【カテゴリ設計】オウンドメディアを設計するポイントまとめ
集客につなげる目的でオウンドメディアを構築する場合、事前の設計が非常に重要となります。ターゲットを明確にし、コンテンツをカテゴリ分けすることで評価されるメディアとなります。また、CV(コンバージョン)や他の記事への導線を確保し、メディア全体が評価されるような設計を心がけましょう。
本記事では、オウンドメディア設計の仕方やフローについて具体的に解説します。
オウンドメディアの設計の仕方が分からないという方、これからオウンドメディアを運用する予定の方には非常に参考になる内容になっております。
ぜひ、最後まで読んでオウンドメディア設計について理解し、失敗しないメディア運用をしていきましょう。
この記事の目次
オウンドメディア設計の1stステップ:目的・ターゲット
1stステップは、オウンドメディアの「目的・ターゲット」についてです。
オウンドメディアの構築を考えている方は必ずチェックしておくべき項目なので、漏れがないようにしましょう。
オウンドメディアの目的と目標を決める
オウンドメディアを構築する場合、まず「目的」と「目標」を決めましょう。
目的や目標もなくオウンドメディアを構築しても、労力と費用が無駄になってしまう可能性があります。
目的や目標の例としては、
・ネット上で物やサービスを販売して売上を上げたい
・オウンドメディアを通して問い合わせの数を増やしたい
などが挙げられます。
また、「1年後には月に100件のお問い合わせがくるようにする」など、より具体的な数字を定めた目的にすると良いでしょう。
まずは、何のためにメディアを運用していくのか、そして運用していく中でどの程度の目標を達成したいのかを明確にしましょう。
CV方法とKPIを定める
オウンドメディアの目的と目標を決めた後は、CV(コンバージョン)方法と、 KPIを明確にしましょう。
CV(コンバージョン)とは、「フォーム経由のお問い合わせ」や「資料請求」、「サービスの購入」など、オウンドメディア上でユーザーに何かしらのアクションを起こしてもらうことを意味します。
そして、CV(コンバージョン)数を増やすためには、セッション数もしくはCVR(コンバージョン率)を上げる必要があります。CV数から逆算してこれらの指標も一緒に設定をしておくと良いでしょう。
ターゲット(ペルソナ)を決める
次にターゲットとなるペルソナを決めましょう。
ペルソナを決めて運用することで、以下のようなメリットがあります。
・オウンドメディアのデザインやコンテンツをユーザーの気持ちになって評価ができる
・評価基準が明確になるので運営側で意思決定がしやすくなる
・オウンドメディアの方向性に一貫性が出る
ペルソナの設定は、性別、性格、収入や生活リズム、家族構成など、細かい部分まで設定した方が良いです。
まずはそのオウンドメディアに訪れるターゲット(ペルソナ)を定めてから、ペルソナに刺さるコンテンツを配信していくことが重要になります。
集客方法を決める
ターゲットを決めた後は、どのようにオウンドメディアに集客していくのかを具体的に決める必要があります。
集客方法としては、SEO、SNS、リスティング広告や成果報酬型広告(アフィリエイト)など、複数あります。
SEOで集客をするのであれば、SEOを意識したディレクトリ構造の構築や、狙うキーワードの精査が必要です。
これから新しくオウンドメディアを立ち上げる場合は、SEOで集客することをおすすめします。なぜなら、SEOは広告と比較して低予算でできることが多く、コンテンツがサイトの資産として蓄積されていくことで、継続的に集客ができるためです。
オウンドメディア設計~サイト全体の設計~
サイト全体の設計に失敗すると、「誰に」「何を」「どのように」して欲しいのかが不明確になり、良いコンテンツを作成してもなかなか成約に繋がらない可能性があります。
また、途中でメディアの方向性を変えることもできますが、非常に多くの工数がかかりますし、これまで作成したコンテンツが無駄になる恐れもあります。
オウンドメディアの土台となる設計は軽視しないことが大切です。
ここからはサイト設計のフローについて詳しく解説します。
サイトに必要なコンテンツを洗い出す
サイト全体の設計の第一段階は、サイトに必要なコンテンツを洗い出すことから始めます。
具体的には「トップページ、カテゴリページ、記事ページ」などユーザーを回遊させるためのコンテンツをはじめ、「運営者情報ページ、プライバシーポリシー」なWEBサイトのお作法的なコンテンツも用意する必要があります。
必要なページの洗い出し方としては、有名なオウンドメディアを参考にしたり、「ユーザーがコンバージョンするために必要な情報は何か?」というのを考えることによって洗い出す方法もあります。
ツリー形式でサイト構造を設計する
オウンドメディアの構造を設計する際にはツリー形式にしましょう。TOPページの配下に下層コンテンツをツリー形式で繋ぎ、さらにその下層ページの配下に関連する下層ページが配置されるイメージです。
例えば、TOPページの配下に「野菜」「肉」「魚」というカテゴリページが入るとします。
この場合は「野菜」のカテゴリページの配下に「人参」「玉葱」「ジャガイモ」などの野菜の種類のカテゴリが入り、さらに「人参」の配下には人参に関連する記事が入ってくるという構造が理想的です。
また、SEOで狙うキーワードをツリー構造に組み込んで設計すると、そのキーワードに対する評価を上げやすくなります。評価を上げたいキーワードについてはツリー構造の中の上の階層にコンテンツを設けることをおすすめします。
利用するCMSを決める
CMS とは、Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)の頭文字をとった略称のことで、サイト制作に関する知識が乏しくても、簡単にWEB制作が構築・更新・管理ができるシステムのことを指します。
CMSは国産・海外産含め数多く存在しますが、中でも代表的なCMSは「WordPress」です。
WordPressは、日本国内のCMSシェアの約8割を占めている非常に有名なCMSです。
参照元URL:https://news.mynavi.jp/article/20190902-885946/
WordPressはプログラミングの知識がなくても誰でも簡単に利用することができ、初期費用も無料で始めることができるのが特徴です。また、WordPressはカスタマイズ性が高いので、サイトに合わせて色々な機能追加やデザインアレンジが可能ですが、「テーマ」と呼ばれるカスタムプログラムを追加することによって、簡単にデザインや機能を変更することが可能です。
オウンドメディア専用のテーマなども販売されているので、ご自身でサイトの構築を行う場合は探してみると良いでしょう。
連携システムの検討
CMSを決めるのと同時に顧客管理システムなどの外部の連携システムを導入したい方は、このタイミングで洗い出す必要があります。
連携できる外部システムの例としては、「顧客管理システム」の他に、「決済代行システム」や「固有のデータベース」などがあります。
外部の連携システムを導入することでサイト管理や顧客管理がしやすくなります。
オウンドメディア設計~共通要素のUI設計~
ここからは各ページ共通の要素について解説していきます。
UIとは、ユーザーインターフェイスの略称で、「ヒトとモノ(主にデバイス)をつなぐ窓口」のようなものです。
WEBサイトのUIの中には、ボタンのデザインや、コンテンツのテキスト、細かいですが文字の行間や色など、画面上で表現されるすべての要素を示します。
各ページの共通要素とは、ユーザーがサイトのどのページを開いていても、共通して見ることができる箇所を指します。
最も効果のある配置を把握し、共通要素の中にはどのようなものがあるのかを理解しておきましょう。
ヘッダー・グローバルナビゲーション(グロナビ)
出典:株式会社カカクコム 食べログ – ランキングと口コミで探せるグルメサイト
ヘッダーとは、サイトの「頭」のことで、サイト(ページ)の上部にあります。
ヘッダーにはサイトのロゴやタイトル、サブタイトルなどの要素を入れ、グローバルナビゲーション(グロナビ)には、お問い合わせや会社概要など、目立たせたいコンテンツや、記事のカテゴリなどを設定するケースが多いです。
グロナビを挿入することで、ユーザーは記事ページを探しやすくなるため、一つのコンテンツだけでなく、複数のコンテンツを見てもらいやすくなり、回遊率を高める効果もあります。
フッター
出典:株式会社カカクコム 食べログ – ランキングと口コミで探せるグルメサイト
フッターとは、WEBサイトの最下部に設置されているコンテンツのことを示します。
フッターにはコピーライトやSNSアカウントへのリンク(Facebook,Twitter,Instagram)、サイト内にある各コンテンツへのリンク、お問い合わせやコンバージョンリンクなどの要素を入れるようにしましょう。
また、フッターはSEOとしての活用の可能です。フッターに評価を上げたいページのリンクを設置するとクロ―ラビリティが向上し、結果的に評価も上がりやすくなります。目立たない部分ですが、どのようなリンクを設置するかは戦略的に考えておくと良いでしょう。
パンくず
出典:株式会社カカクコム MyLan (ミラン) – 巣鴨/ワインバー [食べログ]
パンくずリストとは、ページを階層順にリンク付きで表示したリストのことを指します。
パンくずリストが重要な理由としては、ユーザー自身が今、サイト内のどの階層にいるのかが視覚的に分かり、関連ページへの回遊率が上がることが期待できるからです。
また、パンくずリストが設置されていることで、Googleなどの検索エンジンがサイト構造を把握しやすくなり、SEOの効果もあります。
オウンドメディア設計~TOPページのUI設計~
ここからはオウンドメディアのTOPページのUI設計について詳しく解説していきます。
メインビジュアル
メインビジュアルとは、WEBページの上部にある大きなイメージ画像を指します。そのページが何なのかを視覚的に伝える役割があり、キービジュアルとも言われています。
オウンドメディア内のTOPページにあるメインビジュアルで見せる内容として、例えば新着記事のイメージ画像と記事への導線や、コンバージョンに繋がる重要なページの導線、オウンドメディア主催のイベントやキャンペーン情報、オウンドメディアのコンセプトなどがあります。
メディアの顔となる部分なので、ユーザーがぱっと見て「このサイトには面白いコンテンツがありそうだ!」と感じてくれるようにデザインやキャッチコピーの細かい部分まで、こだわって作っておくと良いでしょう。
メディアを紹介する文章
TOPページに訪問したユーザーに、このメディアは誰に向けたどんなメディアなのかを理解してもらうことで、その先の下層ページに進んでもらう効果が期待できます。
また、メディアを紹介する文章には、SEOで狙うキーワードを自然に入れることが出来るため、SEOの評価を高める効果もあります。
長い文章だと読まれにくくなるので、 100文字から200文字程度で簡潔にサイトの内容をユーザーに伝えましょう。
カテゴリページ(記事一覧)への導線
TOPページには下層ページに行くためのリンクを設置しておきましょう。特にTOPページの1つ下の階層に設置するカテゴリページの導線は必ず用意することをおすすめします。
カテゴリページとは、カテゴリ別に記事一覧をまとめたページのことです。
トップページにカテゴリページへのリンクを設置してあることで、 ユーザーは時間をかけずに読みたい記事を見つけることができるようになります。
また、SEOの観点でクローラ―がカテゴリページやそれ以下の下層ページまで辿ってもらうことも目的の1つです。
記事への導線
トップページには、カテゴリページへの導線だけでなく記事へ直接遷移できる導線も設置しましょう。新着記事やおすすめ記事、 記事ランキングなど、さまざまな軸で記事を複数ピックアップして設置することで、ユーザーの興味関心を集め離脱を防ぐ効果があります。
ユーザーが見たいと思う記事がどんな記事なのか(新しい記事、人気の記事など)仮説立てて設計をしていくと良いでしょう。
オウンドメディア設計~カテゴリページのUI設計~
カテゴリページとは、カテゴリ別に記事が一覧で並んでいるページのことを指します。
投稿日やタイトルだけでなく、記事のイメージ画像(アイキャッチ)や、冒頭の文章だけ載せているものなど、メディアによってカテゴリページもさまざまです。
ここからは、カテゴリページをどのように設計すれば良いかを解説していきます。
関連記事への導線
カテゴリページにはそのカテゴリに関連する記事への導線を設置しましょう。
ユーザーが興味を持ってくれるように、人気記事を一番上に設置したり、記事の導線にサムネイル画像をつけたり、新着記事には「NEW」のマークを付けるなどの工夫をすると良いでしょう。
また、関連する記事が大量にある場合は、2ページ目を作って記事の一覧を表示させたり、カテゴリページの下にもう1つ小カテゴリの階層を作って、ユーザーが記事を探しやすくすることも検討してみてください。
該当カテゴリについて説明する文書
該当カテゴリについて説明する文章は、SEOやユーザビリティの観点で重要となります。
例えば、「人参」というカテゴリであれば人参のおすすめの調理方法や有名な産地、下処理の方法など、人参に関連するコンテンツを追加することによって、ユーザーが記事を読む前の事前情報を得られますし、SEOの評価を上げる事にも繋がります。
他のカテゴリページへの導線
カテゴリページ内に、他のカテゴリページへの導線も入れるようにしましょう。
これによって、ユーザーが他のカテゴリを見に行くためにわざわざTOPページまで戻って別のカテゴリページへのリンクをクリックする必要がなくなるのと、SEOの観点ではカテゴリページ間のクロ―ラビリティを上げ評価を高める効果も見込めます。
オウンドメディア設計~記事ページのUI設計~
ここからは記事ページのUI設計について解説します。
オウンドメディアの中で最もコンテンツ数とPV数のボリュームが増えてくるのが記事ページなので、UI設計のポイントをしっかりチェックしておきましょう。
記事タイトル
記事タイトルは、その記事がどのような内容の記事なのかをユーザーと検索エンジンに伝える役割があります。
大きめのフォントで太字にするなど、ユーザーが一目で何の記事か分かるようにしましょう。
また、記事タイトルを正しくクロ―ラーに伝えるためにHTMLの記述ではh1タグで囲んでおくのと、HTMLのhead内のmeta titleタグの中にも記事タイトルを設定しておきましょう。Meta Titleタグに設定しておくことで検索エンジンに記事タイトルが表示されます。
タイトルはユーザーが興味を持ってくれそうな魅力的なコピーにすると、検索エンジンで押してもらいやすくなりますが、記事の中身と一致していなければ満足度を下げて離脱を促すことになるので注意をしましょう。
メイン画像
メイン画像(別名:アイキャッチ画像)は、 記事の顔となる部分です。
記事ページと親和性が高く、ユーザーの興味をそそるような画像を選定することで、記事をクリックして読んでもらえる可能性が高くなります。
記事ページと全く親和性のないメイン画像を入れてしまうと、画像に興味を示してクリックしたユーザーが離脱してしまうこともありますので注意が必要です。
リード文
リード文はその記事を読んでもらえるかどうかを左右する非常に重要な部分です。
どのような目的でユーザーが 記事に訪れたのかを想定し、目的に合ったリード文にしなければ、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。
見出しと段落
記事ページを作成するうえで見出しと段落は必須です。
見出しや段落がない、とユーザーはコンテンツを把握しづらく、 離脱率も上がってしまいます。
また、単純に見出しや段落を入れれば良いというわけではなく、見出しごとの親子構造も意識するようにしてください。
例えば、大見出し(h2)に付随した見出しを入れる場合は、小見出し(h3)にするなど、ユーザーが内容を把握しやすくなるようにしましょう。
見出しと段落を正しく設定することで、SEOにも良い影響を与えます。
関連記事
関連記事を表示させることで、ユーザーのサイト内回遊率が上がり、結果的に滞在時間も長くなります。
同じタグがついている記事や、同じカテゴリの人気記事、その記事を読んだユーザーがよく読んでいる他の記事、など複数の軸で関連する記事を表示させることによって、ユーザーの回遊率を高めることが可能です。
まとめ
オウンドメディアを設計するステップと具体的な方法を解説しました。
冒頭でも述べたように、オウンドメディアを構築する前の設計は非常に重要です。
オウンドメディアでしっかり成果が出るように、社内の方針も確認しながら、設計してみましょう。
この記事で解説したのは基本的なことなので、オウンドメディア構築の最初の一歩として是非参考にしていただければと思います。
監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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