SEOにおけるURL設計のベストプラクティス
URLとは、そのサイトの構造、ページ同士の関係性を明示するためのものです。実はURLの設計には、SEOの観点でいくつか気をつけたいポイントがあります。
今回はURL設計について、ヒトノテならではの観点で解説していきます。これからWebサイトを作成しようと考えている方、ドメインの移行を検討している方は参考にしてみてください。
この記事の目次
URLの基本構造
まずはURLの基本構造を確認しておきましょう。
プロトコル
プロトコルは、インターネット上でリソースにアクセスするための通信方法を指定している部分です。具体例として下記が挙げられます。
- http: 以前はWebページのデータを送受信する際、標準的に使われていた
- https: HTTPのセキュリティ強化版。現在はこちらが主流となっている
- ftp: ファイルを転送するために使われる
- mailto: 電子メールアドレスを指定するために使われる
Webサイトの場合httpかhttpsを使用しますが、現在では「http」だと「保護されていない通信」と表示されてしまうため、プロトコルは「https」に設定しましょう。
ホスト名
「www」の部分です。こちらはあってもなくてもSEO評価に影響はありません。例なので記載していますが、実際のヒトノテのWebサイトでもホスト名は記述していません。
ドメイン
該当のWebサイトの所在を示します。「.jp」「.com」「.net」など付くドメインが代表的ですが、その前に付く文字列は「.jp」等を含めた文字列で使用されていなければ任意のものを取得できます。ちなみに「.jp」「.com」「.net」などの箇所を「トップレベルドメイン」といいます。
ディレクトリ
サーバー内でのフォルダの位置と名前を示します。ドメイン同様、好きな文字列を指定することができます。ページ内のコンテンツと関連性の高いディレクトリ名を指定した方が管理もしやすく、ユーザビリティも向上します。
ファイル名
今回の例でいうと「4219.html」の部分が該当します。ページ内のファイルの名称で、ファイル名も好きな文字列を指定することができます。
SEO意識したURL設計の基本的な考え方
まず最初に把握しておきたいのが、URL設計の基本的な考え方です。いくつかのポイントに絞って解説していきます。
親子関係を意識して、階層ごとにディレクトリを切る
URLを設計する際は、親ページと子ページの関係を意識してディレクトリを切りましょう。
マイナビバイトを例に挙げて解説します。
マイナビバイトでは、まず都道府県別に以下のようにディレクトリが切られています。
都道府県(東京)
https://baito.mynavi.jp/tokyo
続いて、都道府県の直下のディレクトリに市区町村のディレクトリが設計されています。
市区町村(渋谷区)
https://baito.mynavi.jp/tokyo/city-44
このように、大きいエリアのディレクトリの下に、その下層にあたるエリアのURLが作られている構造が理想的です。
極力、無駄なディレクトリは入れない
実装上やむを得ないケースもありますが、無駄なディレクトリはできるだけ入れない方が理想的です。
食べログを例に説明します。
渋谷の居酒屋
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/rstLst/izakaya
この場合、「rstLst」が意味を持たないディレクトリとなります。
実際に、
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/rstLst
上記URLへアクセスすると、リダイレクトがかかり、下記URLに遷移します。
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301
とはいえ、食べログのケースは恐らく実装上必要なため入れているということだと考えます。そういった場合、絶対にあってはいけないというわけではありませんが、できるだけこういったディレクトリが入る数を抑えられるようにしましょう。
意味を持たない長過ぎる文字列は避ける
以下は、とある求人サイトの例です。
https://sample.com/r_b57f2c0522378b5f30db33ae88ddf19f
URLを確実にユニークにするために「r_b57f2c0522378b5f30db33ae88ddf19f」を使用していますが、このような意味を持たない長すぎるURLはGoogleが解釈しにくくなってしまうため、極力避けることをおすすめします。
日本語URLは極力使わない
URLにキーワードが含まれていると、若干SEOに有利になると言われています。
しかしそれよりも、日本語URLはシステムエラーを起こす原因になりやすいため、極力使わないほうがよいでしょう。
解析可能なURL構造にする
Googleアナリティクスなどでアクセス解析をする際に、URL文字列をもとに分析するケースが多くあります。
その際、例えばすべての市区町村ページのアクセス数を取得しようとした場合
https://baito.mynavi.jp/tokyo/shibuya
https://baito.mynavi.jp/hokkaido/sapporo
このようなURLになっていると、URL文字列からはどのページが市区町村か把握しにくくなってしまいます。
そのため、先ほどご紹介したマイナビバイトのように
https://baito.mynavi.jp/tokyo/city-44
「city-」を入れることで、そのページが市区町村だということを把握しやすくします。
このように、URLを考える際は解析しやすいURL文字列になるよう工夫すると、その後のサイト運営がしやすくなります。
ドメインについて
Webサイトのブランディングの観点で、基本的にはサービス名と一致したドメイン名にしましょう。
有名企業のサイトも、サービス名とドメイン名を統一しています。
▼マイナビ
https://baito.mynavi.jp/
▼食べログ
https://tabelog.com/
▼一休
https://www.ikyu.com/
また、or.jpやco.jpなど、取得するために成約があるようなドメインの場合、それだけでSEO評価がプラスに働く場合があるため、可能であれば使用しておいた方がベターです。
様々なサービスのURL設計から見える思惑
ここからは実際のWebサイトを参考にしながら、様々なサービスのURL設計の思惑をヒトノテならではの観点で解説していきます。
レストラン予約サイトの店舗ページ
まずは飲食系サイトのページから見ていきましょう。
ホットペッパーグルメ
https://www.hotpepper.jp/strJ001125272
ドメイン+店舗ID
店舗ページのURL階層をあえて浅くすることで、店舗ページの評価を上げようとする狙いが見えます。
食べログ
https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131403/13028839
ドメイン+エリアディレクトリ(tokyo)+店舗ID
店舗ページをエリアディレクトリの下に配置することで、エリアページの評価を上げようとしているのがうかがえます。
ホットペッパーグルメとは違った設計になっていることがわかります。
転職サイトの「エリア×職種」ページ
続いては転職サイトのページを比較してみましょう。
エン転職
https://employment.en-japan.com/k_tokyo/s_houjineigyo
ドメイン+エリアディレクトリ(k_tokyo)+職種(法人営業)
エリアディレクトリの下に職種ディレクトリを置くことで、エリアページの評価を上げようとしている設計です。
女の転職Type
https://woman-type.jp/job-sales/area-tokyo
ドメイン+職種ディレクトリ(営業)+エリア(tokyo)
職種ディレクトリの下にエリアページを置くことで、職種ページの評価を上げようとしていることがわかります。
ホテル予約サイトのエリアページ
続いてはホテル予約サイトの比較です。
一休
https://www.ikyu.com/tokyo/14030301
ドメイン+エリアディレクトリ(tokyo)+各エリア
東京ディレクトリの下に渋谷ディレクトリを置き、各エリアページを強化しようというURL設計です。
エクスペディア
https://www.expedia.co.jp/Shibuya-Tokyo-Hotels.0-n179167-0.Travel-Guide-Filter-Hotels
ドメイン+エリア・ホテル情報
URL階層を極力減らし、Googleに浅い階層だと認識させるURL設計になっています。
少し文字列が長いのが気になりますが、浅い階層にして評価を上げることを優先していることがうかがえます。
まとめ
今回はURL設計について解説しました。
URL設計時のポイントや、有名企業のURL設計から見える戦略をご覧いただき、奥の深さを感じていただけたのではないでしょうか?
自社のWebサイトのURLを設計する際にも、サイトの戦略やサービスとの親和性を考えてみてください。
URL設計について専門家に相談したい、現状のサイトのURL設計が複雑になってしまっており、自社で修正するのが難しいという場合にはヒトノテにご相談ください。お客様のWebサイトにぴったりのURL構造をご提案させていただきます。
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