ロングテールSEOとは?コンテンツマーケティングでの活用法を解説!
ロングテールSEOは単体では検索ボリュームの少ない“ニッチ”なキーワードを組み合わせて上位表示を狙い、WEBサイトへの流入を増やしていく施策です。「テールワード」や「複合ワード」などと呼ばれることもあります。ロングテールSEOなら、ターゲットを明確に絞ることができます。
この記事で基礎から実践方法までマスターしましょう。
この記事の目次
ロングテールSEOとは?
ロングテールSEOの名前の由来は、単体での検索ボリュームが多い「ビッグキーワード」と、単体での検索ボリュームが少ない「ニッチキーワード」が同時に検索されたときに、連なりが長い尾のように見えることからロングテールと呼ばれるようになりました。
SEOにおいて、サイト訪問者の約8割がビッグキーワードとニッチキーワードの掛け合わせで検索しています。そのため、ロングテールSEOなら、ターゲットを明確に絞ることができるのです。
ロングテールSEO最大の特徴は、検索数ボリュームこそ少ないものの、読者の行動変容に繋がりやすく、かつ競合となるコンテンツが少ないということにあります。
具体例を挙げて詳しくみていきましょう。
たとえば「東京でアパートを探している人」がいるとします。そして、その人が「アパート 新宿 オートロック 2LDK」というような検索をかけた場合、これがロングテール検索に該当します。
単に「アパート」や「2LDK」といった単体のキーワードで検索した場合、当然前者より検索ボリュームが増えるのでビッグキーワード検索となり、それに付随してビッグキーワードの範囲を限定するものがニッチキーワードです。
あなたのお客様になりうる人が、どのようなクエリでロングテール検索するのかを考えて施策・戦略を練ることこそが「ロングテールSEO」と言えるでしょう。
ロングテールSEOの例
先に触れたように、2語以上の単語で検索されるキーワードの良いところは成果に繋がりやすいという点です。
先程の「アパート 新宿 オートロック 2LDK」と検索する人はニーズが明確化されているので、「アパート」とだけ検索する人と比較して成約につながる確率が上がります。
ロングテールSEOでは、1つひとつのキーワードの検索ボリュームは少ないものの、組み合わせることによってターゲットに対して明確にアプローチすることができるのです。
ロングテールSEOのメリット・デメリット
実際に、ロングテールSEOにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。それぞれ具体的に解説していきます。
ロングテールSEOのメリット
ロングテールSEOのデメリットは、大きく3つ挙げられます。
- ユーザーの細かいニーズに応えられるため、コンバージョン(購入や資料請求などの成果)率が高いということ。
- 一般的に検索回数が多いキーワードほど対策に取り組む競合が増える傾向にあるため、ニッチなキーワードは対応する競合が少なく上位表示を獲得しやすいということ。
- ニッチなキーワードで上位表示が複数取れていると、いずれそれに付随して検索数の多いミドルキーワードやビッグキーワードも攻略できるようになるということ。
立ち上げたばかりのサイトで、いきなりビッグキーワードで上位を狙うのは難しいですが、競合が少ないキーワードから攻略していくことで、少しずつアクセス数とコンバージョンを増やしていくことが期待できるのです。
ロングテールSEOのデメリット
ロングテールSEOのデメリットは、コンテンツの制作からリリース、そしてそれが評価されるまで時間がかかる点です。ユーザーのニーズに応えるクオリティの高い記事を作成する必要があり、検索結果に反映されるにも数ヶ月単位で経過観測する必要がます。
また、コンテンツが増えれば増えるほど、管理に手間がかかるようになってしまうことが苦労の1つです。
特にコンテンツ管理がうまくできておらず、同じような記事を作ってしまうケースがよくありますので、注意が必要です。
重複コンテンツとしてクローラーに認識されてしまえば、順位降格だけでなくペナルティを受ける可能性も否めません。防止するためには、ディレクターや責任者などの管理者を配置することで、徹底した管理体制を構築することをおすすめします。
ロングテールSEOを実践しよう
ここからはロングテールSEOの実践方法、そして実践時のポイントを紹介していきます。闇雲にロングテールキーワードを対策したコンテンツを作り続けても非効率ですので、重要なポイントをしっかり押さえた上で取り組むようにしましょう。
キーワード選定
まずはキーワード選定から始めます。ここでは、いきなりニッチな複合キーワードを調べるのではなく、検索ボリュームの多いビッグキーワードから順に調べていきましょう。
ピックアップするビッグキーワードは、自分たちが展開する事業やサービスに近いキーワードを選びます。サービスに関わるキーワードは具体的にどのようなものがあるのかを書き出し、メンバーとブレインストーミングを行うと効果的です。
そして、洗い出したキーワードの検索ボリュームを調べていきます。
検索ボリュームを調査するには「Googleキーワードプランナー」や「aramakijake.jp」などのツールが便利です。
さらに、無料で使用できる「ラッコキーワード」などのキーワードサジェストリサーチツールを使って、ミドルキーワードや2語以上組み合わせたキーワードを調査していきましょう。
この他にも、実際にGoogleの検索窓に攻略したいキーワードを入力する「サジェストキーワード」調査も合わせて行うことが大切です。
サジェストキーワードとは、Google利用者ならば1度は利用しているであろう、検索窓にキーワードを入力したときに出てくる検索候補欄を指します。検索者のニーズとして多いものから順に表示してくれているので、サジェストキーワードの検索順位も定期的にチェックしましょう。
SEOキーワード選定ツール
「キーワードファインダー」について
コンテンツ制作でSEO対策を検討しているなら、対策ツールの導入を検討することをおすすめします。
上記でご紹介した無料ツールの組み合わせだけだとコストこそかかりませんが、検索するキーワード数に制限があったり、一回ずつ入力しなければならなかったりと時間を要します。キーワードファインダーのような専用ツールを使って効率化を図りましょう。
キーワードファインダーを使用することのメリット
- 売上や集客につながったキーワードを教えてくれる。
- 単語を指定すると、ジャンル別に整理したキーワードマップを生成してくれる。
- ベンチマークしたいライバルを登録し、日々の順位の動きをグラフにしてくれる。
他にも自動で行ってくれる便利な機能があります。
「キーワードファインダー」のお試し体験を利用してみて、実際の使用感で判断することがおすすめです。ツールが無いと、すべて手動で調べて対応することになってしまうので、自社にとって必要かどうかぜひこの期間に検討してみてください。
コンテンツ制作
選んだキーワードを使用して、どのようなコンテンツ(記事)を作るか検討しましょう。ユーザーのニーズを理解したうえで、コンテンツを構成することがポイントです。
なかでも重要とされるのは、1つの記事に対して、1つのキーワードで作成するということです。これは、Googleの検索エンジンシステムに関わるジョン・ミューラー氏も公言しています。
同じキーワードを使用して複数の記事を書いてしまったり、1つの記事に対して複数キーワードを詰め込んでしまったりするのはSEOにおいて不適切とされるため注意しましょう。
アップロード後の管理
コンテンツのリリースが完了しても、終わりではありません。
リリース後はPDCAサイクルを素早く繰り返し回していくことが重要です。アクセス解析ツールを使って、コンテンツの成果を確認作業を行いましょう。
管理方法についてですが、
「 Googleアナリティクス」
「 Googleサーチコンソール」
両者の存在は非常に大きく、アクセス解析ツールの代表格といえます。
Googleアナリティクス
検索順位はもちろんのこと、滞在時間や直帰率なども調べられる。
Googleサーチコンソール
それぞれの記事に対してどのようなクエリで流入してきているか、クリック率や離脱率なども見ることができる。
これらのツールを用いて、定期的に課題の発見と改善を行ない、徐々に成約へと結びついていくことが大切になってきます。
ロングテールSEOは継続が命であるため、良質なコンテンツを発信し続けるからこそ成果へと繋がっていくものです。効果検証を繰り返しながら、少しずつコンテンツのレベルアップを目指していきましょう。
カテゴリーページの有効活用
ロングテールキーワードを考慮した記事がある程度溜まってきたら、次はその単語に付随するミドルキーワードを使用した「カテゴリーページ」を作成しましょう。
ニッチなキーワードの記事が集められたカテゴリーページは、そのままミドルキーワード対策のページとなります。
そして、ミドルキーワードのカテゴリーページが集められたWebサイトのトップページは、ビッグキーワード対策されたページとして成長していきます。
クローラーの動きや特性を十分理解し、ページ内で関係のあるキーワードが出てきたら内部リンクを貼るようにしましょう。
そして、カテゴリーページを作成したらクローラーが巡回しやすいように、「パンくずリスト」を設置することも大切です。
パンくずリストとは、トップページから現在に至るまでに踏んだリンクを一目で分かるようにするためのもので、SEOの効果はもちろん、ユーザビリティ向上にも貢献するため良質なWEBサイトへの第一歩となります。
ロングテールSEOを行う際の注意点
ロングテールSEOを実践していくにあたり、注意点や誘導ページ(ドアウェイページ)についてご説明します。
Googleも公式で発表しているように、誘導ページとは自社サイトにアクセス数を集めたいが為に、リンクだけが貼られているような情報性の薄いページことです。
誘導ページの代表的な例としては、地域攻略型の施策があります。
ブログ記事のタイトルに上位表示したい地域名を入れ、リンクを複数貼りつけます。そして、中身は変えずにタイトルの地域名だけを変更して量産され、どんな地域と商材のキーワードで検索をかけても検索上位を狙うことができる、という手法です。
このような記事が量産されてしまうと、独自性がないどころか検索ユーザーのニーズにも応えることができないため、中身のないコンテンツになってしまいます。
Googleは、あくまでも独自性と読者にとって最適なコンテンツを評価しているので、効率を重視するあまり、誘導ページを作成してしまわないよう注意しましょう。
まとめ
ロングテールSEOは、対策を始めてすぐに成果を出そうとするものではなく、
長期的に分析と改善を繰り返し、少しずつ検索上位を狙っていく施策です。
徹底的に読者のニーズに応えることができるよう、キーワード調査の段階からしっかりとゴールを設定し、記事のクオリティと検索ブラウザの両方から評価されるバランスの良いコンテンツを制作するよう心がけましょう。
執筆者:ヒトノート編集部
株式会社ヒトノテのオウンドメディア、WEBマーケティングの学習帳「ヒトノート -Hito note-」の編集部。
監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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