検索品質評価ガイドラインとは?Googleが示す評価基準・要点・活用方法を解説
検索品質評価ガイドラインは、検索結果の品質を評価するためのガイドライン(マニュアル)です。Googleが示す評価基準や要点を押さえることで、SEOで評価されるコンテンツ作成のヒントが見えてきます。
本記事では、「なぜそのようなガイドラインが存在するのか?」「検索結果の品質を評価するとはどういうことなのか?」を明らかにしつつ、検索品質評価ガイドラインの内容を解説します。
検索品質評価ガイドラインの活用方法も参考にしてください。
検索品質評価ガイドラインとは?
検索品質評価ガイドラインとは、Googleが委託している外部評価者がGoogleで検索した時に表示される検索結果の品質を評価するためのガイドライン(マニュアル)です。
具体的には、Googleが委託している外部評価者が検索エンジンを使って検索結果に表示されるWebサイトをみたり、特定のWebサイトを訪問してページの情報を評価したりします。その際に評価者自身の好みや属人化した指標で判断しないように、評価基準として用いているのが、「検索品質評価ガイドライン」です。
元々は、Googleの極秘資料だったようですが、過去に何度か流出した経緯があり、現在は「General Guidelines」というタイトルで英語版がPDFで一般閲覧できるようになっています。
他のGoogleガイドラインとして、「ウェブマスター向けガイドライン」や「検索エンジン最適化スターターガイド」などが存在します。それぞれ目的や内容が異なるため、上手く活用しましょう。
検索品質評価ガイドラインの目的
検索品質評価ガイドラインの目的は、Googleの検索結果の質を外部評価者に評価してもらうためのものです。外部評価者に評価してもらい、その評価をもとにGoogleが検索結果の質を向上させることで、ユーザーにより有益で質の高い情報を提供することができるのです。
質の高い検索結果とは、ユーザーに多様な情報を提供していることや権威性や信頼性、独自性の高い情報を提供していることなどです。検索品質評価ガイドラインには、Googleの求める質の高い検索結果がどのようなものかが記載されています。
あくまでも、外部評価者がGoogleの提供する検索結果の質を評価するためのガイドラインなので、Webサイト制作者に向けて書かれたものではありません。検索品質評価ガイドラインが特定のWebサイトやページの順位変動に影響を与えるものではないとも公表されています。
ただし、Googleの考える質の高い検索結果について定義されているため、ガイドラインに記載されている方向性に沿うことで、アルゴリズムから高い評価を受けやすくなることに繋がると考えられるでしょう。
コアアルゴリズムアップデートに関する記事は以下からご確認いただけます。
・Googleのコアアルゴリズムアップデートに対する理解を深めて、検索順位を上げよう!
検索品質評価ガイドラインの形態
検索品質評価ガイドラインは、英語版のPDFしか無く、英語以外の言語で記載されている公式のガイドラインはないというのが特徴です。検索品質評価ガイドラインは、170ページ以上とボリュームが多い上に、最低でも年に1回は更新されており、全てを把握することは大変です。
そのため、日本語に翻訳されているものや要点をまとめたWebサイトなどを参考にするとよいでしょう。本記事の後半でも、検索品質評価ガイドラインの要点をまとめています。
■過去の更新履歴
2017年3月14日更新
2017年5月15日更新
2018年7月20日更新
2019年5月16日更新
2019年9月5日更新
2019年12月5日更新
2020年10月14日更新
2021年10月19日更新
2022年7月28日更新
2022年12月16日更新
検索品質評価ガイドラインの内容
検索品質評価ガイドラインには、評価項目が記載されています。ページ評価は、基本の5段階で評価がされます。さらにページの品質を判断する重要なポイントとして、ページの目的やE-A-T、YMYLの定義などについて示されています。
また、検索結果に表示されるWebサイトのページがユーザーの検索した意図を満たした内容になっているかをどのように判断するか、ユーザーにとって使いやすいWebサイトとはどういうものか、などが定義されています。
E-A-TやYMYL、ユーザーの検索意図、ユーザーエクスペリエンス(Webサイトの使いやすさなどWebサイトにおけるユーザーの体験)については、検索品質評価ガイドラインの要点の見出しで解説します。
検索品質評価ガイドラインの特徴
検索品質評価ガイドラインは、検索順位に直接影響がないという特徴があります。評価者が検索結果や表示されているWebサイトをみますが、あくまでGoogleのテストアルゴリズムが評価対象です。特定のWebサイトの質を高いと評価してもそのWebサイトの順位が上がるわけではありません。
検索品質評価ガイドラインは、評価者からサイトを評価されることで、よりよいページを作るために必要な要素の1つとなっており、Googleの良きアドバイザーとなっています。
検索品質評価ガイドラインの要点
検索品質評価ガイドラインはボリュームが多いため要点を抑えることが重要です。
また、外部の評価者が検索の品質を評価するためのガイドラインなので、Webサイトの運営者がSEOを行う上で参考にする場合はポイントを抑える必要があるでしょう。
E-A-TとYMYLの重要性
ユーザーの検索意図を満たす
ユーザーエクスペリエンスの向上
上記の3点は、Webサイトの運営者も参考にすべき検索品質評価ガイドラインの要点です。
E-A-TとYMYLの重要性
検索品質評価ガイドラインには、ページ品質というガイドラインの中でも特に重要な項目があります。ページ品質の項目では、E-A-Tという考えのもとでページ品質を判断している仕組みです。
E-A-Tとは、Eは専門性、Aは権威性、Tは信頼性の3つの項目を組み合わせた評価基準です。
Expertise:専門性 Webページの専門分野に特化したサイトを評価する指標
Authoritativeness:権威性 有名人や専門家など「誰が説明しているのか」正しい情報を評価する指標
Trustworthiness:信頼性 Webサイトの情報が信用できる内容であるか、情報の正確性・信頼性などが評価される指標
このE-A-Tの考えのもと、Webサイトを運営する人や記事を書いた人の経歴が専門的にも優れていて、権威のある人だとしたら、ページ品質が良いと評価されるようになります。
キーワードについて専門性が高いコンテンツにすることで、正しい情報が得られるため、サイトの信頼性も向上していきます。
一方、YMYLは、Your Money or Your Lifeの略語であり、人々の幸福、健康、経済的安定、安全に影響を与える可能性ページ、というコンテンツ分野などのテーマを示す用語です。
YMYLに該当するサイトのジャンルとして(ショッピングや金銭取引をするページ、金融情報を扱うページ、医療の情報を扱うページ、法律の情報について扱うページ、ニュース記事や国民に対する公式の情報を扱うページ、人種や性別、国籍、宗教、障害、年齢などに関するページ)を扱うWebサイトでは正確な情報を提供するのが重要となっています。
YMYLに該当するWebサイトの課題となっているのは、E-A-Tが担保されているかどうかです。
例えば、正しい情報では、「食べてはいけない食べ物なのに食べられる」と誤った情報を掲載して、実際に食べてみたら体調が悪くなるといった危険な事態に発展してしまう可能性があります。
このようにYMYLでは、E-A-Tの高い記事ではないとSEOで上位表示させることが難しいです。検索品質ガイドラインを参考にGoogleが重要だと考えるページ品質を追求しましょう。
コンテンツに関する記事は以下からご確認いただけます。
・WEBコンテンツとは?|目的と作成のポイントを解説
・コンテンツマーケティングとは?基礎から応用まで徹底解説!
ユーザーの検索意図を満たす
ユーザーの検索意図を満たすには、検索ユーザーが求めている情報に沿ったコンテンツができているかが重要です。ユーザーの検索意図と一致している内容であれば、コンテンツの評価は高くなります。
評価者が検索品質を評価する上でも、Web担当者がSEOを行う上でも重要な検索品質評価ガイドラインの要点の一つです。
ユーザーの立場に立って検索エンジンからキーワードを検索し、どのようなサイトが上位に表示されていればユーザーは満足するか、という点を追求します。検索キーワードから読み取れる顕在的なニーズはもちろんのこと、関連キーワードや再検索キーワードから推察される潜在的なニーズにも応えたコンテンツが好ましいでしょう。
また、検索したユーザーの状況やデバイスも踏まえて検索意図に合った文字数やクリエイティブなども考慮するとよいでしょう。検索品質評価ガイドラインに記載されている検索意図が満たされたページ品質について、参考にするとよいでしょう。
ユーザーエクスペリエンスの向上
ユーザーエクスペリエンスは、UXという略称で呼ばれることが多く、UXデザインやUX改善という用語も存在するようにWebサイト制作において重要なものです。ユーザーエクスペリエンスは、Webサイトの使いやすさ、印象、読みやすさなど、ユーザーがより見やすい体験を得ることを目指します。
検索品質評価ガイドラインにも、サイトの扱いやすさという項目があります。サイトの扱いやすさとは(ページの見やすさや、重たくないか、スクロールのしやすさ)を指します。
近年では、2016年にGoogleがモバイルファーストインデックス(MFI)を公式発表し、2019年7月以降は、新規サイトに対して、モバイルファーストインデックス(MFI)が標準で適用されるようになりました。
モバイルファーストインデックス(MFI)は、スマートフォンなどからアクセスした際に表示されるモバイル向けサイトを優先してクロール、インデックスし、評価することです。
スマートフォンでアクセスした際「テキストが小さすぎる」、「読みやすいレイアウトであるか」など、Webサイトがスマートフォン向けに最適化されているのかも評価される上で重要になっています。
検索品質評価ガイドラインの活用方法
検索品質評価ガイドラインの活用方法について、以下3つを解説していきます。
コンセプトを理解しよう
まずはウェブマスター向けガイドラインを読もう
要点を参考にSEOを行う
Webサイトを運営する方は、上記3つの方法で検索品質評価ガイドラインを活用していくとSEO評価をあげるヒントとなるでしょう。
コンセプトを理解する
検索品質評価ガイドラインをうまく活用するためには、コンセプトを理解する必要があります。
検索品質評価ガイドラインのコンセプトは、「検索結果の品質を評価する人に向けたもので、検索順位を向上させるためのものではない」と定義されています。
このWebサイトを良いと評価してもらえたとしても、Googleの検索順位が上昇するわけではありません。検索品質評価ガイドラインは、あくまでもGoogleの考える検索品質を理解するために活用しましょう。その上で、実践的なSEOの方法を学び、Webサイトの改善を行うことをおすすめします。
まずはウェブマスター向けガイドラインを読む
では、実践的なSEOの方法が学べるものとして、ウェブマスター向けガイドラインを読むことをおすすめします。ウェブマスター向けガイドラインとは、Googleの検索エンジンにWebサイトをインデックスする際に必要なルールが記載されているガイドラインです。
ウェブマスター向けガイドラインを読むことにより、どのようにGoogleに評価されているかの仕組みを理解することができるでしょう。自社サイトをどのようにすれば、クロールされてGoogleに検出されやすくなるかを知ることができます。
Webサイト内でクロールされやすくなると、ページ階層やタイトル名、コンテンツの中身などGoogleに認知してもらいやすくなります。
検索品質ガイドラインと違い、検索順位に直接影響するので、E-A-Tの高いコンテンツであれば検索順位も早く上位に反映されるでしょう。
要点を参考にSEOを行う
ウェブマスター向けガイドラインに基づいてSEOをしつつ、検索品質評価ガイドラインにある要点を参考にSEOをすることをおすすめします。本記事でも解説した要点「E-A-TとYMYL」「ユーザーの検索意図」「ユーザーエクスペリエンス」はページの品質をあげる上で重要です。
検索品質評価ガイドラインは検索順位に影響を与えるものではありませんが、この要点を参考にSEOを行うことは、Webサイトに良い影響を与えるでしょう。
他のガイドラインとの違い
最後に検索品質評価ガイドラインと他のガイドラインとの違いを解説します。検索品質評価ガイドラインは、「ウェブマスター向けガイドライン」「検索エンジン最適化スターターガイド」とは目的や活用方法が異なります。
「ウェブマスター向けガイドライン」は、GoogleがWebサイトをインデックスするためのルールが記載されています。そのため、Webサイトの運営者が自分のWebサイトをGoogleにインデックス登録してもらいたい時に、参考にするものです。
さらに、検索品質評価ガイドラインとのウェブマスター向けガイドラインの違いは、Googleの検索順位に直接影響するかという点です。ウェブマスター向けガイドラインに記載していることは、検索順位に影響を与えるので、順位改善を行う上で重要なガイドラインだといえるでしょう。
「検索エンジン最適化スターターガイド」は、GoogleにWebサイトを認識してもらいSEO評価を向上させる上での方法が書かれています。Webサイトの運営者の初心者も上級者もぜひ参考にしたい、Googleの公式ガイドラインです。
ただし、基本的な内容なので、検索品質評価ガイドラインやウェブマスター向けガイドラインも合わせて活用するとよいでしょう。
まとめ
検索品質評価ガイドラインとは、Googleに委託した外部評価者がGoogleが提供している検索品質や検索結果から得られるWebサイトの品質を評価するガイドラインです。
検索品質評価ガイドラインは検索順位に直接影響を与えるものではありませんが、要点を掴んだ上でSEOを行うことで、Googleからの評価につながるでしょう。
「E-A-TとYMYL」「ユーザーの検索意図」「ユーザーエクスペリエンス」は、SEOを行う上で重要な点なので、Webサイトを運営する人はこれらを意識したコンテンツを作ることをおすすめします。検索エンジン最適化スターターガイドも参考にしながら、ユーザーの満足度の高い素晴らしいWebサイトを目指しましょう。
執筆者:鈴木理沙
株式会社ヒトノテのSEOコンサルタント。人材系の企業にて、SEO改善とコンテンツマーケティングを担当。CVR改善やオウンドメディア運営、コンテンツ制作による認知拡大・ブランディングを経験。気持ちのよいコミュニケーションや痒い所に手が届くような提案を心がけています。
監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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