WEBサイト改善・分析方法を徹底解説!実際の課題例も紹介
この記事にたどり着いたあなたは、「サイトのアクセス数が伸びない、売り上げやお問い合わせに繋がらない」など、何かしらのサイト改善の必要性を感じていることでしょう。
サイト改善には、
「現状分析」 ⇒ 「目的設定」 ⇒ 「施策実行」 ⇒ 「効果検証」
の大きく4つの段階に分けられるサイクルをまわすことが必要になります。
本記事では、具体的な方法・施策を4ステップで解説したのち、実際に起こりうる7つの課題の対処法まで詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
Step⒈WEBサイト改善の目的と対象サイトの現状を分析して課題を洗い出す
サイト改善は、主に2つの目的で実施されます。
- 流入数の改善…サイトへ訪れる人を増やす
- CVRの改善…ユーザーに目標を達成してもらう
はじめのステップとして、「対象サイトの現状を分析し、課題を洗い出す」という作業が要になるので、まずは有効な分析手段や手順について詳しくみていきましょう。
今回の記事では扱いませんが、下記のようなサイトのリニューアル(改善)も存在します。
- ブランディング目的
- CSR活動をHPで打ち出す目的
この場合は、特定ページの閲覧などを目標(CV)に設定してサイト改善の戦略を思考していきましょう。
①まずは「流入数」に着目する
サイト改善を効果的に行うには、サイトへの流入に着目しましょう。サイト改善は基本的に、流入数が多いページに対策した方が、その効果は大きくなります。逆に、流入が小さいページの場合はそこに「大きな伸びしろ」がある可能性があります。
まずは各ページの流入数の把握から行いましょう。
流入が多いページ、少ないページを調べる:Googleアナリティクス
まずは現状を把握するため、外部からの流入が多いページ、少ないページを確認しましょう。ここではGoogleアナリティクスを使った方法を紹介します。
Googleアナリティクスは、Googleが無料提供する最も有名なアクセス解析ツールの1つです。
① 左のメニューから、「集客」>「すべてのトラフィック」>「チャネル」と選択 |
この手順を踏むと、ページごとの流入数を調べることができるので、どのページにどのくらいのユーザーが流入しているのか、その詳細を確認することができます。
さらに、「ユーザー」・「セッション」などをクリックすることで並び替えもできるため、流入先が多いページ・少ないページを簡単に確認できます。また、ユーザーの流入後の行動も確認できるため、
- 直帰率
- ページ/セッション
- 平均セッション時間
から、流入したユーザーがサイト内を回遊しているか、それとも直帰しているかもあわせて確認するようにしましょう。
サイトへの流入数が多くとも大半が離脱している場合は、そのページはサイトの目標への貢献度は低いという事になります。さらには、直帰して検索エンジンに戻ってしまっている場合、検索エンジンに「見る価値のない低品質ページ」と判断され、検索順位が低下する恐れがあります。SEOの評価にもコンバージョンにも直結するため、そういったページは早急な対処が必要になります。
Google Analyticsで流入数の多いページ・少ないページを確認する場合は、以下の項目に注意しましょう。
流入数の多いページ
・流入したユーザーが直帰していないか、回遊しているか
… 流入したユーザーが無駄になっていないかどうか
・流入したユーザーがコンバージョンしているか
… コンバージョンポイントまでの導線に問題がある可能性
流入数の少ないページ
・流入したユーザーはコンバージョンしているか
… コンバージョンしているなら、流入を改善できれば、大きな売り上げ効果が期待できる
・流入しているキーワードは何か
… 後述のSEO順位と照らし合わせ、伸びしろがありそうかを確認
以上のポイントは、後ほど改善案を検討する際の重要なヒントとなりますので、しっかりとチェックするようにしましょう。「Googleアナリティクスの使い方」については、以下の記事で詳しく紹介しています。
SEOキーワードの伸びしろを調べる:Googleサーチコンソール・GRCなど
現在の検索結果ページにおける順位を知ることで、SEOキーワードの伸びしろを確認することができます。ここでは特に有名な2つのツールを紹介します。
◆ Googleサーチコンソール
Googleサーチコンソールは、Googleが提供するSEO解析ツールです。SEOキーワードの順位を知るためには「検索パフォーマンス」機能を使用しましょう。
① 左のメニューから「検索パフォーマンス」を選択 |
この手順によって、対象SEOキーワードにおける下記を確認できます。
- 表示回数
- クリック数
- 平均CTR
- 平均順位
例えば、流入を獲得できているキーワードが10位以下である場合や、1位に到達できていない場合、対策を行うことでさらに流入を伸ばせる「伸びしろ」があると期待できるでしょう。
Googleサーチコンソールの導入法や活用ポイント、機能全体の使い方などについては、以下の記事で詳細に解説しているので、あわせてご覧ください。
なお、GoogleサーチコンソールではGoogle検索でのリアルな結果を詳細に知ることができる反面、以下の点で注意が必要です。
・ SearchConsoleで表示されるデータは数日前のもので、最新のデータは表示されない
・ 検索規模が非常に小さなキーワードは表示されない
特に新たなSEOキーワードの対策の際にはやりづらいところもあるでしょう。その場合は、後述の「GRC」を検討してみて下さい。
◆ SEOツールラボ「GRC」
SEOツールラボの提供する「GRC」は、指定するキーワードに対する現在の検索結果順位をリアルタイムにチェックすることができるツールです。有償ツールですが、無料版でも10キーワードまでは追跡できるため、まずは無料版で試してみましょう。
順位を知るためには、以下の手順で行います。
① 「検索語」に自社サイトのSEOキーワードを入力する(無料版では10個まで) |
順位の推移が右肩上がりになっている場合は、今後流入数を増やせる確度が高いと考えられます。また、急な順位変動が発生した場合に発見しやすいため、流入数減少に対して素早い対策が可能です。
なお、Googleサーチコンソールとの大きな違いは以下のポイントです。
- 検索順位をリアルタイムで計測できる
- 過去の検索順位を推移として確認できるため、動向が読みやすい
- 施策を実施したタイミングでメモを残すことで、順位に関する効果検証が視覚的に見やすい
- 実際の表示回数や流入数は確認できない
必要に応じてGRCとGoogleサーチコンソールのどちらを使用するかを選ぶ、または併用することをお勧めいたします。GRCについては以下の記事でも紹介しています。その他のツールもあるため、ぜひご覧ください。
その他、狙いたいキーワードを調べる:競合分析・Ubersuggestなど
◆ 競合分析
同じSEOキーワードをターゲットとしているサイトを分析することで、新たな戦略やターゲットキーワードを抽出することが可能です。競合分析は、以下のような手順で行いましょう。
① SEOキーワードで自社よりも上位の競合サイトをチェックする |
SEOは様々なキーワードでの評価が相互に影響するので、自社と競合するキーワードだけでなく多角的に分析を行いましょう。新たに対策が必要なキーワードを抽出し、また競合サイトよりも品質の高いページを構築していくことが重要です。
上記の方法は手作業で行うと非常にコストがかかります。適宜、以下の記事に紹介している競合サイト分析ツールを使用して、業務を効率化しましょう。
◆ Ubersuggest
Usersuggestは、指定したキーワードに関連するキーワード(サジェストキーワード)を一括で取得できる無料ツールです(無料版では1日3回まで)。
使用方法は「攻略したいSEOキーワードを入力するだけ」と非常にシンプルですが、下記の要素などを同時に判定してくれるため、キーワード戦略において重宝するツールです。
各サジェストキーワードに対する | ユーザーが検索している回数・検索需要。 |
CPC | 広告出稿時の1クリックあたりの広告費。Cost Per Click。 |
SEO難易度 | 当該キーワードにて上位を獲得する難しさ。0~100であらわされる。 上位のサイトの被リンク数などから算出。 |
抽出されたサジェストキーワードから、自社のビジネスに関連し、かつ、SEO難易度の比較的低いものを選んでいきましょう。
難易度の高いキーワードは、上位サイトの被リンク数が多いなど「SEO攻略に不利な状況」が考えられ、上位獲得までに時間が掛かるか、そもそも上位が獲得できない可能性が大きいです。勝率の低い難敵に挑むよりも、まずは確実に上位をとれるキーワードから着手するようにしましょう。
狙いたいキーワードで上位を獲得するには、関連するその他のキーワードでの上位獲得が不可欠です。
検索エンジンの評価はサイト全体の専門性も影響するため、ひとつのキーワードにのみ詳しいサイトよりも、関連する話題に精通し豊富な知識量をもつサイトの方が「ユーザーにとってより有益な情報を持っている」と考えられます。
例えば「SEO」での関連するキーワードとしては以下のような例が挙げられます。
- SEOを含む複合ワード(SEOとは、SEO内部対策、SEO方法)
- SEOの共起語(コンテンツマーケティング、Google検索、アルゴリズム)
CPCの高いキーワードは、すでに競合サイトが多数参入している可能性があります。SEO難易度が高いキーワードは、競合サイトが本格的なSEOを行っていると推測できるでしょう。
②CVRが十分か調べる
流入数を把握したら、次はCVRをチェックしていきましょう。CVRとは流入したユーザーがコンバージョンに至った成果率のことを指します。
CVRが高いページ、低いページを調べる:Googleアナリティクス
獲得したユーザーがコンバージョンに至っているかどうかは、Googleアナリティクスの「目標」機能を使うことで簡単にチェックできます。
「CVRの高いページ」・「低いページ」を抽出可能です。まずはAnalyticsに「目標」を設定しましょう。以下の方法で設定を行ってください。
Google Analyticsのメニューから「管理」をクリックし、設定したいサイトの「ビュー」を選択し、「新しい目標」をクリック。案内に沿って情報を埋めていきます。 ① 目標設定 |
「目標」を設定していれば、以下の方法でページごとの目標達成状況をチェックすることができます。
- 「集客」メニューから「すべてのトラフィック」を選択
- プライマリディメンションを変更:「その他」>「ランディングページ」を選択
完了したら、ページごとの「CVR(コンバージョン率)」や「コンバージョン数(目標の完了数)」を確認しましょう。「コンバージョン率」で並び替えると影響度の大小が混在し見づらいため、コンバージョン数降順に並べてから、CVRの高いページ・低いページをチェックすることがおすすめです。
CVRが低いページの要因を分析する:Googleアナリティクス・ヒートマップ・ユーザビリティテスト
CVRが低いページを特定できたら、その原因を探ってみましょう。Googleアナリティクスの他、ヒートマップやユーザビリティテストを適宜導入することで、正確な分析が可能になります。
◆ Googleアナリティクス
Googleアナリティクスの数値からCVRが低い原因を推測することができます。
例えば以下のような例が考えられます。
- 直帰率が高く、流入したユーザーが直帰している。ユーザーが次のページに進んでいない。
- 流入後のサイト内導線に問題があり、コンバージョンポイント前でユーザーが離脱している。
原因によって確認方法は変わってきますが、ここではCVRの低いページの直帰率や離脱率を確認・比較してみましょう。他のページに比べ直帰率や離脱率が悪ければ、それがCVR低下の原因だと推測できます。
もしこれらの数値が悪くない場合は、外的要因(季節指数や競合他社の存在)も検討してみましょう。
- 直帰率を確認する方法
① 「集客」メニューから、「すべてのトラフィック」>「チャネル」を選択 |
- 離脱率を確認する方法
「行動」メニューから、「サイトコンテンツ」>「すべてのページ」を選択 |
◆ ヒートマップツール
「ヒートマップツール」とは、
- サイト内のページ全体でユーザーがどこに注目しているのか
- ページ内のどのコンテンツや画像が見られているのか
などを把握できるツールです。
ユーザーのページ上の細かな行動を色で確認できることから、解析に慣れていない担当者でも時間をかけずにページ内の課題を分析することができます。
特に、PV数がある程度獲得できているにも関わらず平均滞在時間が短い、CVRが思うように上がらないといった課題がある場合にはヒートマップが力を発揮します。
Google Analyticsではページ内でユーザーがどんな行動を行ったか、具体的に知ることができません。例えば、直帰したユーザーが「ファーストビューで直帰した」のか「ページの最後のコンテンツまで読んでから直帰した」のかでは対策する内容が大きく違ってくるでしょう。
他にも以下のようなケースでヒートマップの分析を使用します。
- 直帰率や離脱率が高いが、原因が分からない場合
ヒートマップを使って、「次のページへのリンクが表示されているか、クリックされているか」をチェックしましょう。コンテンツや文章が長すぎるか、サイトレイアウトが分かり辛いせいでリンク(コンバージョンへの導線)が見逃されてしまっている可能性もあります。
- 平均ページ滞在時間が短い場合
ページの滞在時間が短いということは、ユーザーが目的を達成して直帰したか、迷って離脱したかのどちらかであると考えられます。ユーザーが実際にどこまでスクロールしているか、ヒートマップで確認しましょう。
代表的なヒートマップツールの中でも特におすすめなものをご紹介します。
ツール名 | 特徴 |
mouseflow | 月額2,632円から使える本格的なヒートマップツールです。 ユーザーのセッション単位の追跡からクリック位置、スクロール位置など高機能なヒートマップが提供され、ユーザーの行動を多角的に分析することができます。各プランはセッション単位の制限のため、PV数を気にせずじっくり解析をすることができるでしょう。 「ファネル(導入からコンバージョンまでの導線)分析」や「EFO」などの本格的な分析と改善が可能です。 |
Ptengine | 無料試用ができるヒートマップツール。3,000PV以内なら無料から利用できます。 各プランともPV数制限があるので、LPや特定のページなど、局所的な解析・改善行動に適しているでしょう。クラウド式のツールのためコード不要で実装でき、初心者のエントリーモデルにも向いています。 |
◆ ユーザビリティテスト
ユーザビリティテストは、実際のユーザーにサイトを操作してもらって「使いやすさの検証」「サイト内の課題を抽出」する方法です。
被験者の画面操作を見て迷っているポイントなどを発見したり、目標を達成させた後に被験者へインタビューを行ったりすることで、分析ツールでは見えなかった課題が見えてきます。
実施の際には、下記の3点を決めることが重要です。
- 検証したいユーザー像
- 利用状況
- サイトの中で達成させる目標
設定したユーザー像に合致する被験者をアサインし、その方にサイトを使って何をしてほしいのか(目標)を説明したうえで、実際にサイトを操作してもらいましょう。
最近ではオンラインツールも登場し、手軽にユーザビリティテストを実施できるようになりました。ユーザーテストの委託と高品質レポートを得ることができる外部テストサービス「UIScope」なら、テスト実施の段取りが不要で効果的に問題を抽出できます。
UIScope |
オンライン(リモート)でユーザーテストを依頼できるサービス。 依頼したテスト結果・レポートが報告されるだけでなく、ユーザーが操作する実際の映像・操作する指の動きや、ユーザーの「声」までが動画としてレポートされます。
など、様々なタイミングで利用可能です。
特に上記のような限定的な状況での問題が発生している場合は非常に有効といえるでしょう。 |
Step⒉現状分析で明らかになった課題に対して、施策のKPIを設定する
KPIとは
KPIとは、Key performance Indicatorの略で「重要評価指標(重要業績評価指標)」という意味です。最終的な目標数値であるKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)を達成するためのプロセスにおける中間指標として設定します。
施策の優先順位は「その対策によって得られる効果」の影響度の大きさで判断しましょう。
例えば以下のような例が挙げられます。
- 成果地点に近いページ
- 直帰率や離脱率の大きいページ
- 導入数やアクセス数の多いページ
最終目的を「CV数」や「CVR」に設定している場合は、成果地点に近いページの課題を優先して対策すると、CV数を伸ばすことが可能です。また、直帰率や離脱率を改善すれば、今までサイト外に離脱していたユーザーにサイト内を巡回してもらえるようになり、その分CVの実数が大きくなることが期待できます。
しかし、CVポイントに近くともアクセス数の少ないページや、離脱数が高くともそのページに到達するユーザー数が多くなければ、改善効率はさほど高くはなりません。そういった場合は、アクセス数の多いページから対応すると良いでしょう。
KPIについての詳細記事はこちら
WEBマーケティングにおけるKPI・KGIの設定から、それらを達成するための手法までを一挙に解説!
KPIの設定例
サイト改善のKGIは、基本的に「売り上げ」や「問い合わせ数」の増加を目的として指標を設定する場合が多いです。そして、上記のKGIから1段階落として考えると、下記の目的でKPIの指標を設定する場合が多くなります。
- セッション数を増やす
- CVRを上げる
KPIで設定した「セッション数」「CVR」の観点で詳しくみていきましょう。
「セッション数を増やす」ための施策
最初にセッション数を増やす施策について、3つの方法をご紹介します。
KWの順位を上げてSEOを強化する
セッション数を増やすためにはSEOによる流入の強化が非常に有効です。
Step1で行った分析をヒントに、SEOを強化しましょう。原理的には、検索エンジンでの順位が上位になれば、それに比例して獲得できるセッション数を飛躍的に上げることができます。
取れるキーワードの数を増やす
キーワードの順位を上げるためには、調査により判明した伸びしろのあるキーワードについて、ターゲットページに対策を行います。また後述するような関連キーワードのコンテンツを増やすことも非常に重要です。
加えて、検索エンジンから流入獲得できるキーワードを増やすためには下記の改善が効果的でしょう。
- 対策ページのトピック(話題)を増やす
- 新規コンテンツを増やす
こちらも同じくStep1のサジェストキーワードから抽出した関連キーワードや、競合サイトのコンテンツからキーワードを抽出することも可能です。
リピート率を上げる
そして、新規ユーザーのセッション数とリピーターのセッション数において「リピーター」が重要になることもあるということも覚えておきましょう。
セッション数を1人あたりのユーザーの重みでみたとき、リピーターの割合が高くなっているのならば、リピート率を上げるための施策を練ることで更なるセッション数を獲得することができます。
例えば、
- WEBサイトへの訪問や商品購入に連動して溜まるポイント機能の導入
- その人の行動履歴に応じた商品・コンテンツの提案
といった施策でリピートしたくなる環境を整えましょう。適切に実施されれば、下記で説明するCVR改善に結びつく可能性も高まります。
SEOを強化するためには、上記に挙げた例以外にも
- 内部リンクの強化
- titleタグの改善
- ページスピードの高速化
など多岐にわたります。これらは専門的な知識や経験を必要とする場合も多く、また自社内で行うには多大なコストを伴うので、これからSEOの対策を行おうとする方は、まず専門家に詳しいコンサルティングを受けるか、制作会社へ相談し専門家のアドバイスを得ることをお勧めします。
「CVRを上げる」ための施策
次に、コンバージョンレートを上げる施策についてみていきましょう。
直帰率が高い場合
ユーザーが求めている情報がない可能性が考えられるため、「流入するキーワード」と「ページのコンテンツ」がマッチしているかを再検討する必要があります。
さらに、下記の要素なども合わせて確認することで、問題があれば改善を実施できるようにしましょう。
- 競合他社とは違う独自性の高いコンテンツであるか
- サイト内のコンテンツは見やすいか
- ページ速度など快適に利用できるコンテンツか
滞在時間が短い場合
コンテンツ量や話題の豊富さが不十分かもしれません。
特定のページだけに情報を追加していくのではなく、関連する話題・もっと詳しい専門知識などの「関連コンテンツ」の掲載、「内部リンク」を設置するのも有効です。ユーザーが興味のある話題やコンテンツを豊富に準備できれば、滞在時間も伸び、コンバージョンの改善にもつながります。
「セッション数を増やす」ことと「CVRを上げる」ことのどちらを優先的に取り組んでいくかを判断したうえで、具体的な改善施策を考えていくと良いでしょう。
Step⒊WEBサイト改善に向けて、7つの課題の対処方法を理解し、パフォーマンス向上へ導く
ここからは、実際に起こりうる課題例から具体的な改善ポイントを押さえて、「実際のサイト改善の流れ」をつかんでいきましょう。
①ページの表示速度が遅い
ページの表示速度が極端に遅い場合、読み込みが遅くユーザーを不快にさせてしまい、コンテンツの内容が優れていてもユーザーが離脱する原因になってしまいます。さらに、離脱率が高く平均滞在時間が短くなってしまうと「ユーザーが満足できるWEBサイトじゃない」と検索エンジン判断され、評価が下がる可能性があるため非常に悪循環です。
ページの表示速度改善は「ページスピードインサイト(Page Speed Insights)」を用いて診断を実施し、改善必要と判断された項目を中心に改善を行なっていきましょう。
例えば、施策の1つとして「画像ファイルサイズの最適化」が挙げられます。
画像のファイルサイズを圧縮せずWEBサイトに掲載している場合は、画像編集ソフトや無料利用できるサイトを使ってWEBサイト内の画像を圧縮して負荷を軽減させていきましょう。詳しくは次の記事をご覧ください。
②アクセス数が少ない
現状把握の時点でWEBサイトにアクセスするユーザーが少ない場合、「コンテンツの内容がユーザーのニーズを満たしていない」ということが考えられます。さらに、平均滞在時間が短い、直帰率が高いという状況では、コンテンツの内容が不十分である可能性が大きいです。
先ほどのロールケーキを販売するWEBサイトで例に出すとすれば、ロールケーキの説明をするページを作りこむだけでなく、
- お客様の感想をまとめたページの追加
- 使用する卵や牛乳の産地を説明するコンテンツの追加
など、ユーザーが満足するコンテンツを追求することで改善していくことができるでしょう。
③CVR・滞在時間をアップさせたい
CVRや平均滞在時間をアップさせるには、「内部リンクの効果的な設置」が有効です。
内部リンクとはWEBサイト内のページ同士を繋ぐリンクなので、WEBサイト内に用意したコンテンツをユーザーに見てもらいやすくするための導線を作ることができます。
しかし、内部リンクをただ貼ればいいのではなく、コンテンツの内容に適したリンクを見た目や読みやすさを考慮した上で適所に貼っていくことがポイントです。
④直帰率が高い
直帰率が高い場合や、ヒートマップツールを使った際に明らかにユーザーがページ内を迷っている形跡がある場合は「ページデザインの改善」を検討しましょう。
WEBサイトの対象としているターゲットやペルソナの属性に合わせて、購入ボタンや商品説明、画像をわかりやすく配置することが大切です。
例えば、スマホ操作に慣れていないご高齢の世代をターゲットとするWEBサイトなら、
- 情報を厳選し商品購入ボタンを大きめにわかりやすく設置する
- 文字を大き目に設定する
など、ユーザーが使いにくいと感じる部分を減らす工夫が必要です。
また、MFI(モバイルファーストインデックス)に向けた「レスポンシブ対応」はおすみでしょうか?
MFIは、モバイルユーザーの満足度を上げるために実施された新たな施策です。もしおすみでない場合は、モバイル端末とPCで見た目が大きく異なるという不具合が起こるだけでなく、検索エンジンからの評価が下がる可能性が高いため早急な対応が求められます。以下必読です。
⑤回遊されているもののCVRが上がらない
WEBサイト全体の平均滞在時間や離脱率から、ユーザーがWEBサイト内を回遊している様子があるにもかかわらずCVRが上がらないという場合には、「ユーザーがCVに至るまでの導線が整っていない」可能性があります。
商品購入ページやお問い合わせフォームはWEBサイトのゴールにあたるため、このゴールまで導線を改善することでCVR向上の可能性を高めることにつながるでしょう。
具体的な改善方法として、以下の施策を挙げることができます。
- 内部リンクの改善
- コンテンツの追加
例えば、商品の予備知識など購入とは少し離れたテーマで集客があったとします。
この場合、すぐに商品購入ページへ繋げる内部リンクを設置するよりも、近いテーマ同士をゆるやかにリンクで繋ぎながらユーザーを商品購入ページへ導くように設置していく方が効果的です。リンクを辿るごとにユーザーの興味関心も高まっていき、CVに結びつけやすくなるでしょう。
⑥アクションはあるもののCVRに繋がらない
商品購入ページやお問い合わせフォームへのアクセスが一定数ありながらCVRが低い場合は、「フォーム項目の見直し」を検討しましょう。
- 何度もエラーが出る
- 入力項目が多すぎる
- フォームがわかりにくい
といった不快感をユーザーに与えてしまわないように改善策を立てていくことがポイントです。
具体的な対策として、以下のような対応が求められます。
- 必須の入力項目の表示
- 任意の表示
- 全角半角の自動切換え
- エラーチェックの即時表示
さらに、
- お問い合わせ、購入後の返信や対応にどの程度時間がかかるのか
- 連絡がない場合の対応
などユーザー目線の丁寧な記載を心がけることで、満足度やCVRの向上に繋がっていきます。
⑦購入ページやお問い合わせフォームへ繋がらない
購入ページやお問い合わせなどのフォームへ繋がらないという場合は、「CTAボタンの見直し」を検討します。
CTAボタンとは、「購入する」「資料を請求する」など購入ページやお問い合わせフォームへユーザーを導くためにクリックを促すボタンのことです。
ボタンの名称が分かりにくいと押しづらくなってしまうので、
- 誰でも分かりやすい言葉
- ユーザーにとってクリックしやすい言葉
などに工夫にしていきましょう。
また、ボタンの数は多すぎるとユーザーに不快感を与える可能性があるため、アクセス分析ツールで効果を検証しながら設置することも重要なポイントです。
Step⒋WEBサイト改善で成果を上げるために、効果検証を繰り返し実施する
ここまでで、(Step1)現状把握から(Step2)具体的な立案方法、(Step3)課題の改善方法まで詳しく紹介してきました。
数値に基づき対策が必要なページを抽出し、KGIやKPIを正しく設定すれば、非常に精度の高い施策案が立案できます。この流れで仕上がった施策について、正しく優先度をつけて高い優先度の改善施策から順に実施していきましょう。
それぞれの施策は、その施策で得られた目標設定(KPI)がどのように変化していったかを丁寧に追跡することがポイントです。
というのも、「WEB施策」というのは定量的な数値で測りやすいというメリットがある反面、下記のようなデメリットも存在しています。
- 顔合わせというものがないため、1人ひとりのユーザーの動きが見えづらい
- 対象となるユーザー規模が実店舗などオフライン施策に比べ非常に大きいため、全容を把握しづらい
つまり、「想定と実状がずれる場合」や「気づけない要因が存在する」可能性があり、仮説どおりの実績につながるとは限らないのです。
WEB施策を上手く運用するには、PDCAサイクルに沿って運用することが不可欠。計画(Plan)を実施(Do)するだけで終わるのではなく、数値がどのように変化しているのかを追跡確認(Check)し、問題が浮上し改善が必要な場合はさらなる対策(Action)を行います。
施策実施後に丁寧に振り返り、「施策の軌道修正」または「次の施策へフィードバック」することが大切です。
このように、PDCAサイクルを循環させつつ計画の精度をたかめることで、WEB施策実施時の「想定と実状の乖離」を可能な限り抑えることができるでしょう。
WEB制作の効率化をお手伝い。サポートのご相談は“ヒトノテ”まで
WEBコンテンツは「継続」が要だからこそ、ボリュームが出てくると1つひとつの品質管理や定期的なサイト改善に業務を割けなくなっていくものです。ついつい新規コンテンツばかりに重心がいき、既存のものが放置されて秘められた可能性をつぶしてしまうことも考えられます。
さらに、検索順位やユーザーの動向は日々変化を繰り返しており、WEBサイトの改善は1度行えば終わりということはありません。継続的に現状把握・分析・改善検証を行っていくことで着実に集客へ結びつき、そしてCVR率の高いWEBサイトに改善することができるのです。
WEBコンテンツを効率的かつ効果的に制作・運営していくために、ぜひヒトノテにお手伝いさせてください。
ヒトノテでは、SEOとCVR改善の専門的な知識と経験をもとにデータ分析を実施し、サイト改善を継続的に行っていくことができます。WEBサイトで成果を上げたいという方は、弊社の無料相談で1度お話しましょう。
執筆者:ヒトノート編集部
株式会社ヒトノテのオウンドメディア、WEBマーケティングの学習帳「ヒトノート -Hito note-」の編集部。
監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。
エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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