キーワードマーケティングのやり方とは?SEOの効果が見込める手順を徹底解説
キーワードマーケティングとは、SEOやSEMにおけるマーケティングの手法の一環です。ターゲットが検索すると予想されるキーワードを選定して、SEOや広告出稿の方針を定めます。こうすることでターゲットとするユーザーへ自社の商品・サービスの認知度を高めたり、Webサイトへの流入をアップさせたりできます。
今回は、ヒトノテで実施しているキーワードマーケティングのやり方をSEOの観点で解説していきます。コンテンツ制作のためのキーワードマーケティングのやり方を調べている方は、参考にしてみてください。
この記事の目次
SEOにおけるキーワードマーケティングとは
SEOにおけるキーワードマーケティングの最大の目的は、ターゲットのニーズに合ったコンテンツを用意し、自社の商品・サービスの紹介をうまく絡めることで、認知度を高めたり、Webサイトへの流入をアップさせることです。
キーワードマーケティングは、SEOの効果を見込んだコンテンツを作成をするための最初のフローです。この段階でターゲットのニーズをキャッチできていないと、作成するコンテンツもターゲットのニーズからズレたものとなり、想定していた成果を得ることができません。
以下では、ターゲットのニーズに合ったコンテンツを作成できるよう、例を交えながらキーワードマーケティングの進め方を解説していきます。
キーワードマーケティングの進め方
では、ここからは実際に本メディア、ヒトノートの例を挙げながら説明していきます。
1.ターゲットを明確にする(ペルソナの作成)
まずは自社のターゲットはどのようなユーザーになるのか、ペルソナを考えてみましょう。
ペルソナとは、自社商品・サービスのターゲットとなる具体的なモデルのことです。
ターゲットの場合「会社員、男性、IT企業」「中小企業、社長」「自営業、女性」のようにざっくりとしたイメージに留まりますが、これに対しペルソナは多くの情報を盛り込み、実際に実在する人物かのように細かく設定します。
・年齢、性別
・家族構成
・住んでいる場所
・職業
・勤務時間
・年収
・貯蓄
・趣味
・休日の過ごし方
・よく使うSNS
このようにターゲットとなる人物像を具体化することで、キーワードマーケティングの精度も高まるでしょう。
これをヒトノートに当てはめて、ペルソナを下記のように設定しました。この前提で、キーワードマーケティングを進めていきます。
・年齢、性別:25歳、男性
・家族構成:独身
・住んでいる場所:東京
・職業:IT企業のWebメディア運用担当者
・勤務時間:10:00-19:00
・年収:350万円
・貯蓄:100万円
・趣味:カフェ巡り、映画鑑賞
・休日の過ごし方:SNSで見つけた気になるカフェに行くこと
・よく使うSNS:インスタグラム、X
新卒で入社した会社でWebメディアの運用担当者となった。Webに関する基本的な知識は身についてきたものの、SEOのことや流入アップ、CVR改善のことはよくわからない状況。担当しているメディアの流入に伸び悩んでおり、解決策を模索中。
2.タネキーワードを見つける
ペルソナが決まったら、その人物が検索するであろうキーワードを探していきます。そこで最初に見つけるべきは「タネキーワード」です。
ヒトノテでは、このタネキーワードを軸に、キーワード候補を広げていきます。
ペルソナでは25歳男性、Webメディアの運用担当者としました。
まだ社会人2年目で、Webに関する基本的な知識はある程度ついてきたものの、経験値は少なく、いろいろな施策を試行錯誤しながら進めている可能性が高いと考えられます。また、ほとんどの場合自身に決裁権はなく、何かを動かそうとする際には上長へかけ合う必要があるでしょう。
このような方が日々何を思いながら仕事をしているのか、想像を巡らせることから始めます。
Yahoo!知恵袋を参考にしてみる
この作業で参考になるのがYahoo!知恵袋です。
Yahoo!知恵袋で「Webメディア 担当者」「オウンドメディア 担当者」と検索をかけたところヒットした質問の一部を転載します。
引用元:https://support.yahoo-net.jp/PccChiebukuro/s/article/H000008081
引用元:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11215380466
この2つの投稿を見てみると、
- Webに関する基本的な知識はある
- SEOで具体的にどのようなことをしたらいいかわからず困っている
- 上司から、流入の増加やバズるコンテンツを作るように言われれている
ということがわかります。
ここからターゲットが検索しそうなキーワードを考えていきます。
- SEO/SEO対策
- コンテンツマーケティング
- オウンドメディア
- オーガニック検索
- アクセス解析
これをタネキーワードとしてメモしておきます。
既存記事のキーワードを軸に探す
既存記事がある場合、サーチコンソールやGoogleAnalyticsを確認しましょう。その中で流入の多い記事やCVを獲得している記事があれば、その記事のキーワードを軸に他のキーワードを探します。
ヒトノテではCVがよく取れている記事の例として
- CVR改善
- サイトリニューアル
があるので、この2つもタネキーワードに加えます。
競合サイトの流入キーワードを参考にする
競合サイトがどのようなキーワードで流入しているかも参考にしてみましょう。
ヒトノテでは、Ubersuggest(有料版)で調査しています。
競合ドメインを検索窓に入れると、どのようなKWで流入しているのかが分かります。自社のユーザーにも当てはまりそうなキーワードがあれば、タネキーワードとして追加しましょう。
今回は競合サイトを3社チェックしてみて、以下のタネキーワードを候補に入れました。
キーワード | 月間検索ボリューム |
Webライティング | 2900 |
seo コンサルティング | 2400 |
seo コンサル | 1300 |
seoブログ | 1300 |
記事ブログ | 720 |
会社ブログ | 390 |
3.キーワードの洗い出し
タネキーワードを見つけたら、それを軸にキーワードを洗い出していきます。
ここでもUbersuggestを使います。
左側のメニューから「キーワードリサーチ」をクリックし、検索窓にタネキーワードを1つ入力して検索をかけます。
今回は「SEO対策」で検索をかけてみましょう。
すると、月間検索ボリュームやSEO難易度などの数値が表示されます。
下へスクロールしていくと、関連ワードが検索ボリュームの大きいキーワードから、順番に表示されます。
表示されたキーワードは「CSVで出力」からダウンロードします。
こうして先ほどの手順で出したタネキーワードを全て調査し、関連ワードを出していきましょう。
なお、ヒトノテではダウンロードしたキーワードを1つのシートにまとめて一覧化し、検索ボリュームの大きい順に並べ替えます。
今回は月間の検索ボリュームが100以上あるキーワードを候補として、精査を進めていくことにします。
4.重複しているキーワードや勝ち筋のないキーワードをチェック
ここまでの過程で出したキーワードを、今度は精査していきます。
既存記事がある場合にまず確認したいのが、重複しているキーワードがないかどうかです。これはサイト内検索をかければ、簡単に確認することができます。
「site: +ドメイン+キーワード」
これで検索をかけるだけです。
例をあげて説明します。
ヒトノートで「コンテンツマーケティング 導入」の記事がすでにあるかどうか確認します。
その場合は
「site: https://hitonote.co.jp コンテンツマーケティング 導入」
と、検索します。
すると既存記事があることがわかりました!
この状態で「コンテンツマーケティング 導入」の記事を作成すると同じターゲットキーワードの記事が複数できてしまいます。
サーチコンソールで確認し、この記事の流入が少ないようであればリライトすると良いでしょう。
続いて勝ち筋のないキーワードを精査します。
勝ち筋がない、とは、記事を制作しても上位表示できる見込みのないキーワードです。
例えば検索をかけた際に、上位を占めているのが政府系のサイト(厚生労働省、国税庁、経済産業省など)だったり、病院サイト、公的機関のサイト(地方自治体など)だったりする場合です。
このようなサイトが上位を占めているキーワードでは、一般企業が上位を狙うのは難しいため、候補から除外することをおすすめします。
5.対策していくキーワードを取捨選択し、優先順位を決める
一通りキーワードの精査を行い、候補が絞れてきたら次は記事を作成するキーワードの優先順位を決めていきます。
自社のターゲットのから遠いキーワードは最初に除外
タネキーワードから広げた関連ワードの中には、ターゲットのニーズから遠いキーワードも入っています。
「ターゲットに近い」「ターゲットに遠い」はわかりにくい概念なので、ヒトノートの例を挙げます。
以下は、今回のタネキーワードから出した関連ワードの候補を、検索ボリュームの大きい順番に並べたものです。
例えばこの中にある「サイト7」は、競合サイトの流入ワードを元に引っ張ってきたキーワード候補ですが、実際に検索してみるとパチンコ・スロットの商品名であることがわかりました。
このような場合はターゲットが異なるため、キーワード候補から除外します。
また、「アクセス解析研究所」「コンテンツ3」も企業名なので除外します。
除外したものについても、備考欄になぜ除外したのかをメモしておくと、後で見返した時にわかりやすく安心です。
このほか、「Webライティング技能検定」や「ライティング2級」などもライター志望の方が検索しているワードであり、今回ペルソナで設定したWeb担当者とは異なります。そのため、ターゲットから遠いKWと判断し、除外します。
このように、実際に候補となるキーワードを検索しながら自社のターゲットに当てはまるかどうかを確認し、候補を絞っていきます。
基本的には検索ボリュームの大きなキーワードから作成
検索ボリュームが大きければ大きいほど、上位を獲得した際の流入インパクトも大きくなります。できるだけ検索ボリュームの大きいキーワードから記事を作成していくのがよいでしょう。
実際にいくつかのテーマでやってみた
ここまでの手順を踏まえ、実際にいくつかのテーマでキーワードマーケティングを実施してみました。参考までに、ご覧ください。
1.老人ホーム検索サイト
まずは老人ホーム検索サイトを想定したキーワードマーケティングです。この老人ホーム検索サイトの目標は「ユーザーに老人ホームの資料請求をしてもらうこと」とし、ペルソナは以下のように設定しました。
・年齢、性別:50代女性
・家族構成:夫、娘、息子
・住んでいる場所:東京
・職業:パート
・勤務時間:10:00-17:00
・年収:130万円
・貯蓄:2000万円
・趣味:読書、ジム
・休日の過ごし方:ジムでダイエット
・よく使うSNS:インスタグラム
両親が80代を迎え、父親のアルツハイマー発症を機に、老人ホームへの入居を検討し始めている
まずは、ユーザーのニーズを探ります。
ややキャッチアップしにくいテーマなので、Yahoo!知恵袋でユーザーのニーズを確認してみます。
引用元:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13292405558?__ysp=6ICB5Lq644Ob44O844Og
引用元:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10297094995?__ysp=6ICB5Lq644Ob44O844Og
「老人ホーム」で検索をかけたところ、これから老人ホームを探そうとしている方の質問を発見しました。
上記の質問や回答から、以下をタネキーワードとしました。
- 認知症
- 養護老人ホーム
- 生活支援ハウス
- 軽費老人ホーム
- ケアハウス
- 介護保険サービス
- デイサービス
- 地域包括支援センター
- 高級老人ホーム
- 介護認定
- 要介護度
Ubersuggestで関連ワードを調べていきます。
老人ホームに入るきっかけとなるのが認知症というケースが多いのか、検索ボリュームの大きなキーワードの大半は認知症関連が占めています。
認知症に続いて多かったのが、要介護度や介護認定のテスト関連のキーワードです。老人ホームの入居条件にもなるので、入居を検討した際に最初に調べる方が多いのでしょう。
そのほか、老人ホームへの就職を考えている方が検索していると思われるキーワードやターゲットが異なるキーワードも含まれるため、除外していきます。
このように、ターゲットが知りたい情報をキーワードから導き出してコンテンツ化し、Webサイトの目的である老人ホームへの資料請求に繋げていきます。
2.ペット好き向けの情報サイト
続いてはペット好き向けの情報サイトを例にキーワードマーケティングを行なっていきます。このサイトの目標は、自社のペットグッズをユーザーに購入してもらうことです。
ペルソナは以下の通りとします。
・年齢、性別:30代男性
・家族構成:彼女と同棲中
・住んでいる場所:千葉
・職業:会社員
・勤務時間:10:00-19:00
・年収:450万円
・貯蓄:300万円
・趣味:犬の散歩、犬と出かけること、ドライブ
・休日の過ごし方:彼女と犬とドッグカフェ巡り
・よく使うSNS:インスタグラム、X
毎週末、彼女と犬と出かけることを楽しみに、普段からネットで情報収集している。関東圏でのおすすめスポットや、犬と泊まれる宿などをリサーチしがち。
ペルソナの人物は、車で彼女と犬と出かけると予想し、タネキーワードを考えていきます。
まずは自宅近くの犬と出かけられるスポットを検索すると仮定し、「千葉」「東京」「関東」というエリアワードと掛け合わせて、以下のタネキーワードを出しました。
- 千葉 犬連れ
- 千葉 ドッグカフェ
- 東京 犬連れ
- 関東 犬と泊まれる宿
このほか、犬にまつわるトピックは様々なものが考えられます。
- 健康
- 食事
- 便利なアイテム
- しつけ
今回はペルソナから想定した犬と出かける際のタネキーワードに絞ってキーワードマーケティングを展開していますが、サイトの規模やターゲットによっては上記のような別のトピックも加える必要があるでしょう。
今回もUbersuggestで関連ワードを出した結果…
検索ワードは多少異なりますが、「エリア×泊まれる宿」「エリア×食事(カフェ、ランチなど)」「エリア×スポット」のおおよそ3パターンに分かれていました。
犬と泊まれるおすすめの宿情報、犬と行けるレストランやカフェの情報、犬と行けるおすすめの観光地の情報など、エリア別にコンテンツを用意することでユーザーのニーズを満たすことができるでしょう。
犬とのお出かけの際に必要になる自社アイテムをコンテンツに盛り込むことで、サイトの目標達成に繋がります。
まとめ
今回はキーワードマーケティングのやり方や実施する際の手順などをお伝えしました。
Web担当者の方の中には、大まかなやり方や内容についてはご存知の方が多いかもしれませんが、実際に進めようとすると細かい部分で疑問が出てくる方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回お伝えした内容を参考に、ぜひチャレンジしてみてください。
また、サイトの規模が大きい場合、作成したい記事の本数も数百本単位になるケースもあるでしょう。このようなケースではキーワードマーケティングにかかる労力も大きくなり、最初の設計が非常に重要となります。社内でのリソースが足りない、専門家に依頼したいという場合はぜひヒトノテにご相談ください。御社のWebサイトにピッタリ合ったキーワードを選定いたします。
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