Webマーケティングの全体像から手法までをわかりやすく解説!
「Webマーケティングとは」と聞かれて明確に答えられる人は少ないのではないでしょうか?近年、重要性が増しているWebマーケティングですが、十分な理解がないまま実施するといい効果を得られない恐れもあります。
そこで本記事では、まずWebマーケティングの全体像を解説し、次にWebマーケティングの手法についても分かりやすく説明します。
全体像を明らかにし、自社に必要なWebマーケティングを明確にすることで、最適な手法を決定しましょう。
この記事の目次
Webマーケティングとは?
Webマーケティングとは、Web上のツール・経路において行うマーケティング活動のひとつです。マーケティングとは本来、ビジネス活動に伴う市場調査から集客、販売促進、調達などあらゆる側面の営業活動のことを指します。その中で、インターネット経由で行われるものを「Webマーケティング」と呼びます。具体的にはWebサイトやWebサービス、Web広告などを用いて行う集客や接客などがこれに該当します。
Webマーケティングの特徴を端的に表すと、一般的なマーケティングに比べて「効果測定が明確である」「比較的即効性がある」「コストパフォーマンスが高い」などが挙げられます。一般的なマーケティングとWebマーケティングの特徴の違いを以下にまとめました。
マーケティング | Webマーケティング | |
効果測定性 | 定性的 ・アンケート ・顧客へのリスニング | 定量的 ・アクセス数 ・獲得数 |
期間 | 案件によっては時間がかかる | 企画から実施まで短期間で可能 |
ターゲティング | マス・ターゲティング | パーソナル・ターゲティング |
広告の転換率 | 非常に低い | 比較的高い |
予算感 | 広告では数十万円~数千万円 | 広告では数千円から出稿可能 |
- 効果測定性
Webマーケティングではアクセス解析(トラッキング)によって、定量的かつ明確に効果を確認できます。ある施策において投下したコスト(予算や制作費、人件費)に対して獲得件数や導入数の変化を数値的に表現できるため、透明性があり正確な効果測定が可能です。
- 期間
Web広告やSNSなどWebマーケティングに関するプラットフォームが充実しており、そのほとんどは「意思決定してすぐに実施可能」です。マス広告などや交通広告など従来のマーケティング手法に比べ、格段に短いサイクルで実施することが出来ます。
- ターゲティング
Webマーケティングにおけるターゲティングは、個々のユーザーを意識したパーソナル・ターゲティングである傾向があります。デジタルの強みから広告ページや広告文言・アピール文章を細やかに設定できるので、小規模・多種類のロングテールな成果が得られる傾向にあります。
- 転換率の高さ・予算感
Webマーケティングの多くは必要に応じて小規模でも始められるのが大きな特徴です。広告出稿においても少額から始められ、購買確率の高いコアなユーザーにターゲティング可能です。その結果、高い転換率を得られるのも利点の一つです。
Webマーケティングが重要な理由
多岐にわたるマーケティング活動の中でも、Webマーケティングは年々その重要度を増していると言えます。それはなぜでしょうか。
ひとつ大きな要因としては、インターネットの浸透です。2000年ごろからモバイルでのインターネットが普及し始め、2007年ごろからのスマートフォンの登場によってその傾向はさらに加速したと言っても過言ではありません。
その環境下で、消費者にとっての「インターネットで得られる情報の重要性」は非常に大きくなっています。実際に、2011年に総務省が発表した統計では、過去5年間でインターネットから得られる情報を重要視すると回答した割合が、20%も増えたという報告もあります。
購入意思決定プロセスにおいても「検索」し「インターネットで情報を収集する」というスタイルに変化しています(AIDMAからAISAS、AISCEASへの変化)。つまりWebマーケティングを展開することは、購入意思の高いユーザーに対して効果的で重要なアプローチであるといえます。
Webマーケティングの全体像
では、Webマーケティングとはどういうものを指すのでしょうか。理解を深めるため、まずはその全体像を学んでいきましょう。
Webマーケティングは主にWebサイトへユーザーを集客する「集客施策」、Webサイト内での販促行動や獲得率向上を行う「接客施策」、一度サイトへ来訪したユーザーへ継続的なアプローチを行う「リピート施策」の3つに分類されます。
これは、前述の購買プロセスモデル「AISCEAS」のそれぞれに対応します。ターゲットユーザーに自社製品を知ってもらうきっかけ(Attention:注意、Interest:関心、Search:検索)は集客施策が相当します。特に、検索しているユーザーに見つけてもらうための「SEO」や「リスティング広告」は、集客施策の中核であると言えるでしょう。比較(Comparision)・検討(Examination)は、接客施策やリピート施策が該当します。ユーザーに、自社製品をより良く知ってもらうためのランディングページ最適化(LPO)はもちろん、メールマーケティングでは、他社比較や導入事例紹介を盛り込むことで、見込み顧客の再来訪だけでなく、意思決定を促すことも可能です。
▼WEBマーケティング手法まとめ
代表的な施策例 | |
集客施策 | SEO、リスティング広告、アドネットワーク広告、アフィリエイト広告、ソーシャルメディア、SNS広告、純広告、ネイティブ広告 |
接客施策 | LPO(ランディングページ最適化)、WEB接客ツール、EFO(エントリーフォーム最適化) |
リピート施策 | リターゲティング広告、メールマーケティング |
Webマーケティングの手法について
それでは、実際にWebマーケティングの手法にどのようなものがあるのか、施策ごとに紹介していきましょう。それぞれに特長や効率・効果性をまとめていますので、施策検討のヒントにしてください。
集客施策
集客施策はユーザーをWebサイトに誘導し、自社サービス・商品を知ってもらうための「きっかけづくり」です。自社商材の特性やターゲットユーザーの属性から、適したものを選びましょう。
SEO
特長 | ローコストで費用対効率が高い。即効性は望めない |
効率性 | ★★★★☆ |
効果性 | ★☆☆☆☆ |
SEOは「検索エンジン最適化(Search Engine Organization)」のことで、特定のキーワードにおいて検索結果の順位を上げ、より多くのユーザーを集客するための施策のことを言います。
施策を実施しても、検索エンジンによる評価を待つ必要があるため、即効性はありませんが、広告コストのかからない自然検索からの流入を継続的に獲得できる可能性があるため、最終的なコストに対する効果は非常に高いです。
しかし、SEOは戦略によってその効果や人的リソースは大きく変わります。施策を実施する前に、SEO戦略をしっかりと検討する必要があります。
SEOについて詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。
リスティング広告
特長 | 限られたコストで早い効果を得られる |
効率性 | ★★☆☆☆ |
効果性 | ★★★★☆ |
検索サイトの検索結果ページの上位に広告を掲載できるのが、リスティング広告です。SEOを実施せずとも、検索ユーザーに対して高い露出を得られるため、即効性を得られやすいのが特徴です。
一般的なマーケティングにおけるマス広告に比べ、非常に少ないコストで出稿できるのが魅力ですが、高い効果を実現・維持するためには細やかな調整や管理運用が不可欠です。
リスティング広告についての詳細や手法は、以下の記事をご覧ください。
リスティング広告のやり方ってどうやるの?画像付きで分かりやすく解説!
SNSマーケティング
特長 | 直接効果性は低いが、ブランディングを兼ねる |
効率性 | ★☆☆☆☆ |
効果性 | ★☆☆☆☆ |
SNS(ソーシャルネットワークサービス)を利用したマーケティング手法です。主にユーザーに向けた認知度の向上や、集客を行うことが出来ます。FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSに、自社アカウントや社内インフルエンサーのアカウントを開設し、自社商材の紹介や顧客との直接的なやり取りを行います。
SNSは、その性質から直接的な獲得は難しいと言えますが、並行してブランディングを行えるのは強みの一つではないでしょうか。
SNSマーケティングについては、以下の記事で詳しく説明しています。ぜひご覧ください。
接客施策
接客施策は主に、転換率(CVR)の向上を目的とした施策です。Webサイト内の獲得効率に大きく影響するため、自社製品がどんな業種・業界であっても実施するべき施策といえます。
また、LPO・EFOは集客施策よりも優先して行いましょう。集客施策によって多くのユーザーを獲得しても、その受け皿としてのWebサイトがユーザーにとって使いにくいものであれば、顧客獲得・収益にはつなげられません。
LPO
特長 | 各種経路からの転換率を向上できる |
効率性 | ★★★☆☆ |
効果性 | ★★★★☆ |
LPO(ランディングページ最適化)とは、ランディングページ(LP、主に広告用の専用ページ)の改良・改善を行う施策です。実店舗で言えば、来店した顧客への接客に相当します。
自社製品について興味を持ってもらうための工夫はもちろんのこと、自社製品についての魅力的にアピールできているか、ユーザーが離脱していないかなど多角的な視点で改善を行います。
LPOについて、詳しい説明は以下の記事をご覧ください。
EFO
特長 | 転換率を向上させ、直接効果性が高い |
効率性 | ★★★☆☆ |
効果性 | ★★★★☆ |
Webサイト内に設置する購入・申込み・お問合せ・資料請求などのフォームを改善・最適化することをEFO(エントリーフォーム最適化)と言います。サイトに来訪し、自社製品に魅力を感じたユーザーが、フォームの使いにくさが理由で、離脱してしまったというケースは実際に多いです。その為に実施するのがEFOです。
エントリーフォームは、コンバージョンの直前のページに当たるため、EFOの改善効果は獲得件数に大きく影響します。購買意欲の高い見込み客を取りこぼさないよう、徹底した見直しと最適化を行いましょう。
EFOについて詳しい説明はこちらをご覧ください。
EFOとは?入力フォームを最適化して、離脱率とコンバージョン率を改善!
Web接客ツール
特長 | 種類によっては自動的な販売促進が可能 |
効率性 | ★★★☆☆ |
効果性 | ★★★☆☆ |
文字通りWebサイト内に接客機能を実装する施策です。ツールには主に「ポップアップ型」と「チャット型」などが挙げられます。成果地点へ到達していないユーザーへ、クーポンなどの特別なオファー提示や、困っているユーザーをサポートすることで離脱を防ぎます。
いずれも、成果に直接的に結びつきやすく、即効性は比較的高いと考えられます。
WEB接客ツールについて詳しい説明はこちらをご覧ください。
リピート施策
リピート施策では、文字通り一度WEBサイトに来訪したユーザーに向け再来訪をしてもらうための施策を行います。ターゲットとなるユーザーは、興味関心があることが明確であるため、少ないコストで、高い効果を得られるのが特徴です。
リターゲティング広告
特長 | ターゲットを絞りこんだ高効率なアピールを行う |
効率性 | ★★★★☆ |
効果性 | ★★☆☆☆ |
Web広告プラットフォームを利用し、自社Webサイトに来訪したことのあるユーザーに広告を表示します。通常の広告とは違う訴求点やオファーを行うことで、高い効率で獲得を実施できます。
効果や即効性は、リターゲティング広告を表示するターゲットユーザーの数に依存してしまうため、サイト全体の導入規模が小さいとその分効果は薄いと言えます。その場合は、リスティング広告やSEO、SNSマーケティングなどの集客施策とあわせて実施すると良いでしょう。
メールマーケティング
Webサイトを通して収集したメールアドレスのリストに対して、メールマガジンやステップメール、ダイレクトメールを送付するのが、メールマーケティングです。メルマガの効果は低いと言われることがありますが、今でも積極的に活用されているマーケティング手法の一つです。
- メールマガジン(メルマガ)
メーリングリスト全員に対して、主に製品やサービスに関する新着情報やセール情報などを紹介します。最もポピュラーな施策のひとつです。
- ステップメール
特定の行動をしたユーザーへ段階的にメールを送信します。問合せがあったユーザーへその後の検討のお伺いや、資料請求をしたユーザーには、商品の導入事例や使い方紹介などを送信していきます。
受け手(ユーザー)の状況にあわせて配信するため、コミュニケーションとして成り立っており、関係構築やナーチャリング(顧客育成)が可能です。
- ダイレクトメール
特定の属性・条件のユーザーへ、購入確率の高い商品の紹介や、セールなどのオファーを含めたメールを送付します。例えば年齢・性別・職業・結婚・子供がいるかどうかなどの情報があれば、それを元に興味関心の高いメールを送信することも可能です。 メールアドレスリストは、サイト来訪者へポップアップでのメルマガ案内や、資料請求にメールアドレスを必須にするなどして収集を行います。
Webマーケティングの落とし穴
ここまで、Webマーケティングの代表的な手法をご紹介しました。では、実際にどの施策を行うのが効率的なのでしょうか。この「どの手法を選ぶか」が、Webマーケティングにおいて最も重要なポイントです。
訴求するターゲット層や自社商材の種類・業界、またターゲットユーザーの属性によって、効果のあるWebマーケティング手法は大きく異なります。例えば、ターゲットユーザー層がSNSを使用しなければ、SNSマーケティングは効果を得られず、検索需要の低い業種では、SEOやリスティング広告での獲得は難しくなります。
Webマーケティング手法の選定には、ターゲットユーザーのペルソナを設定することも必要です。ペルソナとは、職業・年齢・収入など極めて細やかなな人物像を描き出しし、そのユーザーの行動を推測することで、マーケティング手法や戦略を検討していきます。
ペルソナによって人物像が明確になることで、ターゲットユーザーがよく利用する媒体を想像しやすくなります。そのため、自社サービス・商材だけでなく、ターゲットユーザーのペルソナに適したマーケティング手法に、予算を投下することが重要です。
まとめ
この記事では、Webマーケティングの全体像から具体的な手法までご紹介しました。
それぞれのマーケティング手法の特徴をよく理解し、自社製品やサービスにあったWebマーケティングを行ってください。
繰り返しになりますが、自社製品に適した施策・手法を選択できるかが、マーケティングの効果を大きく左右します。その選定には今まで培った経験が必要かもしれませんし、場合によっては、一つ一つの手法に手間や予算をつぎ込んで試してみる必要もあるかと思います。
より早く、より確実にWebマーケティングの効果を得るためには、専門家に相談することをお勧めいたします。
弊社でも全体設計や方向性を決めるところから具体的な施策の実施まで、フルオーダーメイドのWebコンサルティングを行っております。Webマーケティングの導入やその手法選びにお悩みの方は気軽に以下リンクからお問い合わせください。
執筆者:ヒトノート編集部
株式会社ヒトノテのオウンドメディア、WEBマーケティングの学習帳「ヒトノート -Hito note-」の編集部。
監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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