リッチリザルト(リッチスニペット)とは?設定方法を解説
リッチリザルト(リッチスニペット)とは、ユーザーがページ内容を想像できるように、検索結果画面にページ内の情報を表示する機能です。
通常の検索結果は「ページタイトル(titleタグ)」「要約説明文(meta description)」のみが表示されるのに対し、リッチリザルトでは「画像・動画」「価格」「会社概要」「FAQ」などを表示可能です。 構造化データのマークアップによって実装ができ、SEOへの効果も期待できます。
この記事では、リッチリザルト実装方法や気をつけたいポイントを解説します。
この記事の目次
リッチリザルト・リッチスニペットとは
リッチリザルトとは、検索結果ページで「レビュー」や「レシピ」「画像」「イベント情報」などを表示させる機能のことを指します。似た言葉のリッチスニペットはリッチリザルトという名前が出る前に使用されていました。
現在Googleでは、リッチスニペットのことをリッチリザルトという呼称に変更しています。
通常、検索結果で表示されるのは「ページタイトル」と「要約説明文(meta description)」ですが、WEBコンテンツに構造化データのマークアップを行うことで、検索結果を視覚的にリッチ(効果的)に見せることができます。
これまでは、クリック率を上げる対策としてタイトルやディスクリプションをクリックされやすいテキストにするのが重視されてきましたが、
現在ではタイトルやディスクリプションだけでなく「リッチリザルト」を利用することでよりクリック率を高められることができるようになっています。
クリック率を上げたい、検索結果画面で自社の商品やサービスの情報をよりわかりやすく伝えたいと考えている方にとってリッチリザルトは有効です。
どういうものがリッチリザルト?
リッチリザルトには、「よくある質問」や「パンくずリスト」など30種類以上の表示内容があり、表示形式もそれぞれ異なります。リッチリザルトのメリットを享受するためには、自社のコンテンツに適したリッチリザルトを選択することが大切です。
そのためまずは、実際にリッチリザルトにはどういうものがあるのかを見ていきましょう。今回はリッチリザルトの中でも特に使用頻度が高いものを紹介していきます。
写真、画像
リッチリザルトには、WEBページで使われる写真や画像を表示させることができる設定があります。文字情報に加えて写真を表示することでユーザーからの注目も集まり、ページへの理解も深まるでしょう。
たとえば上記のように、検索結果ページに料理の画像などを表示できます。レシピを検索しているユーザーは写真を見てイメージをつかめるため、検索欄に美味しそうな写真が掲載されていればレシピにも興味を持ってもらえる可能性が高いです。カロリーやレシピの内容も表示されていれば、より一層ユーザビリティを向上できます。
このように画像を表示することでユーザーに興味をもってもらい、関心を惹き付けることができます。
会社概要
コーポレートサイトなら、会社概要やサービスの表示がおすすめです。会社名で検索するユーザーは、その会社の業務内容などに興味があり、ページを開いた後はメニューから目当てのページに遷移する可能性が高いです。
そのため、検索欄に会社概要などのページリンクを記載しておくことで、ユーザーがリンクを踏んでから探す手間を省けます。
コーポレートサイトの場合は、ページの見やすさが会社への印象につながることも多いので、ユーザビリティの高い設計を心がけましょう。
求人情報
「〇〇 求人」や「職種 地域」などの求人クエリで検索した際には、該当する求人情報を掲載している会社名やロゴなどが表示されます。そのため、それぞれのページを訪れることなく給与や勤務形態、勤務地などを確認可能です。
求人クエリで検索したユーザーは多くが求職者であり、少しでも早く良い仕事を見つけたいと考えています。そのようなユーザーの悩みに配慮し、知りたい情報を確認しやすい状態に整えておくことで、ユーザビリティの向上につながります。
パンくずリスト
リッチリザルトでは、パンくずリストを検索結果ページに表示させることも可能です。
上記画像の赤枠部分がパンくずのリッチリザルト箇所になります。
パンくずリストとはWEBサイト内の階層を示すもので、上位の階層のページから順にリストアップしてリンクを設置したリストを指します。
パンくずリストを表示させることで、ページの階層を理解できるためユーザビリティの向上につながります。
今から見ようとしているページはそのサイト内のどの位置にあるのかをユーザーに理解させることで、パンくずリストを辿ってサイト内をわかりやすく巡回してもらうことにもつながります。
レビュー、評価
商品や飲食店などのレビューや評価を検索結果に表示させることも可能です。
商品や飲食店などの評価やレビューが掲載されているページは、構造化データのマークアップを行うことで検索結果画面に評価点を表示させることができます。
レビュー評価を掲載することで、ページの信頼度の向上につながります。
価格
特定の商品名で検索した際に、商品の価格をリッチリザルトとして表示させることも可能です。
価格を表示させることで、商品情報の理解促進につながり、価格において競合と優位性があればクリック率がさらに高くなります。
ユーザーも検索結果画面で価格が分かるのでユーザビリティ向上にもつながります。
FAQ・よくある質問
ユーザーは悩みや疑問を解決するために検索しています。その際には、検索のきっかけである顕在的な悩みの他にも、本人も自覚していない潜在的な疑問を抱えているケースが多いです。
そのため、過去に同じような疑問を持ったユーザーからの「よくある質問」を表示して、より多くのニーズに応えられるようにしておきましょう。
店舗の情報
リッチリザルトでは、店舗の営業時間・予算・支払い方法・評価などをコンパクトに掲載できます。店舗を探しているユーザーは、他の店舗も検討している可能性が高いため、来店してもらうには差別化が重要です。
検索結果画面を見ただけでどのような店舗なのかわかるようにして、競合よりも先に情報を視認してもらえるようにしましょう。ページ内のコンテンツも充実させておくことで、来店してもらえる可能性はさらに高まります。
検索窓
検索結果に「検索窓」を表示することで、サイト内検索ができるようになります。たとえば「SEO」というキーワードで表示されたページの検索窓で「SEO 内部施策」と検索すれば、「SEOの内部施策」という特定の情報にすぐにアクセス可能です。そのため検索窓は、より詳しい情報を知りたいユーザーの回遊率向上につながります。
また、サイト内検索は検索履歴を確認できるので、ユーザーのニーズの把握が可能です。
SEOへのメリット
リッチリザルトはSEOへの効果が期待できます。なぜなら、「ユーザーが求めるコンテンツを評価する」とGoogleが公言しているためです。
ユーザビリティの高いコンテンツづくりの一環としてリッチリザルトを導入することで、Googleからの評価向上につながります。そのため、サイトの評価を上げたい、検索流入を増やしたい方は実装しておきましょう。
ここからは、リッチリザルトの実装によって、ユーザビリティがどのように向上し、SEOにどのような効果をもたらすのかを具体的に解説します。
クリック率が上がる
リッチリザルトを設定し画像やレビュー評価などを表示させることで、自分のWEBページを他のページよりも検索結果画面上で目立たせることができるようになります。
また、直接検索結果画面から検索できる検索窓をリッチリザルトとして使うこともクリック率の上昇につながります。
このように、競合サイトと差別化させることができ、自分のページを見てもらえる確率が上がります。
Googleの検索順位決定の要素に、表示回数に対するクリック率が含まれているため、Googleからの評価を得ることにもつながります。
検索エンジンがページの内容を把握しやすくなる
リッチリザルトを実装することで、間接的なSEO効果が期待できます。なぜならリッチリザルトの実装には、「構造化データのマークアップ」を用いるからです。
構造化データのマークアップとは、Googleのクローラーにコンテンツを認識してもらうために、HTMLに情報を記述する方法のことです。リッチリザルトのために構造化データのマークアップを済ませておくことで、結果としてクローラーが巡回しやすくなり、検索順位の向上が期待できます。
つまりリッチリザルトは、ユーザーとクローラーの両方に優しい一石二鳥の施策だといえるでしょう。
リッチリザルトの設定方法
リッチリザルトは、ユーザーとクローラーの両方に良い効果があり、多くのサイト運営者にメリットをもたらします。しかし、ただコンテンツを作成しただけでは表示されません。リッチリザルトを表示するためには、Googleが認識できるようにHTMLへの構造化データのマークアップが必要です。
ここからは実際にどうやってリッチリザルトを設定すればよいか、その具体的な設定方法を解説していきます。
設定方法を理解し、正しく設定することでリッチリザルトが表示されるようになります。また、実装後は「リッチリザルトテスト」などのツールでの検証も必要です。
設定時の注意点もあわせて詳しく見ていきましょう。
リッチリザルトを記述するための言語と文法を決める
リッチリザルトを表示させるためには構造化データのマークアップを行う必要があります。
構造化データのマークアップは、構造化言語と呼ばれるプログラム言語で内容を記述していきます。
schema.orgと呼ばれる構造化データに関する仕様を取り決めているガイドラインのようなものがあります。構造化データのマークアップを行うには、このschema.orgの仕様に沿ってプログラムしていきます。
構造化データの記述例
構造化データは、構造化言語(ボキャブラリー)を形式(シンタックス)に沿って記述する必要があります。形式のルールを守らないと正しく反映されないので、まずは記述する形式を確認しましょう。
Googleは、「JSON-LD」「microdata」「RDFa」の3種類の形式をサポートしています。特に「JSON-LD」を推奨しているので、基本的には「JSON-LD」での記述がおすすめです。
下記にてJSON-LDでの記述例を見ていきましょう。
まず、最初の3行を、
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "http://schema.org",
に設定することでボキャブラリーの設定ができます。
この記述を間違えると、Googleがうまく読み込むことができずリッチリザルトが表示させることができなくなるので、記述に誤りが無いように注意しましょう。
リッチリザルトの構造化データは下記となります。
<script type="application/ld+json">
{
"@type": "Webpage",
"name": "サイト名",
"url": "サイトのURL",
"provider":{
"@type": "Organization",
"name": "サイト運営者の名前",
"review": {
"author": "レビュワーの名前",
"reviewRating":
"worstRating": "レビュー最低点",
"ratingValue": "レビュワーがつけた点数",
"bestRating": "レビュー最高点"
}
}
}
}
}
</script>
この記述に従って実際に内容を入れ込むことでリッチリザルトの構造化データが出来上がります。
実装後にテストツールで確認する
構造化データは実装して終わりではなく、きちんと反映されているかどうか検証する必要があります。その際に役立つのが「リッチリザルトテスト」「スキーママークアップ検証ツール」といったツールです。
リッチリザルトテストでは、URLかHTMLを入力するだけで反映項目を確認できます。エラーも自動で検出してくれるので、トラブルの際にもすぐに対応可能です。
スキーママークアップ検証ツールでは、Schema.orgによる構造化データをすべて確認できます。「microdata」や「RDFa」を用いている場合は、スキーママークアップ検証ツールがおすすめです。
また、コンテンツのHTMLを編集した際は、構造化データも修正が必要です。メンテナンスを怠らないようにしましょう。
リッチリザルトを活用する注意点
構造化データマークアップをすれば、必ずリッチリザルトが表示されるわけではありません。リッチリザルトを表示させるには、Googleが定める構造化データに関するガイドラインに従うことが必要不可欠です。
たとえば、イベント情報のように「日時によって関連性がなくなったコンテンツはリッチリザルトに表示されない」とガイドラインに記載されています。
構造化データが問題なく設定されていたとしても、品質に関するガイドラインに反した行為が見つかった場合、リッチリザルトが表示されなくなるだけでなく、検索結果からも除外されることがあります。
構造化ガイドライン、品質ガイドラインに従いユーザーのことを考えたWEBページにすることを心がけましょう。
Googleからのペナルティに関する記事はこちら
・SEOのGoogleペナルティとは?対処方法や原因についても解説!
コンテンツのクオリティが大切
ガイドラインに沿っていたとしても、コンテンツのクオリティが低いとリッチリザルトに表示されない可能性があります。
なぜなら、検索結果画面の全ページのリッチリザルトが表示されたら見にくくなってしまうためです。リッチリザルトを実装すれば必ず検索順位が上がってユーザー数が増えるわけではないので注意しましょう。
加えて、Googleは関連性、場所などから適切だと判断したコンテンツのリッチリザルトのみを表示しています。
その他注意するポイント
構造化データにおいて注意すべきポイントは、他にもあります。
たとえば、「よくある質問」などのリッチリザルトによって検索結果で疑問が解決すると、サイトをクリックしてもらえないリスクがあります。
そのためリッチリザルトは、すべての方にとって有効な手段とは言い切れません。自社コンテンツとユーザー属性を分析したうえで、実装するかどうか判断しましょう。
いろんな企業がリッチリザルトを使っている!
リッチリザルトはいろいろな企業で使われています。
デリッシュキッチン
デリッシュキッチンのWEBページでは動画をリッチリザルトに表示させています。
動画を設定することで、動画で料理の作り方を見られるという利便性の高さをユーザーにアピールすることもできます。
また、食べログなどの飲食店紹介ページでは、レビューや価格帯を表示させることで、飲食店の情報を詳細に伝えることが可能です。
まとめ
リッチスニペットは、ユーザーが求めている情報を検索結果画面に表示するもので、現在は「リッチリザルト」という名称に統一されています。リッチリザルトには、「よくある質問」や「パンくずリスト」などの30種類以上の項目があり、コンテンツやユーザーに合うものを実装することで多くのメリットが得られます。
リッチリザルトは、「構造化データのマークアップ」によって実装が可能です。実装して終わりではなく、「リッチリザルトテスト」などのツールでの検証も忘れずに行いましょう。
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執筆者:山本卓真
株式会社ヒトノテのSEOコンサルタント。事業会社でのWEBマーケティングの広い知見と経験をもとにクライアントと伴走することが得意です。
監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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