コンテンツディレクションとは?業務内容と必要なスキルを解説!
コンテンツマーケティングを成功させるためには、「コンテンツディレクション」が重要となります。
そして、コンテンツディレクション業務を行う「コンテンツディレクター」は、WEBコンテンツ制作におけるリーダー的存在です。コンテンツを考えるところから成果へ繋げるところまでの重要な役割を担うので、コンテンツディレクターの手腕いかんでコンテンツの質が決まると言っても過言ではないでしょう。
この記事では、コンテンツディレクターが行うコンテンツディレクションの業務内容を解説します。「これから取り組もうと考えている方」や「業務がうまく回らないという方」は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
コンテンツディレクションとは
コンテンツディレクションの業務内容には、以下のようなものがあります。
- コンテンツの方向性を決める
- コンテンツの構成を作る
- 形作られたコンテンツの編集や修正を行う
一般的な上記の業務内容に加えて、下記もコンテンツディレクションに含まれることがありますので見ていきましょう。
- 課題解決のための企画立案
- プロジェクトの進行管理
- コンテンツ制作者(ライターなど)とのコミュニケーション など
英語である「direction」は「方向」という意味を持っており、転じて日本では「(何らかの)方向性を決める・監督する」といった意味で使われるようになりました。
コンテンツにおいて覚えておくべき大切なこと
今や当たり前となったコンテンツマーケティングですが、現代においてコンテンツの発信が求められるようになった背景にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、コンテンツの重要性と発信・制作のポイントを抑えましょう。
コンテンツの受け手が変化した
第一に、コンテンツの受け手が変化したということが挙げられます。
技術の発展、情報のデジタル化・進展とともに、コンテンツ(≒情報)が供給過多と言って良いほどに溢れ返っています。それによって情報の受け手は「検索」という行動によって欲しい情報を簡単に手に入れることができるようになりました。受け手の検索レベルは日々上昇し、自身の欲しい情報をより的確に探すことができるようになっています。コンテンツの発信者は受け手の変化を見越して、より高品質かつニーズを満たすコンテンツを発信する必要があるのです。
コンテンツによる特性・性質の違いを理解する
現代社会において急速に増加するメディアやコンテンツですが、求められる情報やニーズは1つひとつ異なります。そのため、コンテンツごとに効果の差があるということを事前に理解しておくことが重要です。
その「差」とは、主にユーザー層の違いが当てはまります。例えば、SNSコンテンツを例に挙げていうと、以下のような特徴を把握した上で対策していかなければなりません。
フェイスブック(Facebook) |
世界で最もユーザー数の多いツールだが、日本における利用率は年々減少している。 ユーザー層は10代が極端に低く、30〜40代の割合が最も高い傾向にある。 |
ツイッター(Twitter) |
・10〜20代の利用率が圧倒的に高く、男女ともに幅広く使用されている ・SNSのなかでは最も気軽に投稿できるツールとされ、リツイートにより爆発的な拡散力(バズ)を持つ ・若者ほどアクティブに利用する傾向がある |
インスタグラム(Instagram) |
・10〜30代の若者を中心にユーザー数が伸びている勢いのあるツール ・特に女性層の間で人気を誇っており、近年では日常発信からビジネスに至るまで需要が高まっている |
ライン(LINE) |
・国内において最もユーザー数の多いツール ・連絡ツールとして必須になりつつあり、老若男女を問わず多くの人が活用している ・1つツールのなかに多彩なコンテンツが存在し、参入する企業が増加している |
SNSコンテンツは数あるなかの1例に過ぎませんが、これだけでも年齢層や利用率に違いがあるということが分かります。メディアごとに特性やユーザー層が異なるのであれば、相応しいコンテンツ(情報の中身)や発信方法などを効果的に変えていく必要がありますよね。成果に結びつけるコンテンツ発信を行うためには、機能や雰囲気をつかんでメディアごとの色を理解していくことが重要です。
コンテンツ発信のポイント
では、実際にコンテンツ発信を行う上でどのようなことを考えていかなければならないのでしょうか? 3つのポイントを抑えて発信の工夫をしていきましょう。
発信方法
まず、あなたのコンテンツがどのようなものであるべきかを理解することが大切になってきます。「どのような目的で、誰に向けたコンテンツなのか」という幅を設定しなければ発信内容が曖昧になってしまうため、ターゲットだけでなくペルソナまで明確に定めることが効果的です。受け手のニーズや求められている形を熟考して、効果的な発信方法を選択しましょう。
発信頻度
例えば、SNS上では認知度や好感度を上げるために「毎日投稿」と呼ばれるものが存在します。これは発信の頻度が少なすぎても、逆に多すぎてもダメだということを示しており、媒体ごとに適した頻度というものが異なってくるのです。
使用する媒体の特性をしっかり理解し、さらには、日常で使い慣れておくと有効な発進頻度が感覚で分かるようになるので効果的な活用が可能になるでしょう。
情報量
これも、「どのような目的で、誰に向けたコンテンツなのか」や「使用する媒体」によって異なります。
例えば、拡散と認知度向上を目的としてツイッターを活用するならば、140字以内、写真4枚までのコンテンツ(情報の中身)でユーザーに求める行動を誘導しなくてはなりません。拡散を行う大半はアクティブユーザーである10〜20代の若者であるため、企業の専門的な情報ばかりを盛り込んで発信しても響かず不適切な発信手段となる可能性もあります。
加えて、ツイッターには独特の「ウケる“ノリ”」というものが存在し、堅苦しくない自由さがある一方で、インスタグラムでは写真や動画をメインとして「おしゃれ」「見映え」が追求されており、ツイッターのような軽いノリはあまり見かけられません。このような色の違いを理解し、適切な情報量を適切な伝え方で発信していきましょう。
以上から、コンテンツ発信をコンバージョンに結びつけるためには、コンテンツや媒体の種類に応じてどれほどの情報を・どのように盛り込み・どうやって伝えるかを考え抜かなくてはならないのです。
コンテンツ制作のポイント
前述したようにインターネットが発達し、企業から顧客へアプローチするための広告やコンテンツが溢れる時代となりました。そのなかで、自社のリードに対して的確にアプローチすることの難易度は上がっており、さらに商品やサービスを売り込むようなあからさまな広告内容では目を止めてもらえなくなっています。
だからこそ、「企業が伝えたい情報」ではなく「ユーザーが求めている情報」を提供することが必要になってきています。コンテンツを制作する側は“とことんユーザー目線”でターゲットのニーズに的を射た情報を「ユーザーにとって価値のある情報」として発信することが求められています。
コンテンツをユーザーとって価値あるものにする
情報の中身(コンテンツ)をユーザーとって価値あるものにするためには、
- 正確な情報を用いて信憑性の高いものに仕上げる
- 見やすさ、読みやすさ、分かりやすさといった「情報の受け取りやすさ」を工夫する
などを重視することが大前提です。また、ユーザーが調べた検索結果に同じような情報ばかりがあっても便利とは言えず、面白くもないのですよね。だからこそ、コンテンツごと、あるいは制作者ごとにオリジナリティを追求することがとても大切です。
特にWEBコンテンツ制作を行う場合、Googleは上記にあげた「ユーザビリティの追求」と「オリジナリティ」を評価しているため非常に重要な要素となります。
- ペルソナのニーズを満たす情報
- あなたの会社が伝えたい情報
などを織り交ぜたコンテンツを制作・発信し、的を射た情報を提供することで自社ブランドの向上を目指していきましょう。
コンテンツディレクションの業務内容を知ろう
ここからは、多岐にわたるコンテンツディレクションの業務内容を大きく5つに分けて解説していきます。
①クライアントの課題を把握
- 自社のホームページの集客力を高めたい
- 商品・サービスの宣伝を行いたい
- 自社ブランディングを行いたい
まずは、「コンテンツを制作することによってどのような課題を解決したいのか」ということを把握する必要があります。具代的には、上記のような課題(目的)が考えられ、制作理由を明確にすることでコンテンツの方向性を定めることができます。
②コンテンツの企画・立案
次に、どのような内容を発信することで課題を解決できるのかを考え、コンテンツ内容を考案していきます。ここでコンテンツの方向性が決定するため、「構成の作成を実際の制作よりも重視している」という制作者は多く、非常に重要なステップであると言えるでしょう。
SEOコンテンツを制作する場合は、キーワード選定や構成に留意して企画・立案を行う必要があります。サイト訪問者の約8割がロングテール検索を行っているため、キーワードは特に「ロングテールSEO」を意識するべきです。キーワード選定方法や便利なツールをまとめていますので、ぜひ以下のサイトを参考にしてみてください。
◆ ロングテールSEOの基礎から実施方法まで徹底解説 ◆
◆ 記事構成のつくり方とその“コツ” ◆
③プロジェクトの進行・管理
企画(構成)が完成したら、プロジェクトの進行に関して計画を立てます。
- どの程度の時間をかけて制作を行うのか
- どのような順序で制作を進めるのか
- 必要な人員の確認
- 最終納期
上記のような点を確認し、関係者に明示したうえで制作に入るとよいでしょう。効率的な進行と質の高いコンテンツ制作のためには、社内やチームにおける1人ひとりの業務状況を把握し、的確に指示を行う必要があります。コンテンツディレクターがディレクションするにあたって求められる重要なスキルの1つです。
④キャスティング
- 記事コンテンツの場合:ライター・校閲者(編集者)
- 商品・サービスの写真を新たに撮影して使用する場合:カメラマン
- 自社メディアに掲載する場合:デザイナー・エンジニア・コーダー
- 広告・宣伝を意識したコンテンツにする場合:ウェブマーケター・SEOコンサルタント
「プロジェクトの進行・管理」にも関わりますが、キャスティングがディレクション業務に含まれる場合もあります。コンテンツ制作は、種類によっては多くの人が関わるプロジェクトとなるため、「必要なスキルと人員」「誰に依頼するのか」などを考える的確な人選のスキルが必要です。
そして、このときにチーププレイであることを忘れてはいけません。人選の良し悪しに応じてコンテンツの質が変わってくるということも胸に留めでおきましょう。
⑤公開コンテンツの分析や改善、品質管理
コンテンツが完成したからといって安心してはいけません。公開したのちも、そのコンテンツの管理や情報更新をする必要があります。
例えば、
- コンテンツに対してどのような反応が見られるのか「分析」を行う
- 思うような反応が得られなかった場合「改善」を行う
- 情報が古くなっていないか、誤ったものになっていないか「品質管理」を行う
など、上記もディレクション業務の一環です。繰り返しますがコンテンツは公開して終わりではなく、むしろ公開してからが始まりです。質の良いディレクションは質の良いコンテンツへと結びつきます。定期的に見直しを行うことで、業務内容やコンテンツを繰り返し改善し、良質なコンテンツを目指していきましょう。
コンテンツディレクションを行う際に求められるスキル
ここからは、コンテンツディレクションを行う際にどのようなスキルが求められるのかを4つに分けて解説していきます。
①コミュニケーション能力
上述したとおり、コンテンツ制作にはさまざまなジャンルの人員が関わる可能性が高いです。自身の考えている企画内容や方向性を的確に伝えるためにも、コミュニケーション能力が必要になります。
ディレクターはチームのリーダー的存在なので、アサインしたメンバーと意思疎通を図ることでモチベーションを維持しつつ、効率的に業務を回すことでプロジェクトを計画通り進行し、120%の成果を出すことが求められるのです。
さらに、その範囲はチーム間だけにとどまりません。受注した案件の場合はクライアントとの交渉・調整を行う重要なシーンでも、コミュニケーション能力が高いと言うことが確実に求められるでしょう。
②発想力や企画力
企画・立案において、発想力や企画力といったスキルが求められることは言うまでもありません。常にアンテナを張り巡らして社会動向やトレンドをしっかりとキャッチする力があれば、先回りすることで新たな流行を生むことも可能です。
多くの情報が溢れるなか、既存のものと重複することなく有用なコンテンツを制作することは確実に成果へと結びつくため、非常に重要なスキルだと言えるでしょう。
③スケジュール管理能力
プロジェクトには多くの人員が関わる可能性があります。その場合、下記のような対応が求められます。
- 人員ごとの担当業務の把握
- 業務ごとの工数の確認
- 上記2点に合わせた適切な対応スケジュールの作成
- 納期に間に合うよう進行・進捗の舵をとる
受注した案件の場合は最終納期が動かせない場合も多々あるでしょう。余裕を持って納期通りにコンテンツを納品するためにも、スムーズなプロジェクトを遂行する高いスケジュール管理能力が必須のスキルといえます。
④分析力・論理的思考力
公開したコンテンツの分析や改善、品質管理を行う際に求められるスキルです。
特にWEBコンテンツの場合、「Googleサーチコンソール」や「Googleアナリティクス」などのツールを使用して得られたデータから情報を適切に読み取り、どれだけ活用することができるかということがとても重要になります。
- PV数
- クリック数(クリック率)
- シェア数
- 滞在時間
- 流入詳細
- ユーザーの使用デバイス
などのデータから得られた情報を用いてサイトの傾向を確認し、目的のためにどのように改善すべきなのかを見極める必要があります。
提示したツールはかなり多彩な機能を持っているため、専門知識とそれに伴う経験が重要な鍵となる場合が多いです。どのような分析・思考力が求められるかは分野によって異なるため、専門企業に相談することを選択肢に入れることも必要となるでしょう。
コンテンツディレクションは何が難しいのか?
コンテンツディレクションの業務内容についてよく理解できましたでしょうか?
ここからは、コンテンツディレクションの難しいといわれる部分をまとめ、詳しく解説します。
求められる専門知識やスキルが多い
受注案件の場合、専門的な知識が必要になるためクライアントはあなたへ依頼します。それは、専門的な知識を持った人へ依頼すれば商品・サービスの質を高めることができるからに他なりません。
知見が浅いと、まず初歩的な検索・書籍などから情報を得る必要があるため、経験に勝るものを得ることはできませんよね。安易に始められないものだからこそ、その業務を生業とするスペシャリストにお願いすると言う手段が設けられているのです。
それは、コンテンツディレクションにおいても当てはまることです。上述した専門知識やスキル全てを、1人、あるいは初心者が対応を始めるということはとても困難であり、難しいと感じる一因となっています。
制作物、実績などに求められる水準が高い
他社との契約を考えるとき、その企業が手がけてきた制作物や実績などを確認したいと考えるのではないでしょうか?これは仕事を依頼するに当るかを判断するために起こる自然な考えです。
ここからも分かるように、生み出された成果はそのまま会社の顔となり自社のブランドにも影響を与えます。あなたがコンテンツディレクションの業務を担うならば、会社が描いているモノを形にして反映する重要な役割を担うことになるのです。品質の悪いものを表に出すことはできないからこそ、必然的に求められる水準が高くなってしまいます。
業務の効率化、生産性の向上が求められる
「スケジュール管理力」の項目でもご説明したように、スムーズな進行のために業務の効率化・生産性の向上が求められます。
コンテンツ制作には多種多様な業務がかかわっているため、すべての関係者の仕事内容を把握して進捗管理をすることは簡単ではありません。具体的には、関係者の業務内容や業務にかかる工数などを把握し、限られた期間のなかで適切なスケジュールを組む必要があるでしょう。それぞれのメンバーとの折衝を行うこともあり、コミュニケーション能力が高くなければうまくいかない場面も発生する可能性があります。
社内外問わず、アサインしたメンバーをうまく調整・進行する高いディレクション力が業務の効率化・生産性向上の鍵を握っているのです。
コンテンツディレクションを効率化するためには?
いままでのご説明からわかっていただけるように、コンテンツディレクションには幅広く高い能力と専門的な知識が求められます。
一言に「コンテンツ制作」と言っても、内容によってさまざまな作業に細分化することができます。そのため、業務を効率化するには担当する業務を明確にしておくことが必要です。全ての業務を1人で行うことは不可能に近いため、作業の中で他の担当者をアサインする・外注するということも方法の1つとして前向きに検討していきましょう。
メディア運営は継続が命です。
記事執筆やデザイン、校閲まですべてディレクターが担当するなどの属人的な体制は、非効率なばかりか短期で終わってしまう可能性が高くなってしまいます。業務を部分的に外注化することで安定した運営体制を整備すると、より効果的に効率化を進めることができるでしょう。
コンテンツディレクションの担当者はディレクション業務に集中することができ、効率化が進むと同時にコンテンツの質を上げることが可能になります。
コンテンツディレクション・サポートのご相談は、
“ ヒトノテ ” まで。
この記事では、コンテンツディレクションの業務内容や求められるスキルなどについて解説しました。
- ディテクション業務がちゃんと行えるか不安
- 実施したいが、時間・費用・人材のコストが嵩み過ぎる…
- 急いで記事を増やしたいがリソースが足りていない
- 決められた予算内で効果的なコンテンツマーケティングを行いたいけどノウハウがない…
コンテンツディレクションの仕事は時間と労力を要しますので、社内でそのリソースを賄えないという悩みをお持ちの方は、外注したほうが効率的かつ効果的な場合が多くあります。不安があるな、気になるなという方はお気軽にご相談ください。
執筆者:ヒトノート編集部
株式会社ヒトノテのオウンドメディア、WEBマーケティングの学習帳「ヒトノート -Hito note-」の編集部。
監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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