URL正規化とは?必要な理由や設定方法を解説
URL正規化とは、一定のルールに従い、URLを利用しやすく変形することです。
URLが正規化されていないサイトは、検索結果に意図していないページが掲載されてしまうことがあります。また、URLが正規化されていないために、サイト内に同じ内容のページが重複していると、Googleに判断されてしまう場合もあります。
SEOに不利な構造になっているサイトは、価値のあるコンテンツを発信していても、アクセスを集めることは望めません。クローラビリティを向上させるためには、URLの正規化が必要です。
本記事では、URLの正規化が必要な理由や確認方法、URLを正規化させる方法を紹介します。
この記事の目次
URLの正規化とは?
URL正規化とは、文字列などのデータを、一定のルールに従って利用しやすく変形することです。URLの正規化により、文字列であるURLに対して、一定のルールに当てはめてURLを表現します。同じページへのアクセスであっても、実際にはURLの文字列はさまざまです。
「www」の有無、「index.html」の有無、検索条件などによるパラメーターの付与により、URLはいろいろと変化します。検索エンジンは、URLの文字列が完全に一致していなければ、同じページへのアクセスと判断できません。それだけでなく、重複コンテンツが存在するサイトと判断してしまいます。
URLの正規化することにより、バラバラになっていたURLを統一して、同じURLにアクセスしてもらえるようになります。
URLの正規化が必要な理由
URL正規化をすることで得られるメリットは、大きく分けて3つあります。いずれもSEOに有効で、検索エンジンに、より評価してもらうために必要な項目です。また、ユーザーのクローラビリティにもよい影響があります。
クローラビリティの向上
URLの正規化により、クローラビリティが向上します。
検索エンジンは、サイトのページをインデックスするために、各ページを読み込んでいきます。その際に、URLの正規化が行われておらず、同じ内容のページで異なる文字列のURLがあれば、それぞれに対してクローリングとインデックスの評価を行ってしまいます。
検索エンジンがクローリングしてくれるページ数には限りがあります。無駄に同じコンテンツに対してクローリングされてしまうことで、インデックスしてもらいたいページにまでクローラーが到達しないということもあり得ます。URLの正規化でクローラビリティの向上を目指しましょう。
重複コンテンツにおける低評価の回避
URLを正規化していなと、検索エンジンがサイト内に重複コンテンツが存在すると判断して、評価を落としてしまうことがあります。
「www」の有無や、「index.html」の有無、スマートフォン用のサブドメインなどの場合、意図して重複コンテンツをつくっているわけではありません。サイト運営者側からすれば、複数のページになっているという認識は薄いかもしれません。しかし、正規化されていないなら、検索エンジンが重複コンテンツとみなしてしまうケースが多くあります。また、Googleは、重複コンテンツがサイトやページの低評価につながってしまうことを、明確に示しています。
正規化ルールによって、重複コンテンツと解釈されないようにすることで、低評価を回避しましょう。
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被リンク効果の改善
同一コンテンツに対するリンクのURLも正規化されている必要があります。
同じページに対して、正規化されていない複数のURLが存在するなら、被リンクを受けることで高まるページやサイトの評価が、それぞれのURLに分散されて付与されてしまい、検索エンジンで正当な評価を受けられません。
正規化によって、URLの文字列を統一することで、同じページへのリンクがすべて同じURLになり、検索エンジン側も、すべての被リンク評価を同一のページに対して付与できるようになります。被リンクとは、外部サイトから向けられたリンクです。他サイトに高く評価されていることになり、検索エンジンからの高評価を得られるポイントです。
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URLが正規化されているかを確認する方法
URLの正規化は、SEOで高く評価されるために必要な施策です。では、ご自身のサイトがきちんとURL正規化されているのかを調べる方法を紹介します。Googleサーチコンソールの「URL検査」ツールを使うことで、確認できます。
GoogleサーチコンソールのURL検査ツール
GoogleサーチコンソールのURL検査ツールでは、Googleのインデックスに登録されているページの情報を確認できます。調べたいページのURLを入力すると、そのページがインデックスされているかどうか、今後登録できる可能性があるかなども確認できます。
また、調べているページが最後にクローリングを受けたのがいつなのかについても確認できます。
「Googleが選択した正規URL」項目に、「検査対象のURL」と表示されているなら、URLの正規化が正しく設定されていて、問題なくインデックス化されていることになります。そのほかにもURL検査ツールでは、ページ内に存在する動画コンテンツのインデックス状況や、モバイルユーザビリティについてもすぐに得たい情報が閲覧できるのが便利です。
以前「カバレッジレポート」という名称であった、「ページインデックス登録レポート」でも、サイト内のページのそれぞれのインデックス状況に関する詳細を確認できます。ここでエラーメッセージが出ているなら、URLが正規化されていない可能性があり、修正が必要です。
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【注意】info検索は2019年に終了
正規URLを調査するための方法として、以前は「info検索」というメソッドが活用されていました。Google検索から「info:」を付与して検索することで、正規URLを見つけるという方法です。Googleサーチコンソールのアカウントがなくても調査できたので便利でしたが、Googleサーチコンソールの改良に伴った変更として、2019年に廃止されました。
URLを正規化させる方法
検索エンジンに効果的にインデックスされるためには、URLの正規化が必要です。正規化されていないURLがサイト内にあるなら、正規化するようにしましょう。
正規化をするメソッドは主に、2タイプあります。301リダイレクトを使用する方法とcanonicalタグを使う方法です。それぞれの方法の詳細と、採用に適したケースを解説します。
301リダイレクトする
HTTPのリダイレクトにはいくつか種類がありますが、301リダイレクトとは、恒久的転送を意図するリダイレクトです。被リンク先として外部からアクセスがあるものの、サイト内ではもう使用していないページを、合流先のページに自動的に遷移させる機能を果たします。旧ページがすでに削除されてしまっている場合は、404エラーなどが表示されてしまいますが、リダイレクトを設定することで、回避できます。
301リダイレクトは、SEOの観点からも有効です。旧ページがこれまでに得ていたインデックスの評価を遷移先のページに引き継げます。サイト移転・ドメイン変更・SSL化など、恒久的に旧ページを使わなくなるケースで活用できます。
canonicalタグを使う
「canonical」とは、英語で「正規の」を意味する単語です。HTMLのhead内にLINKタグを追加して、検索エンジンに対して、該当のページへのアクセスをどのURLとして評価してもらいたいかを指定するために使います。同じコンテンツに対してさまざまなURLでアクセスできてしまう場合、それぞれのURLをインデックスせずに、指定したURLにまとめることで、よりSEOの効果を得られるようにする施策が可能です。
検索エンジンに、サイト内でコンテンツが重複していると判断されてしまうと、インデックスされなくなったり、よい評価が得られなくなったりしてしまいます。canonicalを設定することで、問題を解消できます。
まとめ
URLの正規化とは、検索エンジンにサイトを正しく評価してもらうために、URLを統一しておく施策です。URLの正規化は、コンテンツの重複があるとみなされないために必要です。
クローラビリティを向上させて、インデックスしてもらいたいページをいち早く評価してもらうためにも、必ずURLを正規化しておくようにしましょう。
301リダイレクトやcanonicalを設定することでURLの正規化が可能です。せっかく価値のあるコンテンツを作成しても、URLを正規化していなければ、検索エンジンに高く評価してもらいにくくなってしまいます。早急に、ご自身のサイトのURLが正規化されているかどうかを、Googleサーチコンソールなどでチェックしてみてください。
また、URLの正規化について、どのように進めたら良いのかなど、ご相談も受けておりますので、お気軽にお問合せください。
執筆者:川口享晟
株式会社ヒトノテのSEOコンサルタント。メディアサイトからポータルサイト、ECサイトまで様々なサイトのSEO支援を経験。売上のアップから逆算したSEO対策を得意とし、クライアントに寄り添ったオーダーメイドの提案を心がけています。
監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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