ペルソナとは?ビジネスにおける意味や重要性、作成手順を解説!
ビジネスにおいて、売上増加や利益拡大を図るために、顧客ニーズを掴むことは重要です。また、そのためには、商品を利用する顧客を具体的に想定し、理解することから始めなければなりません。そんな時、用いられるのがペルソナというマーケティング手法です。
今回は、顧客ニーズを掴む際に重要となるペルソナについて、意味からビジネスにおける重要性、効果的な作成手順などを紹介していきます。ペルソナについて正しく理解することで、より効果的なペルソナを設定することができ、ビジネスの成功に近づくことは間違いないでしょう。
ペルソナについて詳しく知りたい方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
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この記事の目次
ペルソナとは?ターゲットとの違い
ペルソナとは、自社の商材やサービスを販売していく上で欠かせないマーケティング手法となります。
似通った言葉に「ターゲット」がありますが、、本質的な考え方はペルソナと異なります。まずはペルソナの意味とターゲットとの違いについて解説します。
ペルソナの意味
ペルソナとは人格を表すラテン語で、スイスの心理学者であるカール・グスタフ・ユングによって提唱された概念です。マーケティングの領域においては、このユングの概念をもとにサービス・商品の典型的なユーザー像のことを指す意味で使われています。
ペルソナは、一般的に自社の商材やサービスを利用する顧客像を具体的に可視化することを目的として用いられ、リアリティのあるマーケティングや広告・プロモーションにつなげやすくする効果をもたらします。そのため、ペルソナを設定する際には年齢や性別、居住地だけでなく、職業や役職、年収、家族構成、趣味、特技、価値観、ライフスタイルなど細かく設定する必要があります。
ターゲットとの違いはどこか?
ペルソナとターゲットは、似たような言葉であることから実際に混同している方も少なくありません。
ペルソナもターゲットもサービス・製品の対象者を決めるという点では同じ意味を持ちますが、ペルソナの方がターゲットよりも設定する顧客像が細かく、具体性が高い点が大きく異なります。
ネット環境やスマートフォンの普及、SNSの浸透などによって、顧客ニーズや価値観は多様化しつつあり、漠然としたターゲットでは正確な顧客像は想定しにくくなってきています。
単に年齢や性別、居住地だけでなく、価値観やライフスタイルまで落とし込んだペルソナとして細かく顧客像を分析することで、ターゲットよりも効果的なマーケティング施策につなげやすくなります。
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ビジネスにおいてペルソナがなぜ重要か
続いて、ビジネスにおいてペルソナがなぜ重要か紹介していきます。ペルソナ分析を行うことで、主に以下のようなビジネスシーンにおけるメリットが期待できます。
社内でイメージを統一できる
商品開発やサービス設計、マーケティング、広告・プロモーションに関わる担当者は多岐に渡ります。
これらの担当者が共通の顧客像をイメージしていなければ、認識のズレが生じ、効果的なアプローチにつなげることが困難になるでしょう。認識のズレは業務が進むにつれ改善が難しくなり、スケジュールの遅延やトラブルの原因にもなりかねません。
ペルソナによる顧客像の可視化・具現化は、このような社内での認識のズレを防ぎ、イメージを共有することが可能になります。その結果、適切なアプローチによる売上増加や利益拡大にもつなげることが期待できます。
製品・サービスの訴求力を高める
ペルソナによって具体的な顧客像が構築されていることで、自社の製品やサービスのコンセプトも明確化され、訴求力の向上やその後の改良などにも役立ちます。
例えば、40代男性で休日は家族でキャンプが趣味のペルソナ像に対して、20代女性向けの商材やサービスを訴求してもマッチせず効果にはつながりません。顧客イメージが明確化されていれば、ユーザーニーズを正確に把握することができるようになり、そこからより具体的且つ有効的な戦略を考えることができます。
商品開発やサービス設計だけでなく、マーケティングや広告・プロモーションを考える上でも効果的です。
時間・コストを削減できる
ペルソナによって顧客情報が明確化されていれば、時間やコストを大幅に削減することも可能になります。
顧客像のイメージが担当者内で統一されていることにより、プロジェクトの進行スピードが速くなり、開発やマーケティングにかかる時間も短縮することができます。
また、作業時間が短縮されることはコスト削減にもつながります。明確な顧客像・顧客層が正しく設定されておらず、プロジェクトの途中でやり直しになればスケジュールが遅れ、その分コストも膨れ上がります。このようなリスクを未然に防ぐ上でもペルソナの構築は有効です。
ペルソナの作成手順
続いて、ペルソナの作成手順について紹介していきます。ペルソナは主に以下の手順で作成していくと効果的です。
1.情報を集める
2.集めた情報を整理する
3.ペルソナを作成する
それぞれについてもう少し具体的に紹介していきます。
1.情報を集める
まずは、ペルソナの参考となる情報として、競合の製品や強みといった情報をはじめ、自社の強みや弱み、市場ニーズなども調査・分析しながら集めていきます。
その際には、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)に応じて分析する3C分析も考慮しておくと効果的です。
むやみやたらに情報収集するのではなく、自社の狙う戦略や獲得したい顧客、自社の強い部分などを絞り、取捨選択しながら必要な情報に狙いを定めながら収集していくことがポイントです。
2.集めた情報を整理する
次に、集めた情報を整理していきます。集めた情報は、年齢や性別などの詳細な部分に対し、傾向と分布などによって分類・分析しながら共通部分を探っていくと効果的です。
この際に、具体的な顧客像ではなく、顧客層を捉えながら整理していくことがポイントです。
この工程で細かく分類・分析した傾向や分布が、最終的なペルソナ像につながるため、顧客像をイメージしながら整理していくとよりスムーズなペルソナ作成が可能になるでしょう。
3.ペルソナを作成する
情報が整理されたら、それをペルソナに落とし込んでいきます。
具体化された情報に対し、リアリティを高めるためにより感情移入できるレベルまでストーリーを肉付けしていきます。
整理された情報に対してどのような情報が必要か箇条書きで簡単に説明していくと効果的です。その際に、一人で進めるのではなく、プロジェクトのメンバーなどと議論しながら作成していくと、共通認識を持ちやすくなります。
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ペルソナを作成する際の注意点
最後に、ペルソナ分析を行う上での注意点についても紹介していきます。
ペルソナは、ただ作ればいいという訳でなく、以下のポイントをふまえながら具体性を持たせて作成していくことが重要です。
身近な人物を設定する
ペルソナは、リアルな人物を想定しなければマーケティング戦略に活用することができません。
モデルや俳優など、一般的な層とはかけ離れた場合にはその後のアプローチが失敗に終わる可能性も高まります。自社の商材やサービスを理解した上で、リアリティを求めることが重要です。その上で、写真やイラスト、声のイメージなどより細かく設定しておくと効果的です。
理想や先入観を排除する
ペルソナを作成する際には、理想や先入観を排除することも重要です。
どうしても自社の売上増加や利益拡大を狙うと、ペルソナ像も自社にとって都合のいい解釈につなげやすくなりますが、このような要素はその後のアプローチにおいて失敗につながる可能性が高まります。
あくまでペルソナは、定量的かつ定性的なデータが重要であるため、理想や思い込みなどの主観的な要素は排除しましょう。口コミやアンケート、収集している顧客データなど現実のユーザー情報などを重要視することが求められます。
定期的に見直しをする
作成したペルソナ像は、一度で終わりという訳ではありません。
ペルソナは、自社の現時点におけるビジネスやマーケティングにおいて必要な人物像を具現化したものであり、定期的に見直さなければ市場の変化やユーザーニーズとのズレが生じてきます。
多様化する現代社会において、中長期的に活用できるペルソナ像はありません。上手く結果につながらない場合はもちろんのこと、よりリアルな顧客像に近づけるためにも、定期的にペルソナは見直しを行う必要があります。
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まとめ
ペルソナの設定は、商品開発やサービス設計、マーケティング、広告・プロモーションを行う上で欠かせないマーケティング手法となります。
多様化する市場において、事前にペルソナを構築しておくことで、その後のアプローチが大幅に効率化でき、売上増加や利益拡大にもつながりやすくなるでしょう。とはいえ、ペルソナはターゲットとは異なり、可能な限り細かく、且つ現実的で客観的な視点から作成していくことが重要です。
今回紹介した内容も参考に、自社にとって効果的なペルソナを作成しましょう。
また、株式会社ヒトノテでは、コンテンツマーケティングを行っております。コンテンツ制作や公開済記事の分析など、幅広くご支援しておりますので、お悩みや課題がありましたら、お問合わせください。
執筆者:矢田茉里衣
株式会社ヒトノテのコンテンツマーケティングチームのリーダー。どんなに素晴らしいコンテンツでも、上位に表示できなければユーザーの目に触れることはありません。ヒトノテでは「検索エンジンからもユーザーからも評価されるコンテンツを作る!」をモットーに、お客様の目標に合わせて最適なコンテンツを日々ご提案しています。
監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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