ドメイン移管、統合でSEO上で気をつけること
サイトを運営していると、どうしてもドメインを移管したり、複数のサイトを統合する必要がでてくる場合があります。ほとんどの方はドメイン移管や統合の経験は初めて、もしくは数えられるくらいの経験で不安なことは多いのではないでしょうか。
今回は、WEBコンサルタントとして数多くのサイトのドメイン移管や統合を手がけてきた弊社が、ドメイン移管や統合をする際のリスクや注意点などをお伝えします。
この記事の目次
ドメイン移管、統合でよくある目的
まずは、なぜドメイン移管や統合する必要がでてくるのか、その理由を目的別に紹介していきます。
ブランドを変更したい/統一したい
ドメイン移管や統合をする目的として、ブランドの変更や統一をするというパターンが多くあります。既存サービスの名前を変える場合や、なにかしら会社の事情がありドメインを変えるといった際に、ドメイン移管や統合が発生します。
他にも、一つの会社で複数サービスを扱っていてブランド名がバラバラだった場合に、ブランド強化をするためにブランド名を統一する場合もあります。後述しますが、複数のサイトが一つに統合されることで、SEOパワー(評価)を一つのサイトに集めることができるのも、副次的なメリットになります。
ここで実際にブランド名の変更や統合があった事例をご紹介します。
- テンプホールディングス株式会社→パーソルホールディングス株式会社
- 株式会社ネクスト→株式会社LIFULL
そもそもSEOとは?こちらの記事で詳しく解説しています。
▼関連記事
【2023年版】SEO対策とは?仕組みや施策、進め方などを徹底解説
運用をシンプルにしたい
ブランド統一と似ているものになりますが、運用をシンプルにするために複数のドメインでサービスを展開しているサイトを統合して、一つのサイトにするというパターンがあります。
複数のドメインでサービスを展開していると、サーバーの更新などサイト内の共通する部分を変更したり似ている箇所の変更をしたりした際に、同時にドメインの数だけ変更する工数がかかります。
このような工数のかかっているものをドメイン統合することにより、工数を削減し運用がシンプルになります。そうすることで担当者の負担が減り、操作ミスによる機会損失も減らすことができます。
分散したSEOパワー(評価)を集約したい
複数のサイトを1つのドメインに統合して、評価を集約し、流入を伸ばすことを目的にドメイン統合を行う場合も多くあります。
例えばサービスサイトとコンテンツサイトを別のドメインで展開している時に、より収益効果の高いサービスサイトに評価を集約するといったケースです。
ネガティブなSEO評価をリセットしたい
あるドメインがGoogleから何かしらのペナルティを受けてしまい、評価の回復が難しい場合に新しくドメインを作り、ネガティブ要素を無くした状態でサービスを立ち上げるというパターンもあります。
例えば、ペイドリンク(お金で被リンクを買うこと)が流行っていた時に、Googleからペナルティを受けてしまい色々と対策をしたが評価が戻らないといった際に起こるパターンです。
ドメイン移管、統合で起こりうるリスク
ドメイン移管や統合をする際におこりうるリスクを把握して、事前にできる対策はしておきましょう。
TOPページの流入が下がる(認知率が下がる)
社名やブランド名(サービス名)の変更などがあった場合に、TOPページの流入が下がることがあります。これは前のブランディングを新ブランドでカバー出来ず、旧ブランドの認知率が下がることでブランド名での検索が下がり、結果的にトップページの流入が下がることで起こります。
ブランド認知率が下がるとTOPページだけでなく、相関的にサイト全体の流入も下がる傾向があります。特に最近Googleが大切にしてるE-A-Tのアルゴリズムの観点からも評価のベースとしてブランドの認知率は重要視されています。
統合したけど1+1が2にならない
複数サービスのドメインを統合して、それぞれのSEOパワー(評価)を集約したけれども各サイトの流入数を足した数よりも少なくなるリスクがあります。
これは設計上の課題が考えられますので、リスクを防ぐために事前に対策をとって行く必要があります。ドメイン移管や統合時の注意点を上手く対策することができれば、1+1が3にも4にもすることができ、統合のシナジーを生むことができます。
移管、統合時の注意点
ドメイン移管や統合をする際に、1+1を2以上にするために具体的に注意する点をお伝えします。
ただドメインを統合しただけにしない
単純に合体しても良い影響は出ないので、ドメイン統合をする2つ以上のサイトをうまくつなげて、1+1を3,4と効果のでるサイト構造にしていく必要があります。
統合するサイトのディレクトリ構造と内部リンクの構造をシームレスにしていくことで統合のシナジーを生むことができます。サイト内で孤立したページ群にしてしまうとなかなか評価が上がらないので自然な場所にシームレスにつないでいくことを意識して統合を進めてい来ます。
例えば、サービスサイトとコンテンツサイトの関連するページをリンクでつなぎます。不動産サイトであれば、渋谷区のマンション一覧のページに渋谷区の情報を載せたコンテンツを載せたり、関連ページの内部リンクを張ったりして統合したサイト同士をつないでいきます。
キーワードの競合化を意識する
サイトAとサイトBで同じキーワードで評価されているページがあった場合に、この二つのサイトを統合すると順位が低いサイトの流入分が毀損することになります。この場合は、順位が低いサイトのページから順位の高いサイトにページを統合して301リダイレクトをかけることが理想です。
統合時には、どれくらいのキーワードが競合化しているか、事前にGoogle Sarch Consoleなどを使い調査をしておきましょう。
ブランド指名キーワードでの流入毀損を意識する
ブランド名の変更があった際に、ブランディングが下がってしまうことは仕方のないことですが、旧ブランド名での検索流入を意識した対策をすることで流入が減ることを最小限にすることができます。
例えば、旧ブランドの指名キーワードをタイトルタグに記載するなどの対策や、新しいブランド名を下記ポイントに注意して決めていくことが必要です。
- 競合性の高いブランド名にしない
- 一般的な単語にしない
- 呼びやすい単語にする
- 覚えやすい単語にする
- 検索しやすい単語にする
移管や統合すると同時にリニューアルする際の注意点
ドメイン移管や統合に伴いサイトのリニューアルをする場合は、さらに別の観点で気を付けることがあります。
人気なサイトのデザインや構造を参考にすることはよいのですが、今の自分のサイトはどういう観点で評価されているのか、何を残しておかなければならないのか、どこが自分のサイトの強みで、人気のあるサイトはどこが評価されているのかを考える必要があります。
その他にも、移管や統合を伴うリニューアルをする際に注意が必要な点をお伝えします。
リダイレクトをかける
統合の際になくなるページや消えるページは、なるべく対になるページへのリダイレクトをかけます。そうすることで統合後にユーザーが存在しないページのリンクを踏んでも、関係性のあるページに遷移させることができます。
また、対になるページがない場合はTOPページへのリダイレクトをかけておきましょう。
リダイレクト設定ではSEO評価が引き継がれるように301リダイレクトの設定が必要です。
301リダイレクトについては下記記事にて詳細をご紹介しておりますので、ご参照ください。
※301リダイレクトに関する記事
301リダイレクトとは?SEO効果から設定、確認方法までを解説!
【初心者向け】WordPressで301リダイレクトを設定する方法とは?
外部リンク、内部リンクのリンク先を変える
外部リンクについて、被リンクがある場合はリンクが貼られているサイトへ変更の依頼をしましょう。内部リンクも統合後の正しいページへ遷移できるようにリンクの張り替えをおこない、統合後のサイトでもユーザーが使いやすい内部リンクの構造にしていく必要があります。
まとめ
ドメイン移管や統合についての理解は深まりましたでしょうか。このドメイン移管や統合は経験することが少ないからこそ、統合後にシナジーを生めるようにしっかりとリスクや注意点を把握して、対策を整えて実施していきましょう。
SEOに関する注意点や気を付けるべき点はこちらをチェック!
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執筆者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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