コンテンツマーケティングを成功させる効果的なキーワード選定とは
良質なコンテンツを作成することはコンテンツマーケティングにおいて重要なことです。しかし、それを見てもらわなければ意味がありません。そこで重要になるのが、適切なキーワードを選定し、検索結果で上位表示させることです。
では、キーワードの選定を具体的に見ていきましょう。自社のサービスや商品に関連するキーワードや、顕在層と潜在層向けのキーワードを選定することが重要です。さらに、関連キーワードや検索ボリュームも考慮し、効果的なキーワード戦略を構築する必要があります。これによって、ターゲットユーザーの検索意図にマッチしたコンテンツを提供し、効果的なユーザー取り込みを実現できます。
本記事で具体的に解説します。
コンテンツマーケティングは、ユーザーにとって価値あるコンテンツを提供し、そのユーザーを見込み客に育成し、エンゲージメントを高めていくマーケティング手法です。つまりは、検索して流入してきたユーザーを自社の顧客として育てていくということです。そのため、ユーザーが求めている情報を網羅しながらも、検索キーワードをしっかりと対策することが重要です。
ここでは、コンテンツマーケティングを成功させるためのキーワード選定において意識すべきポイントと、具体的なキーワード選定方法やツールなどについてご説明します。
この記事の目次
SEOキーワード攻略でユーザーを取り込むことが重要
ユーザーにとって有用なコンテンツを提供することが重要ですが、どんなに良いコンテンツを作っても、それを見てくれるユーザーがいないと意味がありません。SEOで、ターゲットユーザーが検索するキーワードを選定し、そのキーワードで上位表示させることが、コンテンツマーケティングでは重要です。
キーワード選定のための手法
それでは、コンテンツマーケティングのキーワードを考える際の方法をいくつかご紹介します。
①キーワードを書き出す
まずは、自社サービスや商品に関連するキーワードや連想されるキーワードを書き出してみましょう。
例えば、宿泊予約サイトなら、「京都」「旅館」「安い」などがあたります。宿泊予約サービスを利用しようとしているユーザーを自社サイトに流入させるために、自社のサービスや商品を関連付けるキーワードを思いつく限り挙げてみましょう。
しかし、キーワードは、個人の頭の中だけで考えるには限界がありますので、後述するキーワード選定のツールも利用しながら進めていきます。
②潜在層と顕在層のキーワードを選定する
次にキーワードを「顕在層向け」と「潜在層向け」に分類します。これはユーザーの態度変容、つまりユーザーが自社のサービスや商品を使うようになることを目標にキーワードを選定する方法です。
潜在層は、今すぐには目的にたどり着かないものの、いずれたどり着く可能性のある検索ユーザーです。まだ自社の商品を知らなかったり、特に注目していなかったりするものの、自社の商品で解決できそうな問題を抱えている人などが潜在層にあたります。このようなユーザーに向けては、商品が解決できる悩みや課題にまつわるキーワードが有効です。
たとえば化粧下地クリームを買ってくれる可能性がある層として、「午後になると化粧が崩れてしまうのをなんとかしたい」という悩みを持っている人を考えてみましょう。
化粧崩れに悩んでいるからと言って、最初に下地クリームを検索するとは限りません。「化粧崩れ 原因」「化粧 崩れない 方法」など、まずは原因や崩れにくくするメイク方法を調べてみたり、ファンデーションに原因を求めて「ファンデーション 崩れにくい」などと検索してみたりするかもしれません。
顕在層とは、すでに商品・サービスを認知していて購買を検討している段階の検索ユーザーです。
先ほどの化粧下地クリームの例で言えば、すでに「化粧崩れの改善のために下地クリームを変えてみようかな?」と考えている人などが顕在層にあたります。
このようなユーザーが検索するキーワードとしては、「下地クリーム おすすめ」「下地クリーム 比較」「崩れない 下地クリーム ランキング」などが考えられます。
コンテンツマーケティングでは、潜在層にも顕在層にもアプローチすることができますが、潜在層と顕在層では当然、検索で探す情報が異なります。
つまり、潜在層と顕在層で、狙うべきキーワードや選定方法も変わってくるということを意識しておきましょう。
③関連キーワードを選ぶ
続いて、関連キーワードについても考える必要があります。関連キーワードとは、検索エンジンの画面の下部に表示されるキーワード一覧です。
Googleでは、画面下部に「〇〇に関連する検索キーワード」として表示されています。
これは、他のユーザーも含め、過去に検索窓に入力された回数の多いもの(検索クエリ)や関連サイトを参考に、常に検索ボリュームの大きいキーワードが表示されています。そのため、あなた(ユーザー)がキーワードを検索した位置情報やデバイス、検索トレンドに左右されることはありません。
関連キーワードとよく混同されやすい、サジェストキーワードとの違いも押さえておきましょう。
サジェストキーワードは上図のように、検索窓に文字を入力した時に予測変換のように表示される、その文字と関連性が強いキーワードのことです。サジェストキーワードは、ユーザーが過去に入力した言葉や検索したキーワードと関連性の強い文字列を自動的に表示します。表示されるサジェストキーワードは、他のユーザーが過去に入力した言葉や検索キーワードのデータも含んでいます。さらにサジェストキーワードは、入力された文字の言語や時間も考慮して表示しています。その時期に流行っている言葉(トレンドワード)もサジェストキーワードとして表示されます。
また、ほんの少し言い回しが違うだけでも、そのサイトがユーザーに見られる回数が変わります。
検索するキーワード(言い回し)によって、検索ボリュームが変わるためです。検索ボリュームは、キーワードがGoogleなどの検索エンジン内で検索される回数のことを言います。例えば「崩れにくい 化粧下地」の検索ボリュームは90回/月ですが、「崩れない 化粧下地」は260回/月です。(https://neilpatel.com/jp/ubersuggest/)
つまり、後者のキーワードで検索しているユーザーの方が多いということです。検索ボリュームは多ければ多いほど上位表示された際に、ユーザー流入の可能性が増しますが、検索ボリュームが多くなるほど、ライバルも多くなる傾向にあるので、その点を留意しておく必要があります。
キーワード選定で初心者がつまずきやすい疑問を解説!
ここでは、コンテンツマーケティングのキーワード選定で、初心者がつまずきやすい疑問について解説していきます。
検索ボリュームが小さいKWは狙っても意味はないの?
「キーワード選定のステップ」では、検索ボリュームについてご紹介しました。一般的に検索ボリュームが大きいほど、そのキーワードで検索するユーザーも増えます。しかし、初心者が難易度の高いビッグワードを狙っても、ドメインパワーの強いサイトなど、競合他社に勝つことは難しい場合が多いです。
検索ボリュームが小さいKWの場合、ビッグキーワードよりユーザーに閲覧してもらえる機会も減るので、対策しても意味がないのでは?と考える人もいらっしゃいます。
しかし、複数のワードの組み合わせから構成される、検索ボリュームの小さいキーワードでも狙う意味はあります。なぜなら、検索ボリュームが小さくても成約に結びつきやすい(コンバージョンしやすい)キーワードもあるからです。
前述した下地クリームのキーワードを例にとりましょう。
「下地クリーム おすすめ 50代」というキーワードは、50代でおすすめの下地クリームを探しているユーザーが検索していると推測できるので、ターゲット性、ニーズ性が明確です。検索ボリュームが小さいキーワードでも、ニーズ性の高いキーワードを狙うことでコンバージョンを発生させることができます。反対に、検索ボリュームが大きくてもコンバージョンに繋がらないキーワードもあります。
そのため、検索ボリュームが小さくても成約に結びつく可能性があるかという観点から見るのも重要です。
キーワードは大文字と小文字、どっちがいいの?
キーワードが大文字か小文字かによって、SEOに及ぼす影響はありません。Google検索においては、ユーザーが多少間違ったキーワードで検索した場合や、大文字・小文字の区別をしないで検索した場合でも、検索結果は変わりないとしています。つまり、「BBC NEWS」でも、「bbc news」でもユーザーの検索結果は同じということです。
狙うキーワードは1URLにつき1つ?
1記事の中では、メインのトピックのみが述べられていることが望ましいです。Google*によると、コンテンツ最適化の方法として、「読者が求めているものを把握して提供する」ことが重要だとしています。そのために、1つのページに様々な異なるトピックを盛り込み、大量のテキストを載せることは避けるべきだとしています。
参照:https://support.google.com/WEBmasters/answer/7451184?hl=ja
コンテンツマーケティングのキーワード選定のツールをご紹介!
最後に、キーワード選定に便利なツールを5つご紹介します。これらのツールを駆使して、キーワード選定を効率よく進めましょう。
goodkeyword(グッドキーワード)
https://goodkeyword.net/
グッドキーワードは、キーワードを入力してサジェストキーワードを検索できる無料ツールです。Googleなど検索サイトの検索窓にキーワードを入力すると、そのキーワードと一緒に検索されることの多いキーワードが候補として表示されます。このキーワード候補のことを「サジェストキーワード」と呼びます。同様に「関連キーワード」というのも、そのキーワードと一緒に検索されることの多いキーワードのことを指します。サジェストキーワードは基本的に入力した文字に続いて入力されることの多いキーワードが候補として挙げられるのに対して、関連キーワードは入力した文字の前に来ることの多いワードも候補になるという違いがあります。Googleでは、検索結果の一覧の下に「〇〇に関連する検索キーワード」として一覧が表示されます。(2020年11月現在)ユーザーの求めるコンテンツを多く作成することで、多くの人に参照される可能性が高まります。
キーワードプランナー
https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/
Google広告の無料ツールです。関連キーワードと検索ボリュームを調査することができます。キーワードと検索ボリュームを同時に調べることができるため、便利なツールです。
Ubersuggest(ウーバーサジェスト)
https://neilpatel.com/jp/ubersuggest/
検索ボリュームチェックツールです。こちらは無料機能と有料機能がありますが、無料版だと制限が多いため、有料版がおすすめです。キーワードの検索ボリュームを調査することで、そのキーワードがどのくらいユーザーに検索されているかを調べることができます。キーワードの検索ボリュームが大きいほど、上位表示された際に、サイト訪問者数が増える可能性が高まります。同時に、そのキーワードの難易度や競合サイトなども調べることができます。
共起語検索ツール
https://neoinspire.net/cooccur/
こちらは、共起語を検索できる無料ツールです。共起語とは、任意のキーワードと一緒に使われる頻度の高いキーワードのことをいいます。共起語がサイト内に含まれていることで、そのサイトがどういう内容の記事なのかを検索エンジン側が判断しやすくなります。
(番外編)シークレットモード(シークレットウインドウ)
こちらは、GoogleChromeやSafariなどの検索エンジンに搭載されている「シークレットモード」という機能です。本記事のキーワード選定のステップの最後にご紹介した、「サイトが何位に表示されてるか」を簡易的にチェックする際に利用します。通常の検索モードでは、Cookie、閲覧時間、ページの履歴などの情報が残っているので、その人の志向に合った検索結果が表示されます。通常の検索モードとシークレットモードでは、検索結果の表示に違いがあるのは、上記の理由のためです。自社サイトが今現在何位に位置するのかを簡易的に調査する際には、シークレットモードを利用することをおすすめします。
まとめ
コンテンツマーケティングのキーワード選定にあたって留意しておきたいポイントと、具体的なキーワード選定方法、利用できるツールなどをご紹介しました。
コンテンツの制作にあたっては、まずはユーザーのセグメントを意識して、各セグメントのユーザーがどういった情報を必要としているかを把握するのが大切です。そのうえで、その情報にたどり着いてもらうためのキーワード選定をしっかりと行いましょう。
ユーザーの検索意図を的確にとらえたキーワード選定ができれば、検索で流入してきたユーザーに対して価値の高いコンテンツを提供することができるはずです。
執筆者:山本卓真
株式会社ヒトノテのSEOコンサルタント。中小企業から大企業まで様々な規模、業種のサイトのSEOに携わる。WEBマーケティングの広い知見と経験をもとにクライアントと伴走することが得意です。
監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。
エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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