SEO 公開日: 2024.05.16 更新日: 2024.05.22

低品質ページをコントロールしよう!SEOの観点でのベストプラクティス

低品質ページKV

SEOを行っていると、色々と施策を行ってもアクセス数に伸び悩んだり、なぜか評価が下がったりといった問題に直面することがあるかもしれません。そんな時はもしかしたら”低品質ページ”がサイト全体に悪影響を及ぼしている可能性があります。

今回は低品質ページに焦点を当て、改善するためのベストプラクティスをお伝えします。Web担当者やコンテンツディレクターにとって、必読の内容です。

低品質ページってどんなページ?あるとどうなる?

「低品質ページ」とは、Googleから質が低いと評価されてしまっているページを指します。手を抜いて作ってしまったコンテンツや、内容が薄くユーザーの役に立たないページはGoogleからも評価を得られません。

クローラーには、1つのサイトに対してクロールできる上限である「クロールバジェット」があります。低品質コンテンツをクロールしてしまうと、高品質なコンテンツをクロールするリソースを妨げる可能性があり、検索エンジンに評価してもらえないことにつながります。
また、Googleは、新しい情報を優先する仕組みである「フレッシュネスアルゴリズム」を採用しており、低品質コンテンツによって新しいコンテンツのクロールが妨げられると、サイト全体の評価が落ちる恐れがあります。
低品質コンテンツを公開し続けていると、検索結果にコンテンツやサイトそのものが表示されない、といった事態にもつながります。低品質コンテンツを見つけたら早急な対応を心がけましょう。

このようなことから、低品質ページがあると即刻マイナスになるということはありませんが、サイトの中で低品質ページの割合が多いとサイト全体の評価が下がり、せっかく力を入れて作った高品質なページの評価が上がりきらない可能性があります。

低品質なページの具体例

低品質に該当するページは様々ありますが、弊社でよく目にする事例としては以下のような種類があります。

1.内容が薄いページ

タイトルに惹かれてクリックしてみたものの、読んでみたら文章量が少なく求めていた内容は書かれていなかった…という記事を目にした経験はありませんか?

また、コンテンツとして成立させるため一定量のテキストはあるものの、調べれば誰でもわかるような表面的な情報だけが記載されていたり、データに基づいた情報が不足し「何を根拠に?」と感じてしまうページに出会ったこともあるのではないでしょうか。
これらのページは、内容の薄いページに該当してしまいます。

2.自動生成されたテキストがメインのページ

chat GPTやBirdなどのAIチャットツールが浸透しつつある昨今ですが、記事のほとんどが自動生成されたページも低品質ページに該当します。

自動生成されたテキストは、他のサイトやページからの情報を単純に再編集したり、言い回しを調整しているだけのケースもあります。このような記事は「重複コンテンツ」とみなされ、Googleから評価を得られません。

3.複雑な条件掛け合わせなどユーザーニーズがないページ

例を挙げて説明しましょう。

例えば洋服を買おうとZOZO TOWNのWebサイトでレディースのトップスを探しているとします。

あらゆる条件を指定していき、理想のトップスを探します。

そこでこのキャプチャのように、XSサイズ以下で身幅が43cm〜80cm、そで丈が30.5cm〜80cmという指定は、ほとんどの人がしないでしょう。

ZOZO TOWNの場合はこういうページがGoogleに発見されないような工夫が施されていますが、意図せずこういった条件でもGoogleに発見されるような仕様になっているサイトがあります。今一度、ご自身の運営するWebサイトがどのような仕様になっているか確認してみてください。

4.内容の薄いアフィリエイトページ

アフィリエイトページの目的は、記事の作成者が売りたい商品やサービスを宣伝することです。そのため、商品の良さを強調しすぎるなど情報が偏る可能性があります。

信頼性の低い情報はユーザーに害を及ぼす可能性があるため、Googleに評価されない低品質なページと見なされる可能性があります。

Googleが評価するページの”質”とは

ここまでで「低品質なページ」の定義についてお伝えしましたが、反対にGoogleはどのようなページを評価するのでしょうか。公式ガイドラインの内容を参考にお伝えします。

コンテンツの品質が高い

ガイドラインによれば、下記の観点でまずは自身のコンテンツを評価してみて欲しいといった内容が記載されています。(一部ヒトノテの解釈で簡潔にまとめています)

ハードルの高い内容も含まれていますが、これらをクリアできればGoogleから高品質であると評価してもらえそうです。

◻︎独自の情報、レポート、研究または分析の結果を提示している
◻︎特定のトピックに対し、全体がまとめられたうえで具体的な情報も含んでいる
◻︎事実だけではなく、洞察に富んだ分析内容や興味深い情報が含まれている
◻︎他のソースを参考にした場合、単なるコピーや書き換えではなく、付加価値とオリジナリティを十分に示している
◻︎メインの見出しやページタイトルは、内容を要約して説明する有用なものである
◻︎メインの見出しやページタイトルは、コンテンツを誇張している、または読者に強いショックや不快感を与えるものではない
◻︎自分でもブックマークしたい、また友人に勧めたいと思える
◻︎雑誌、百科事典、書籍に掲載または引用されるような価値がある
◻︎検索結果に表示された競合ページと比較して、実質的な価値を提供している
◻︎誤字やスタイルに関する問題がない
◻︎急いで制作されたような印象を与えない
◻︎多数のクリエイターによって大量に制作されたような、個々のページやサイトが特徴のないものになっていないか

コンテンツの専門性が高い

品質だけではなく、専門性の高さについても言及されています。その内容も見ておきましょう。

◻︎掲載している内容は、信頼性が高いと示す情報を提供しているか 
 例)情報源の開示、掲載されている専門知識の根拠、サイトの背景情報(著者のページへのリンク、サイトの概要ページなど)
◻︎対象トピックの権威としてサイトが信頼されている、または広く認知されているという印象を受けるか
◻︎確実にトピックを熟知している専門家または愛好家によって執筆され、レビューされているか
◻︎コンテンツに明らかな事実誤認はないか

Googleが求めるコンテンツの専門性についても、ハードルの高さがうかがえます。

専門性の高さについてはコンテンツ単体で実現するというよりは、Webサイト全体で評価される必要がありそうです。

このほか、「ユーザーを第一に考えられたコンテンツ」であるかどうか、また「検索エンジンを第一に考えたコンテンツ作成を回避する」と記載されています。
Googleから評価されることばかりにとらわれず、ユーザー目線に立ったコンテンツ作りを忘れないようにしましょう。

低品質ページの見極め方

では、自社サイト内の低品質なページはどのようにして見極めたらよいのでしょうか。

ここではヒトノテが実際にクライアント様にご提案したり、施策実施のために調査したりしてきた方法を元に解説していきます。

1.サーチコンソールの「インデックス未登録」ページを調べる

まず、サーチコンソールでインデックス未登録ページの一覧を確認する方法があります。

インデックスに登録されていないということは、Googleが検知しているにも関わらずインデックスするに値しないと判断されたということになります。何らかの改善をしないと、クロール申請も通らないでしょう。

インデックス未登録の中で、以下の項目に該当するページが「低品質」に該当する可能性が高いページです。

・重複しています。ユーザーにより、正規ページとして選択されていません
・重複しています。Google により、ユーザーがマークしたページとは異なるページが正規ページとして選択されました
・クロール済みーインデックス未登録
・検出-インデックス未登録

なお、上記の画像はとあるWebサイトのインデックス未登録となっているページです。あえてnoindexにしているページもありますが、確認してみると多くのページがインデックス未登録となっていることがわかります。

2.順位やセッション数を調べる

調べたいページの順位やセッション数を調べてみましょう。順位がついていなかったり、まったく流入がない、もしくは極端に少ないページは、ユーザーにとって有益な情報を提供できていない低品質なページと判断できます。

低品質ページへの対処法

低品質ページの見極めができたら、各ページの評価やサイト全体の評価を向上させるために対処していきましょう。

下記のフローチャートから、低品質ページへの自社に合った対処法を探ってみてください。

まず、低品質ページを見たときにSEO価値が期待できるかどうかを判断しましょう。

狙いたいキーワードがそのページにない=SEO的な価値がないと言えます。また、改めて狙っているキーワードの検索ボリュームを調べると、検索ボリュームがほぼなかったり、内容がニッチすぎて流入が期待できなかったりする記事があります。このような記事も、SEO価値が期待できないと判断しても良いでしょう。

ただし、SEOの観点で流入が期待できなくても、ユーザー目線で必要な記事は残します。

実際にヒトノテのクライアント様であった例を挙げます。

とあるマッチングサイトを運営しているクライアント様のWebサイトは、ユーザー投稿型で多くのコンテンツが寄せられるような仕組みになっています。

しかし1つ1つのページを見ると情報量が少なく、狙いたいキーワードもなく、当然流入も殆ど無いということが分かりました。こういったページは低品質且つSEO価値が期待できないページとして、noindexを付与する処理をしました。

SEO価値が期待できると判断した場合、次に考えたいのが他のページとの競合化です。似たようなキーワードで作成しているページや、内容が似通っているページはありませんか?

例えば「記事制作」と「コンテンツ制作」というテーマでそれぞれ記事を作成しているとします。言い方は違いますが、ほとんど同じような内容となっていて、「コンテンツ制作」の記事しか順位がついていない、といったケースもあります。
この場合、記事制作とコンテンツ制作でそれぞれ内容を差別化できるようであればリライトし、競合化しないよう調整しましょう。差別化が難しく、同じような内容になってしまうことを避けられない場合は、評価がついていないページを評価がついているページへリダイレクトすることで評価の分散を防ぐことができます。

低品質ページをコントロールするメリット

ここまでで、低品質ページの判断基準や、実際に低品質ページを見つけた際の対処法を解説してきました。
では、低品質ページをコントロールすることによってどのようなメリットがあるのでしょうか。

1.クロール効率を高める

サイト上の低品質ページの割合を減らすことで、評価を上げたいページへのクロール効果が高まります。(クロールバジェット)

2.サイト全体の評価下落を防ぐ

低品質ページが増えることで、サイト全体の評価下落につながってしまいます。そのため、低品質ページは適宜対処していくことが望ましいでしょう。

サイト全体の評価を保ち、高い評価を得るためには、サイトの全体を管理するディレクターのアサインがおすすめです。コンテンツの品質をチェックするディレクターをアサインすることで、低品質コンテンツを生み出さず、できてしまったとしても早めに対応できるような体制を作ることができます。また、メディアのコンテンツ制作に携わるメンバーが複数いる場合、全体をコントロールする立場の人間がいなければ、重複コンテンツを作成してしまうリスクもあります。

ディレクターなど、サイト全体を管理・監督するメンバーをアサインすることで、低品質コンテンツによる評価の低下を防ぐ効果が期待できるでしょう。

過去に実施した事例

ここからは、ヒトノテが実際にクライアント様のサイトで実施した事例をご紹介します。

ただし、低品質ページの効果検証は非常に難しく、低品質ページのコントロールのおかげでサイトの評価が上がったとは言い切れません。他の様々な要因が重なって結果に結びついている可能性が高いと言えます。
そのため、あくまでも一例としてご覧いただければと思います。

事例1.記事のリライト、削除・noindex

とある大量に記事のあるWebサイトで、アクセス数の少ない記事を特定。それらの記事の削除もしくはnoindexを実施し、テーマが近いページにリダイレクトをかけました。

また、評価を上げたいページのリライトも実施したところ、結果的にWebサイトの評価が上がりました。

事例2.効果の出ていない検索条件を削除

ある情報を色々な切り口で検索できるWebサイトで、検索の条件が細か過ぎて他のページと重複してしまったり、検索結果にほとんど出てこないページが大量発生してしまいました。

そのため、まずは条件単位でどれくらいのアクセスやCVがあったかデータで出し、効果の出ていないものはnoindexに、他の検索条件で対応できるものはリダイレクトをかけるなどの対処を行いました。

事例3.内容が薄いページのnoinex

詳細ページが大量にあるWebサイトで、ページによってテキストコンテンツの内容がリッチなページと、薄いページがありました。内容が薄いページは全体の7-8割と大量だったため、noindexに。すると結果的にサイトの評価は上がりました。

まとめ

今回は低品質ページのコントロールに関するベストプラクティスのご紹介でした。
これまで何年もかけて運営してきたWebサイトや大規模サイトには、いつのまにか低品質なページが増えてきているかもしれません。
流入やCVに伸び悩んだときは、一度低品質なページがどれくらいあるのか調査してみてはいかがでしょうか。
自社で対応するにはマンパワーが足りない、できるだけスピーディーにWebサイトの状況を改善したいという方はお気軽にご相談ください。

御社にとって最短ルートとなるような施策をご提案させていただきます。

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