えることが重要です。

④CVRが低い要因を仮説立てる

改善するページが絞れたら、なぜそのページのCVRが低いのかを、仮説を立てて考えていきます。最終的に検証する仮説を絞るとしても、まずは広くリストアップしていきましょう。

仮説の例
・ページの中のコンテンツが少ない
・CVボタンに気づかない
・カートの入力エラー表示がわかりづらい
・タイトルとページの中身にギャップがある

仮説を立てる際のポイントは、とことん「ユーザー目線」に立って考え抜くことです。そのページを初めて見たユーザーの気持ちになり、読みやすさやCVボタンの押しやすさなどを考えていきます。

制作者や管理者としての意識を捨てきれない場合は、ユーザーテストを行いましょう。

⑤仮説に沿った施策をサイトで実装する

CVRが低い仮説を考えたら、それを改善するためにどのような施策を打てばいいのかを考え、実装します。

あくまでも「仮説検証」なので、その仮説や施策が正しいかどうかよりも、スピード感を持って実装を進めていくことが重要です。

社内でさまざまな意見が出ることもありますが、あまり重く考えずに施策をどんどん打って効果検証をしていきましょう。

具体的な施策は次の章で詳しく紹介していきます。

⑥効果検証を行う

施策の実装環境が整ったら、効果検証を行います。仮説検証を行うことによって、次のアクションが明確になります。

▼仮説検証の結果と次のアクション

仮説の検証結果次のアクション
CVRが上がっていた他の類似ページにも同様の施策を展開
CVRが下がっていた別の仮説や施策を実施
CVRが変わらなかった他の施策を同じページで実施

CVR改善の施策を行ってから2週間〜1カ月のタイミングで、実装前後のCVR変化を確認し、その仮説が正しかったかどうかを振り返ってみましょう。

【補足】マイクロCVの設定による効果検証

補足として、マイクロCVの効果検証を解説します。マイクロCVとは、別名「中間CV」と呼ばれており、CVの1歩手前の行動を指します。

▼マイクロCV例

サイトの種類CVマイクロCV
ECサイト商品購入商品ページや一覧ページの閲覧
求人サイト求人応募求人ページや一覧ページの閲覧

マイクロCVを設定することによって、流入からCVまでの間に中継指標が1つできます。それにより、CVRを下げている原因を特定しやすくなります。

また、CVよりもマイクロCVのほうが母数が大きくなるため、分析がしやすくなるのも1つのメリットです。CVの数が少ない中で、CVR改善施策が効果的なのかどうかを確認したい場合にもおすすめです。

【基本編】CVR改善施策6選

CVR改善施策には、初級レベルの方でも手っ取り早く実施できるものと、本質的な課題を特定してじっくり行っていくものがあります。

まずはすぐに実施できる基本的なCVR改善施策を5つ紹介します。

CVボタンが出現する場所を変える

CVボタンをページ下部だけに設置している場合は、最上部や中段にも設置するだけで、CVRが大幅に改善することがあります。

例えば、マイナビ転職の求人詳細ページでは、「応募する」や「気になる」のボタンが上部に設置されています。

マイナビ転職の求人詳細ページ

ページを最後まで読み進めるユーザーばかりではなく、「概要だけ見て、条件に合っている求人を保存しておきたい」「以前このページを見たからすぐに応募したい」というユーザーもいます。

ユーザビリティも考え、CVボタンの場所をページ上部などに移動してみましょう。

CVボタンが出現する回数を増やす

CVボタンの出現回数を増やすのも1つの施策です。CVボタンは、ユーザーから見るとあまり目に入っていない可能性もあります。

人間の記憶は曖昧なので、サイト運営側から見ると「少ししつこいかな」と思うくらいCVボタンを設置してもよいでしょう。

CVボタンを追従させる

CVボタンの出現回数を増やすのと同様に、CVボタンを追従させる施策も効果があります。常にCVボタンをユーザーの目に触れさせ、いつでもCVできる状態を作れます。

マイナビ転職の求人詳細ページでは、画面をスクロールすると、2つのCVボタンが画面下部に常に表示されます。

マイナビ転職の求人詳細ページ

CVボタンのデザインを変更する

CVボタンを目につきやすいデザインにするのも効果が出やすい施策です。CVボタンのデザイン改善の一例として、以下のようなものがあります。

CVボタンのデザイン改善例
・CVボタンの色を寒色から暖色に変更する
・CVボタンのサイズを大きくする
・CVボタンにカーソルをあてた時に色が変わるようにする
・CVボタンの中に「無料」「30秒で完了」などの文言を入れる

例えば、スーモの物件詳細ページでは、CVボタンの中の文言を「空室状況を問い合わせる(無料)」にしています。

スーモの物件詳細ページ

「無料」というワードを入れることで、問い合わせへの心理的ハードルを低くしていることがわかります。

CVボタン直前の誘導方法を見直す

CVボタンの直前の誘導メッセージも見直すポイントです。

ユーザーの気持ちをイメージし、「簡単そう」「やってみたい」と思わせる誘導が重要です。CVボタンの文言と同様に、ユーザーの心理的ハードルを下げてあげるだけでCVRが改善されることもあります。

スーモの物件詳細ページをスクロールすると、物件の問い合わせのCVボタンが出現します。

スーモの物件詳細ページ

  • 最新の空室状況を知りたい
  • 実際に見学したい
  • その他の問い合わせ

ユーザーに3つの選択肢の中から問い合わせの内容を選ばせる形にしています。こちらも問い合わせまでの心理的ハードルが下がり、CVR増加が期待できます。

CVボタン付近を見直して、誘導メッセージなどがない場合は付け加えてみましょう。

コンテンツの表示順を改善する

コンテンツの表示順を改善するのも効果があるCVR改善施策です。特に、求人サイトや不動産サイトなどデータベース系サイトで有効です。

サイトの種類一覧ページの最上部のコンテンツ
求人サイト給与の高い求人にする
不動産サイト新築の広々とした物件にする

ユーザー心理を考えると、給与の高い求人や新築の物件に注目が集まることが予想されます。ページ上部にユーザーが求める情報やコンテンツが揃っていると、そのページやサイト全体の印象もよくなるでしょう。

それによって、CVが増加することも大いに考えられます。コンテンツの並び順は「ユーザーが第一印象で魅力的に感じそうなコンテンツを上部に設置する」を意識しましょう。

【応用編】CVR改善施策7選

ここまで紹介した施策を実施した上で、さらに追加の施策を行っていきたい場合や、中級〜上級レベルの人は、これから紹介する7つの改善施策も同時に進めていきましょう。

CV種別を増やす

従来は、問い合わせや予約、電話、カートといったCV種別が多い印象でした。しかし、近年では、チャットやSNSからのメッセージ送信などをCVポイントとして設定するサイトも増えています。

また、ホワイトペーパーのダウンロードも、問い合わせよりもライトで、効果の高いCV種別です。

例えば、Chatworkの料金プランページには、「資料ダウンロード」「話を聞いてみる」「デモを見る」の3つのCVボタンがあります。

Chatworkの料金プランページ

選択肢が豊富になり、まずは資料ダウンロードを行うユーザーも増えるでしょう。「資料を読んで、詳しく機能や活用方法を理解してから問い合わせをしたい」というユーザーのニーズにも対応しています。

資料ダウンロードの際には、メールアドレスや電話番号を取得できるため、メールや電話で後日アプローチすることも可能です。

自社サイトのユーザーやターゲットを分析して、サイト経由でどのようなコミュニケーションを取るのが最適なのかを考えながら、新しいCV種別の検討をしてみてもよいでしょう。

ファーストビューを改善する

ファーストビューは、ユーザーが最初に目にする画面です。興味を持ってスクロールしてもらうためには、ファーストビューのインパクトやわかりやすさが重要です。

サイトやページ内で伝えたいメッセージを簡潔に記したり、「続きが気になる」と思ってもらうために魅力的な内容にしたりする必要があります。

例えば、スーモとアットホームは、同じ物件詳細ページでもファーストビューの構図が異なります。

スーモの物件詳細ページ

アットホームの物件詳細ページ

スーモアットホーム
1枚目の画像物件の外観の写真間取りのイラスト
物件タイトル物件名物件名+間取り
敷金・礼金具体的な価格で明記〇ヶ月で明記

スーモの物件詳細ページでは、一番目立つファーストビューの画像を物件の外観の写真にしています。一方で、アットホームの物件詳細ページでは、間取り図を1枚目の画像に設置しています。

敷金・礼金の表記方法も異なり、スーモは具体的な価格で明記しているのに対し、アットホームは〇ヶ月で明記しています。

アットホームは、物件のタイトルに「2LDK」という間取りを入れているのが特徴でしょう。ひと目でこの物件の間取りがわかります。

また、CVボタンの文言や配置も異なります。

このような観点で、ファーストビューのコンテンツや配置をテストしてみるとよいでしょう。ユーザーがより使いやすいようなデザインと文章の改善を図ってみてください。

CVまでの導線設計を見直す

ユーザーをCVに導くためには、サービスや商品、会社に対して興味を持ってもらう必要があります。そのために必要なのは、サイト回遊のストーリーとそれに応じた導線設計です。

例えば、転職サイトを訪れたエンジニアのサイト回遊ストーリーをイメージしてみましょう。

  1. 「東京 エンジニア 求人」でGoogleで検索を行う
  2. 検索結果に出てきた東京×エンジニアの求人一覧ページに流入する
  3. 求人の中から希望年収で絞り込みを行う
  4. 3件ほど気になった求人詳細を何度か見て、一覧画面より応募申し込みを行う

上記のストーリーから、以下のことが考えられます。

  • 希望年収で絞り込みを行うタイミングで、年収などの重要な条件を絞り込めるボタンを表示する
  • 求人に申し込む際に、目立つ位置に申し込みボタンを設置する

このようなボタンを表示・設置すると、CVにつながりやすいかもしれません。リアルなサイト回遊ストーリーをイメージして導線設計をしてみましょう。

掲載終了ページを改善する

求人サイトや不動産サイト、ECサイトなど、情報の入れ替わりが発生するサイトでは、掲載終了になった場合に、どのような画面になるかを確認してみてください。

検索エンジンや、ユーザーのブックマークに対象のURLが残っている可能性があるため、掲載終了後もアクセスが発生する可能性があります。

例えば、dodaの終了したイベントページでは、イベントが終了した旨を記載し、最新のイベント情報へのリンクを設置しています。

dodaの終了したイベントページ

最新のイベントへの導線を確保することで、このページに訪れたユーザーを取り逃さないようにしています。

掲載終了画面で「掲載終了しました」だけ表示されている場合は、類似ページや関連情報などをページ内に設置してみましょう。

システムエラーをなくす

システムエラー画面が表示されると、多くのユーザーは離脱してしまいます。そのため、リンク切れや古いページへのリンクをそのままにしていると、離脱率が増加する原因になります。

また、サイトの中に検索システムや、データベースから情報を呼び出すシステムを実装している場合は、ユーザーの操作によって、エラーが発生してしまう場合があります。

やけに離脱が多いと思うページを見つけたら、徹底的に操作テストを行い、エラーがあれば潰しておきましょう。

モバイルデバイス対応をさせる

toC向けだけでなく、toB向けのサイトも、モバイルデバイス対応にしましょう。

スマホ用の画面は用意されているものの、表示崩れや挙動によってエラーが発生している場合もあります。

今一度ユーザーになった気持ちで確認し、使いやすいデザインに仕上げましょう。

フォームの改善をする(EFO)

一般的に、CVに近いページや画面ほど、CVR改善の効果が出やすいといわれています。その1つがフォームです。

フォームの改善例
・フォームの項目数を減らす(不要な項目を削除する)
・初期表示で任意項目を非表示にする
・郵便番号は1つの枠の中で、ハイフンなしで入力する仕様にする
・スマホ画面では、入力パッドが自動切り替えされるようにする
・未入力があればエラー表示されるようにする

ツールを使用しなくてもできるフォーム改善施策は多くあるため、いかにユーザーが使いやすいかを考えながら実施していきましょう。

Web接客ツールを使う

Web接客ツールを導入すれば、ユーザーの行動(滞在時間・閲覧ページなど)に応じて、表示させるコンテンツを出し分けられます。

ECサイトの場合は、購買意欲が高いユーザーを判別して時間限定の割引クーポンを表示したり、その瞬間に購入することによるメリットを訴求したりすることもできます。

Web接客ツールの活用によってCVRを伸ばせるサイトは多いでしょう。

まとめ

CVR改善は、サイト運営によって非常に重要です。まずは自社サイトのCVRを把握し、課題を見つけてみてください。

今回紹介したCVR改善施策はあくまで一例であり、それ以外にもさまざまあります。また、効果が出やすい施策はサイトによって異なるため、しっかりとサイトを分析して最善策を見極める必要があります。

ヒトノテでは、さまざまな観点でWebサイトへの流入や問い合わせが増えるようにご支援をさせていただいております。その中で、サイトに合った多種多様なCVR改善施策をご提案できます。

もしCVR改善がうまくいかない、もっと成果を伸ばしていきたいと考えている場合は、ぜひお気軽にご相談ください。不明点や疑問点に対して、1つ1つ丁寧にご説明いたします。

ご提案にあたって、サイトの簡易分析を行わせていただくことも可能です。

SEO・CVR改善のお問い合わせ

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ヒトノテ坪昌史

監修者:坪昌史

株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。

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