GoogleアナリティクスのReferral(リファラル)とは?他のチャネルや確認方法を解説!
GoogleアナリティクスでのReferralは、「他のサイトからの流入」を意味します。つまり、どこかのサイトに自分のサイトへのリンクが貼られているということです。被リンクを獲得すると検索エンジンから信頼性の高いコンテンツとして評価されやすくなるので、SEOを行う上でReferralは重要な指標となります。
今回の記事では、Referralとは何か、Referralを確認することのメリットについて解説します。
この記事の目次
Referralにはスパムもある?
冒頭でお伝えした通り、Referralにはポジティブな意味があります。しかし、急激にReferralが増えた場合、Referralスパムの可能性もあります。Referralスパムとは、スパムサイトへ誘導するために意図的にGoogleアナリティクスへ参照元の情報を残すスパム行為を指します。
Referralスパムをされた状態でデータ解析を行うと、参照元のページを確認しようとして訪問した際にスパムサイトを開いてしまうことになります。
このようにデータ解析を行う際はスパムサイトの可能性もあるので、怪しいReferralだと感じたらクリックしないようにしましょう。
チャネルグループとは
サイトへの訪問方法はReferral以外にも、「検索」や「ブックマーク」など多くあります。どのように自分のサイトへ訪問したかを「チャネル=流入経路」と言います。
Googleアナリティクスでは、チャネルをグループごとに解析可能です。この中で流入情報(トラフィックソース)をグループ分けしたものを、チャネルグループといいます。チャネルグループにはReferralを含めて以下の10種類があります。
チャネルグループ | 内容 |
Organic Search (自然検索) | 検索エンジンからの流入 |
Paid Search | リスティング広告からの流入 |
Display | ディスプレイ広告からの流入 |
Other Advertising | その他の広告からの流入 |
Affiliate | アフィリエイトからの流入 |
Referral | 他のサイトからの流入 |
Social | SNSからの流入 |
Eメールからの流入 | |
Direct | ブックマークなどからの直接的な流入 |
Other | 上記に該当しない流入 |
このように細かく分類されているため、チャネルグループを把握することでサイトの分析に役に立ちます。
Organic Search
Organic Search(自然検索)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンからの流入です。
ただし、検索エンジンでの検索結果に表示されるリスティング広告からの流入は含まれません。
また、Organic SearchではGoogleが認識している検索エンジンのみがカウントされます。Googleが認識していない検索エンジンからの流入は、「Referral」に分類されます。
近年ではWebサイトのSSL化によりWebサイトのセキュリティが強化されたため、何の流入キーワードで流入したかまでは分からないことがほとんどです。ですが、Google Search Consoleであれば、流入キーワードの確認ができますので、Googleアナリティクスと併せて利用しましょう。
Paid Search
Paid Searchは、リスティング広告からの流入数です。
リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードに合わせて表示される広告です。検索連動型広告とも呼ばれます。
通常、リスティング広告は、クリックされた回数に応じて広告料金が発生します。
無駄な広告費を支払わないためにも、Paid Searchの項目でコンバージョン率を確認して、効果が出ているか把握しましょう。
Googleのリスティング広告を利用すれば、流入が自動的にPaid Searchにカウントされます。しかし、Yahoo!リスティング広告などGoogle以外に出稿した場合は、パラメータを設定しないと正確に流入経路が把握できないためReferralにカウントされてしまいます。
【参考】GoogleアナリティクスとYahoo!リスティング広告の連携方法
GoogleアナリティクスとYahoo!リスティング広告は、以下の手順で連携可能です。
- Googleアナリティクスが提供するCampaign URL Builderでパラメータを作成する
- Yahoo!リスティング広告の管理画面で「最終リンクURL」にパラメータを貼り付ける
広告を出稿した後では最終リンクURLの変更ができないので、出稿前に設定をしましょう。既にリスティング広告を出稿済みの場合は、配信を停止して新たに出稿する必要があります。
Social
Socialは、SNS経由での流入数を表しています。
自社のWebサイトに集客するには、SNS経由での流入も欠かせないものになっています。SNSは口コミで情報が広がりやすいので、ユーザーからの信頼や評判を獲得できるなどのメリットもあります。
SocialではFacebookやTwitter、YouTubeなど、どのSNSからの流入したのかも表示されます。SNS別に平均セッション時間やページビュー数なども把握できるので、どのSNSに力を注ぐべきかなどの分析も可能です。
ただし、SocialにはFC2やAmebaなどの有名ブログサイトからの流入もカウントされます。正しく分析するためにも、どのサイトからの流入なのかを細かく確認するようにしましょう。
Direct
Directは、以下のような経路からの流入です。
・お気に入りやブックマークからの流入
・ブラウザのアドレスバーに直接URLを入力しての流入
・LINEやTwitterなどのアプリからの流入
・QRコードを読み取っての流入
・ExcelやWordなどに記載されたURLからの流入
など
このようにDirectはどこから流入してきたのか判断が難しいです。しかし、スマートフォンの普及に伴い、アプリ経由での流入が増えているため、Directトラフィックは増加傾向にあります。
directに関する詳細記事は、こちら!
direct/noneの意味は何?Googleアナリティクスに表示される原因や対策について解説
Emailは、メルマガ経由での流入です。
メルマガはコストを抑えて多くの顧客にアプローチできる有効なマーケティングです。また、顧客の購買意欲に合わせて情報を届けられるメリットもあります。
ただし、メルマガからの流入は、事前にパラメータ設定をしないとDirectに割り振られてしまいます。
Affiliates
Affiliatesは、アフィリエイト広告からの流入です。
アフィリエイトとは、インターネット広告の一種で「成果報酬型広告」と呼ばれています。 広告を掲載し、その広告経由でユーザーが商品を購入すると、売り上げの一部を報酬として支払う仕組みの広告です。
サイトやブログに貼られたアフィリエイト広告をクリックして、ユーザーが自社のサイトに訪問するとAffiliatesにカウントされます。
アフィリエイト広告は基本的に、自社の商品やサービスが売れた場合のみに広告費用を払うので、非常に効率的な手法です。
Display
Displayは、ディスプレイ広告からの流入数を表しています。
ディスプレイ広告とは、Webサイトに画像や動画・テキストで表示される広告です。バナー形式で表示されることが多いので、バナー広告とも呼ばれています。
Displayは広告を出稿する前に設定をしないと、計測することができません。Google広告であれば、Googleアナリティクスの管理画面から連携が可能です。
Yahoo!などGoogle以外では、パラメータを設定する必要があります。
まずは、先ほど紹介したCampaign URL Builderでパラメータを作成します。基本的には項目を入力していくだけなので、使い方は難しくありません。必須の入力項目は以下の4つです。
- WebサイトのURLには、遷移させたいページのURLを記入します。Googleアナリティクスに登録されているサイトであることが条件です。
- 参照元はどこから訪問してきたのか特定するために入力します。Google広告であれば「google」と入力してください。
- メディアにはマーケティング媒体を入力します。リスティング広告は「cpm」、ディスプレイ広告は「display」、バナー広告は「banner」と設定します。
- キャンペーン名は、どのような広告を出しているのか分かりやすくするために設定します。例えば、ある製品をPRするためであれば製品名を、期間限定の広告であれば「summer_sale」など、誰が見ても分かりやすいように入力します。
少し手間に感じるかもしれませんが、慣れてしまえばすぐに設定が可能です。適切に効果を測定するためにも、必ずパラメータ設定をするようにしてください。
Other Advertising
Other Advertisingは、先ほど紹介したリスティング広告とディスプレイ広告以外の広告からの流入です。
Other
Otherは、ここまでの9つの項目に当てはまらない流入です。
Googleアナリティクスが判別できない流入は、すべてOtherに振り分けられます。そのため、Otherの流入数が多すぎる場合は、ここまでに紹介したパラメータ設定が失敗している可能性があります。
Googleアナリティクスでチャネルを見る方法
Googleアナリティクスでチャネル別の流入は、「集客」→「すべてのトラフィック」→「チャネル」で確認できます。
それぞれのチャネルをクリックすると、詳細を確認できます。
例えば、「Organic Search」では検索キーワード、「Referral」ではどこのサイトからの流入か、「Social」ではそのSNSからの流入か、などが表示されます。
Referralなどの流入チャネルを見るメリット
Referralに限らず流入チャネルなどのデータを見ることで、以下のようにサイトの分析や改善に役立ちます。
流入チャネル
流入チャネルでは、Organic SearchやSNSなどどこからのアクセスが多いか把握すれば、力を入れるべきメディアが分かります。
例えば、Organic Searchが増えていれば、SEOが成功していると判断できます。SNSが増えていれば自社のSNSアカウントが効果を上げていると分析可能です。
また、CV率も併せて確認すれば、「Organic Searchは流入が少ないけどCVへの貢献が高い」「SNSは流入が多いけどCV率が低い」など、さらに細かな分析も可能です。
直帰率
直帰率とは、サイトの訪問者が最初のページだけを見て、別のサイトに離れてしまった割合です。例えばセッション数が1000のときに直帰率が50%であれば、セッションのうち500は最初のページだけしか見ていません。
同ジャンルのページと比べて直帰率が高い場合は、コンテンツの質が低い・訪問者のニーズを捉えられていない・ページの読み込み速度が遅い、などが要因となっている可能性があります。
平均セッション時間
平均セッション時間とは、1回のセッションでどれくらいの時間を滞在していたかという指標です。
平均セッション時間が長ければ、訪問者のニーズを捉えられているサイトであると判断できます。ただし、UIや導線設計が悪くて、無駄に訪問者の時間を奪ってしまっている可能性もあるので注意が必要です。
また、何か施策を行った後に、平均セッション時間の変化を調べると、効果が出ているのか判断できます。
このように流入チャネルや付随する指標は、サイトの分析に大きく貢献します。サイト分析に慣れていない方は、まずは施策を講じる前と後でどのように流入チャネルが変化したかを調べるといいでしょう。
参照元/メディアについて
「集客」→「すべてのトラフィック」→「参照元/メディア」では、さらに詳しく流入元を把握できます。
例えば、参照元/メディアが「google/organic」となっていれば、Googleから自然検索で流入したユーザー数が分かります。また、「yahoo/organic」でYahoo!からの流入、「bing/organic」でbingからの流入数も把握が可能です。
Organic Search以外にも「ページのURL/referral」など他の流入についても、詳しい情報が載っています。
Referralの流入元のページが分かれば、さらに掲載を増やしてもらうように連絡をすることも可能。また、被リンクを得やすいサイトの傾向もつかめます。
参照元/メディアはサイト全体だけでなく、ページごとにも確認が可能です。
「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」に進みます。ページの中央付近にある「セカンダリディメンション」というタブから、参照元/メディアを選択すれば確認ができます。
ページごとに参照元/メディアを確認できれば、さらに細かな分析を行えるのでぜひ活用しましょう。
まとめ
Googleアナリティクスにおける「Referral」とは、他のサイトに貼られたリンクなどからの流入を意味します。
Referralやその他の流入チャネルを確認すれば、施策の効果測定やサイトの課題などを分析できるので、次に行うべき対策が考えられます。
また、「参照元/メディア」では具体的な流入元のサイトや検索エンジンを把握できるので、さらに細かな分析が可能です。
ただし、サイトの分析に慣れていないと、どの指標を見ればいいか分からなかったり、間違えた分析をしたりしてしまいます。サイトの改善方法に悩んでいるのであれば、専門家への依頼も検討しましょう。
株式会社ヒトノテでは豊富なノウハウをもとに、課題に合わせたオーダーメイドの施策を提案します。まずは、お問い合わせフォームなどからお気軽にご連絡ください。
執筆者:川口享晟
株式会社ヒトノテのSEOコンサルタント。メディアサイトからポータルサイト、ECサイトまで様々なサイトのSEO支援を経験。売上のアップから逆算したSEO対策を得意とし、クライアントに寄り添ったオーダーメイドの提案を心がけています。
監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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