コンテンツマーケティング戦略とは?戦略の必要性と立て方を解説!
近年、広告や営業活動だけではなく、価値ある情報提供を通じてユーザーとの信頼関係を築き、成果を得るコンテンツマーケティングが注目されています。
しかし、コンテンツマーケティングの効果を最大化させるためには適切な戦略の立案が必要です。戦略なしにはじめると費用と時間を無駄にしてしまったという結果になりかねません。
本記事では、その戦略の立て方や必要性について具体的に掘り下げ、成功への道筋を示します。コンテンツマーケティングをはじめる方や戦略の立て方を知りたい方はぜひ参考にしてください。
この記事の目次
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとはユーザーに対し、価値のある情報を提供することで信頼を獲得し、コンバージョンにつなげるインバウンドマーケティング手法の一つです。
従来は企業が広告やイベント、電話勧誘などで情報をユーザーに届けるプッシュ型のアウトバウンドマーケティングが主流でしたが、情報化社会の現代はユーザー自身が情報を選ぶプル型のインバウンドマーケティングが主流となっています。
コンテンツマーケティングもプル型に分類され、マーケティングの主流はプッシュ型からプル型へ変わりつつあります。コンテンツマーケティングについて詳しく知りたい方はこの記事をご覧ください。
コンテンツマーケティングで戦略設計が必要な理由
コンテンツマーケティングを実施する前に、成果を出すためにもきちんと戦略を考えることが重要です。ただ闇雲に始めてもうまくいきません。
ここでは、コンテンツマーケティングで戦略設計が必要な理由について解説します。
長期施策になるため
1つ目の理由は、コンテンツマーケティングは長期施策になるためです。
コンテンツマーケティングは短期的に成果を得られるものではなく、効果が出始めるまでに最低でも約6〜12カ月かかる施策で、中長期で見て取り組む必要があります。
まず、コンテンツマーケティングの実施にあたり、予算計画や成果創出のシミュレーションは余裕を持って設計しましょう。事前に計画やシュミレーションを立てることで、やることに迷いがなくなります。
また、コンテンツマーケティング単体で事業計画を立てるのではなく、広告など短期で収益化に結び付けられる施策と平行で実施することも大切です。コンテンツマーケティングに投資している間の収益を他の施策で補い、中長期的にROIを最大化していくことで、より成果を上げやすくなるでしょう。
やり方を間違えると時間を無駄にしてしまうため
コンテンツマーケティングで戦略が必要な理由に、やり方を間違えると時間が無駄になることが挙げられます。
戦略がないコンテンツマーケティングではやり方が間違った内容になり、成果に結びつきません。コンテンツの数と質を追求し、成果がしっかり出ているかどうかの分析・検証も必要です。
コンテンツマーケティングを運用する際は複数人が関わりますが、戦略がないとそれぞれの認識がズレてしまい、誰に何を発信するのか曖昧になってしまいます。
先述のとおり、成果は中長期的に見る必要があるため、コンテンツマーケティングの取り組み方を間違えると約半年〜1年分の時間を無駄にする恐れがあります。
費用対効果を最大化するため
コンテンツマーケティングの費用対効果を最大化させるためにも、戦略が必要です。
人材や予算などの経営資源をどう分配するのか、事前に運用計画を考えることが大切です。
コンテンツマーケティングではやることが多いため、特に中小企業や人的リソースが限られている場合は、いきなりさまざまな手法を試すと従業員の負担が増えてしまいます。
コンテンツマーケティングにはさまざまな施策があるので、つい多くの施策に手を出したくなるかもしれません。しかし、限られた資源を有効活用し費用対効果を最大化するためには、いろいろな施策に手を出さずに自社に本当に必要な施策に集中的に取り組みましょう。
コンテンツマーケティング戦略の立て方
コンテンツマーケティングは、コンテンツを量産するよりも、ユーザーにとって価値のある質の高いコンテンツを戦略的に作成することが重要です。
「質の高いコンテンツ」とは、ターゲットユーザーに響く内容というだけではなく、具体的に次の行動に移すことができたり、ファンになってもらえたりするようなコンテンツです。
そして、上記のようなコンテンツを作るためには、コンテンツマーケティング戦略を立てる必要があります。コンテンツマーケティング戦略では目的設定、ペルソナ設定、コンテンツの種類(オウンドメディア、動画、ブログ、SNSなど)の設定のように順を追って戦略を立てていきます。
現状の課題を分析・把握
コンテンツマーケティングの戦略を立てるには、自社の現状を分析し、的確に把握することが必要です。
きちんと現状の把握をすることで、自社や競合他社の強みや弱みを分析し、戦略的なコンテンツ制作につなげることができます。また、ターゲット層のニーズや課題に合ったコンテンツの企画も可能です。
現状分析を行う際には、自社のWebサイトやSNSのデータ分析だけでなく、競合他社のWebサイトやSNSの分析を行うのが有効です。
具体的に分析する内容は、以下のものが挙げられます。
- 自社や競合他社のWebサイトの閲覧数
- アクセス履歴
- ターゲット層の属性
- ライバル企業のマーケティング戦略
分析結果を元に、今後のコンテンツ戦略を考える必要があります。
仮説を立ててから目的を設定することで、コンテンツマーケティングの成果を最大化することが可能です。
目的設定
目的設定をしてコンテンツマーケティングを通して実現したいことを明確にします。
できるだけ、具体的な目標設定を行うことがポイントです。
- ユーザーの新規訪問数を1.5倍にする
- コンテンツ経由の売り上げを20%増やす
ペルソナの設定
ペルソナ設定をして誰にコンテンツを届けたいのかを決めましょう。
「ペルソナ」とは、企業や商品のターゲットとなる架空のユーザーモデルのことを言います。同じ商品であっても男性に紹介する場合と女性に紹介する場合はアプローチ方法が全然違うはずです。
また、コンテンツ製作のチーム全員でペルソナを共有すれば、メンバー間でターゲットユーザーが統一化されます。このことで、各コンテンツでのターゲットのズレをおさえることができ、メディア全体に統一感が生まれます。
コンテンツも作りやすくするためにも、ペルソナはできるだけ細かく設定することがポイントです。
例えば、自動車コンテンツを作成するときのペルソナを設定するとします。
- 「東京都在住の40~60歳男性」
- 「東京都港区住まいで大手電機メーカー勤務。妻と娘2人の4人家族で年収1,500万円の60歳男性」
このとき、①よりも②まで設定したほうが顧客をイメージしやすくありませんか?
前者だと高い商品をすすめるべきか、安い商品をすすめるべきか迷ってしまいますが、後者は比較的リッチな生活をしているので、リーズナブルさよりも高付加価値の方が響きそうです。
明確なペルソナは質の良いコンテンツ作りの助けになりますので、できるだけ具体的に設定しましょう。
また、ペルソナを「潜在顧客」とするか、「顕在顧客」とするかも考えておきましょう。
潜在顧客の場合は時間をかけてゆっくり価値を提供するコンテンツや言い回しが大事ですが、顕在顧客の場合は直接的なメッセージ、例えばセールス情報の提供や購買を促すコンテンツもちりばめた方が成果に結びやすいかもしれません。
コンテンツの種類を決定する
ペルソナに適したコンテンツを選択しましょう。
- オウンドメディア
- 動画
- ブログ
- SNS
など様々な選択肢があります。ペルソナをしっかりと絞り込めていれば候補となるコンテンツも絞り込めるはずです。
例えば、ペルソナの特徴が20歳代女性だとしたら利用率の高い「Instagram」は見逃せないでしょうし、文字よりも画像や動画に慣れ親しんだ世代なので、画像や動画のコンテンツがメインになるのではないでしょうか。
もし、コンテンツの決定に迷う場合はペルソナと目的がまだ明確ではない可能性があります。一度ステップを戻して、ペルソナについて考え直した方が良いかもしれません。
目標設定
目標を設定することで「コンテンツマーケティングの検証」ができるようになります。
- 売上
- アクセス数
- ページ滞在時間
などで定期的に数値の推移を見れば、コンテンツマーケティングが順調か否か判断できます。
もし、数値が悪ければ方向性を修正するなど対策が打てますが、数値化していないとただコンテンツを作成するだけになってしまいます。定期的に検証をしましょう。
目標設定をする上で重要となる指標として「KGI」と「KPI」があります。この2項目は設定しておくようにしましょう。
KGIとは
KGIとはKey Goal Indicatorの略称で、日本語では重要目標達成指標と言います。
例えば「売り上げを20%増やす」などがKGIに当てはまり、コンテンツマーケティングのゴールとも言えます。
KPIとは
KPIはKey Performance Indicatorsの略称で、日本語では重要業績評価指標と言います。KPIは、KGIを達成するための中間目標のようなイメージです。
自動車の販売会社を例にすると、
- 月単位の販売者数を増やす
- 新規訪問者を80%増やす
- 購入するユーザーにオプションでカーナビを購入してもらう
などがKPIに該当し、KPI達成を日々クリアすることで自ずとKGI達成に近づくように設定します。
市場分析
市場分析を行い、「他社とコンテンツの差別化」を行うことも大事です。
ありふれたコンテンツだとユーザーは興味を持ってくれません。また、既存コンテンツの後追いになってしまうのもなかなかアクセスは伸びないでしょう。ユーザーを惹きつけるためには差別化されたコンテンツを作成することが重要です。
とはいえ、独自性のあるコンテンツの作成は容易ではありません。そのため、切り口を少し変えてコンテンツを作成してみることがポイントになります。
コンテンツをより上質なものにするための戦略
コンテンツの付加価値をワンランクアップするためにはさらに戦略を練る必要があります。その中で「コンテンツマップ」と「カスタマージャーニー」はコンテンツの価値を高めてくれるため、押さえておきましょう。
コンテンツマップの作成
コンテンツマップとは、コンテンツの全体図です。コンテンツの内容を落とし込んでいるので、コンテンツマップを見ればコンテンツの構成が一目瞭然で、導線設計がやりやすくなります。
コンテンツマップは導線作りのほかにコンテンツの重複防止、ペルソナに無関係なコンテンツを作成してしまうリスクヘッジに役立ちます。
カスタマージャーニーの作成
カスタマージャーニーとは、ユーザーがサービスを知ってからのサービスとのかかわりに関する一連の体験を旅になぞらえて表現するものです。
各時点でのユーザーの心理や行動の変化を図に落とし込み、ユーザーの行動と心の動き全体を「見える化」することで、各プロセスにおける課題を浮き彫りにすることを目指します。
まとめ
コンテンツマーケティングは戦略が重要です。
量だけ追い求めたコンテンツはユーザーに届きづらく、購買行動を起こすほどの強いコンテンツにはなりづらいでしょう。そのため、コンテンツを作り始める前にターゲットユーザーに届く綿密な戦略作りが欠かせません。ペルソナを設定し、KPIやKGIを決めましょう。
また、他社のコンテンツと差別化するために市場分析もおろそかにできません。事前に戦略を練らずに始めてしまうと誰に向けて発信しているのかが分からないコンテンツになってしまいます。
弊社では、コンテンツの戦略設計から分析までPDCAを回しながらご支援することができますので、コンテンツ戦略にお困りの方は是非一度ご相談ください。
監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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