中古ドメインのSEO効果とは?メリット・デメリットや選び方・注意点を解説
中古ドメインとは第三者が過去に取得し、運用履歴のあるドメインのことを指します。中古ドメインは過去の運用履歴を引き継げるため、ドメインパワーが比較的高い状態でサイトを立ち上げられます。他にもインデックスのスピードが早いなど、SEOへの一定の効果が期待できるでしょう。
しかし、中古ドメインには、デメリットや注意点もあります。中古ドメインを利用する際は、正しい知識のもと運用しなくてはいけません。
本記事では、中古ドメインのメリット・デメリットや購入時にチェックするべきポイントを解説します。中古ドメインを正しく活用し、効果的なWebサイト運営を行いましょう。
この記事の目次
中古ドメインとは?
中古ドメインとは、前述のように過去に第三者が取得・運用していたドメインのことです。通常、誰かが使用しているドメインは、他の人は使用できません。しかし、所有者がドメインを売却する、あるいは契約期間を終えると、そのドメインを使用できるようになります。
中古ドメインは、検索エンジンによる旧サイトの評価を引き継げるため、SEOに効果的だといわれています。新規ドメインに比べて、コンテンツを公開してからインデックスされるまでが早い傾向にあります。
サイト開設時してから検索エンジンにサイトの存在を認識してもらうことで、検索結果に表示されるまでの時間が短いでしょう。
新規ドメインとは?
新規ドメインとは、過去に誰も取得・運用していないドメインのことです。
過去の所有者が決めた文字列を使用する中古ドメインに対し、新規ドメインでは自らが運営するサイトテーマに合う文字列を決められます。ドメイン名に企業名やサイト名を入れることで、ユーザーがどんなサイトなのかがわかりやすくなり、信頼してもらえるでしょう。
一方で、検索エンジンからの評価を高めていくのに手間がかかります。一般的に、新規ドメインが検索結果に表示されるには数週間から3ヵ月程度の期間が必要だといわれているため、中古ドメインに比べるとスタートでは出遅れてしまいます。
中古ドメインを活用することで受けられるSEOの恩恵
中古ドメインを活用することで、過去のサイトの評価を引き継ぐことができます。その他にも中古ドメインには、SEOの効果が見込め、具体的には、以下の3つのメリットがあります。
①過去のサイトへの被リンクを引き継げる
②コンテンツがインデックスされやすい
③ドメインパワーを引き継げる
過去に運用されていた際の被リンクを引き継ぐことができる
検索エンジンは、他のサイトからの信頼やユーザーからの注目を表す「被リンク」を重視する傾向があります。そのため、新規ドメインが検索上位に載るには、他のサイトからのリンクを集めてドメインパワーを高めることが重要です。
一方で中古ドメインであれば、過去のサイトが獲得した被リンクを引き継ぐことができます。すでにドメインパワーが高い状態で開設できるため、SEOに関するさまざまなメリットを享受可能です。
しかし、中古ドメインを用いた際に旧サイトと新規サイトの投稿テーマが大きく離れていると、投稿テーマに関連のない被リンクを引き継ぐことになります。検索エンジンがそのサイトのテーマを正しく認識できなくなり、SEOに悪影響をもたらすことがあるため注意しましょう。
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コンテンツがインデックスされやすい
インターネット上にあるコンテンツを検索エンジンが巡回することを「クロール」と呼び、その後コンテンツがデータベースに登録されることを「インデックス」と呼びます。検索上位に載るためには、まずは検索エンジンにインデックスされることが重要です。
新規ドメインはコンテンツを公開してすぐにインデックスされることはほとんどありません。なぜなら、検索エンジンがそのサイトの安全性を認識できていないからです。検索エンジンには詐欺サイトを精査する機能があり、新規ドメインは精査に時間がかかります。
そのため新規ドメインは、コンテンツがなかなかインデックスされない「エイジングフィルタ」と呼ばれる期間が数週間から数ヵ月生じるのです。
一方で中古ドメインは、旧サイトがエイジングフィルタで精査されていて、コンテンツがインデックスされやすい状態になっています。つまり、旧サイトへの評価を引き継いだまま、新しいコンテンツもインデックスされやすくなります。サイト公開後すぐにアクセス数を増やしたい場合は、中古ドメインを使うのが良いでしょう。
しかし、中古ドメインなら必ず検索上位に入れるとは限りません。エイジングフィルタのように、検索エンジンには悪質なコンテンツへの対策が備わっています。旧サイトがその機能によってペナルティを課されていた場合は、中古ドメインでもインデックスされない可能性があります。
ドメインパワーを引き継ぐことができる
中古ドメインでは、コンテンツを上位表示するうえで重要な指標である「ドメインパワー」を引き継ぐことができます。
ドメインパワーとは、被リンクの数やコンテンツの質・量などさまざまな要因をもとに、検索エンジンからの評価を表した数値です。
Googleなどの検索エンジンが公式に認めている指標ではないものの、検索上位に入るサイトはドメインパワーが高い傾向があります。そのため、検索からのアクセス数を増やすためには、ドメインパワーの向上が欠かせません。
しかし新規ドメインは、ドメインパワーが0の状態からのスタートとなります。インデックスされるようになっても、ドメインパワーが高まるまではなかなか上位表示されません。
一方で中古ドメインは、過去の運用によってドメインパワーが高くなっている可能性があります。コンテンツをより早く検索上位に表示するためには、ドメインパワーが高い中古ドメイン購入しましょう。
中古ドメインを活用する際の注意点
中古ドメインを活用することで、開設初期からコンテンツを検索上位に表示できる可能性があります。しかし中古ドメインには、注意するべきポイントがあります。
知らないままだと中古ドメインのメリットを享受できなくなる可能性があるため、注意点を押さえておきましょう。
コストがかかる
中古ドメインでのサイト開設には、新規ドメイン以上にコストがかかります。なぜなら、ドメインパワーの高いドメインは需要が多く、値段が高額になる傾向があるからです。
たとえば大手サイトの「お名前.com」では、新規ドメインを1,287円~で取得できます。一方で中古ドメインは、最低でも7,000円〜となっており、ドメインパワーが高いドメインは10万円を超えることもあります。新規ドメインに比べて10倍以上の料金が必要になるので、コストを抑えたい方は新規ドメインも選択肢に入れましょう。
ただし中古ドメインを購入して、ドメインパワーを高める手間と時間を削減する方法もあります。企業のホームページなどの場合は、ドメインを育てるための費用などを考慮すると、中古ドメインの方が安いケースもあります。そのためまずは、中古ドメインの料金を確認し、サイト開設の予算に収まるかどうか計算しましょう。
中古ドメインを購入する際は、必ずしも「値段が高い=検索エンジンの評価が良い」わけではないことに注意が必要です。
投稿するコンテンツの確認
中古ドメインの恩恵を受けるためには、自分が投稿するコンテンツ内容との相性が重要です。旧サイトの投稿テーマとかけ離れていると、中古ドメインのメリットを活かしきれずにコストが無駄になってしまうので注意しましょう。
また、中古ドメインを購入することで、いつまでも高い評価を維持できるわけではありません。新規サイトのコンテンツの質が悪かったり、投稿頻度が低かったりすると、ドメインパワーを低下していくことにも注意が必要です。
運用履歴における悪い評価も引き継いでしまう
中古ドメインのメリットは、旧サイトへの良い評価を引き継げることです。しかし実は、悪い評価も引き継いでしまうという二面性があります。
新規ドメインがエイジングフィルタの精査を受けるように、検索エンジンは悪質なコンテンツを排除する仕組みを整えています。そのため、旧サイトが詐欺などの悪質なコンテンツを投稿していた場合、ペナルティを課されている可能性が高いです。
検索エンジンから悪い評価を受けた中古ドメインは、新規ドメイン以上にインデックスされにくいおそれがあります。サイトを育てるために費やしたコストと時間を無駄にしてしまうので、購入前に必ずドメインへのペナルティ有無を確認しましょう。
中古ドメインの選び方
中古ドメインでは、スピード感を持ったサイト立ち上げが可能です。しかし購入するドメインの選び方次第で、中古ドメインは不利に働くこともあります。そのため、きちんとした基準を持ってドメインを比較してから購入しましょう。
ここからは、より高い成果を得るための中古ドメインの選び方を解説します。
ドメインパワーは高いか
中古ドメインを購入するうえで最もわかりやすい指標は、ドメインパワーが高いかどうかです。
ドメインパワーは、ドメインの信頼性や強さを示すものであり、数値が高いほどコンテンツを上位表示しやすくなるといわれています。とくに開設直後のスタートダッシュに大きく貢献するので、必ず確認しておきましょう。
上の画像のように、「アクセス中古ドメイン」では、ドメイン名とともにドメインパワー(パワーランク)などの情報を掲載しています。ドメインパワーは1~100の数字で表され、SEOで成果を出すためには30~50が必要だといわれています。
ドメインパワー0から50まで高めるには数年以上かかることもあるため、数値の高い中古ドメインを購入することでより早く成果を得られるでしょう。
被リンクの数と質は良いか
検索上位を獲得するうえで、被リンクの量と質が重要です。良質な被リンクが多ければドメインの信頼性が評価されるため、検索上位に入る可能性が高まります。
一方で悪質なサイトからの被リンクが多いと逆効果となります。そのため被リンクの数だけでなく、品質の低い被リンクがないかどうかの確認も重要です。
では、低品質な被リンクとは、どのようなものでしょうか。Googleでは、以下のような被リンクを低品質だと定めています。
・過剰な相互リンクや、相互リンクのみを目的としたパートナーページからのリンク
Google検索セントラル
・自動化されたプログラムやサービスを使用して自分のサイトへのリンク
・ランキング クレジットをブロックしないテキスト広告またはテキストリンク
・質の低いディレクトリやブックマーク サイトのリンク
・さまざまなサイトに配布されるウィジェットに埋め込まれている、大量のキーワードを含む非表示のリンクや低品質のリンク
・さまざまなサイトのフッターやテンプレートに埋め込まれて広く配布されるリンク
・フォーラムでのコメントにおいて、投稿や署名の中に含まれる作為的なリンク
つまり、リンクを貼ることを目的とした被リンクや機械的な被リンクなどは、低品質だと評価される可能性が高いです。
たとえば上の表において、「被リンク数」に対して「被リンクドメイン数」が極端に少ない場合は、1つのサイトから作為的に多量のリンクがつなげられている可能性があります。
初めて中古ドメインを購入する方で判断がつかない場合には販売業者に尋ねてみるのがおすすめです。
運用履歴に悪い評価はないか
元の所有者が不自然な被リンクや違法なコンテンツ掲載を行っていた場合、検索エンジンからペナルティを課されているおそれがあります。検索エンジンからのペナルティには「手動ペナルティ」と「自動ペナルティ」があり、以下のような違いがあります。
①自動ペナルティ:検索エンジンのアルゴリズムによってスパムや悪質と判定された場合に課されるペナルティ
②手動ペナルティ:Googleのスタッフによって手動で課されるペナルティ
手動ペナルティを課されるとGoogleサーチコンソールに通知される仕組みとなっています。「アクセス中古ドメイン」で販売されている中古ドメインは購入前に過去のペナルティ有無を確認可能です。
一方で自動ペナルティは、検索順位の下落などから判断する必要があります。検索エンジンが誤って課してしまっている可能性もあり、購入前に確認するのが難しい特徴があります。
事前の調査方法として、「MGT.jp(https://mgt.jp/t/black)」でブラックリストへの掲載の有無を確認しましょう。ブラックリストとは、危険度の高いIPアドレスやドメインが掲載されているデータベースのことをいいます。ブラックリストに掲載されていると、検索順位の下落などのさまざまな不都合が生じます。
大手販売業者であれば、ブラックリスト経験のあるドメインは扱っていないことが多いです。しかし、MGT.jpではURLだけで簡単にGoogleなどのブラックリストデータベースを確認できるので、念のため確認しておきましょう。
前回運用時とジャンルが同じか
旧サイトへの良い評価を引き継ぐためには、同様のジャンルのコンテンツを掲載することが大切です。たとえば、旧サイトがビジネス系の記事を掲載していた場合は、被リンク元のサイトもビジネス系のサイトが多いです。そのドメインを購入してダイエットの情報を掲載しても、被リンク元のサイトとの親和性が低いため恩恵を受けられません。
「アクセス中古ドメイン」や「お名前.com」などの販売サイトでは、旧サイトのコンテンツジャンルも確認可能です。また、「Internet Archive(https://archive.org/)」でも、特定時期のドメインの履歴を無料で確認できます。
中古ドメインは、購入に数万円から数十万円ものコストがかかります。そのコストを無駄にせずに中古ドメインを最大限活用するためには、これから運用する新規サイトのジャンルに合ったドメイン選定が重要です。
中古ドメインのサービスを紹介
安全性の高い中古ドメインを購入する際には、販売実績が豊富な大手販売サイトでの購入がおすすめです。大手販売サイトならトラブルなどへの対応にも慣れているため、安心感のあるサイト運営ができるでしょう。
ここからは「アクセス中古ドメイン」と「お名前.com」という2つの大手サイトの特徴を紹介します。より良い中古ドメインを選ぶには、いくつかのサイトを見て比較検討するのがおすすめです。
アクセス中古ドメイン
「アクセス中古ドメイン」は、さまざまなツールや専門スタッフによって精査されたドメインのみを扱う中古ドメイン専門サイトです。Webコンサルティング事業を手掛ける企業が運営しており、中古ドメイン購入に関する徹底的なサポートを受けられます。
また、中古ドメインについての記事が多数掲載されており、中古ドメインに関する多くの疑問を解決可能です。「中古ドメインについてわからないことが多い」「中古ドメインだけを考えている」という方は、アクセス中古ドメインがおすすめです。
お名前.com
「お名前.com」は、新規・中古ドメインの登録実績2,800万件を誇る、国内シェアNo.1のドメイン登録サービスです(2023年1月時点)。ドメイン取得に限らず、レンタルサーバーなどのサイト運営に関するサービスを幅広く展開しています。
また、24時間365日のサポート体制が整っているため、中古ドメイン購入前後の不安やトラブルをいつでも相談できます。「大手の方が安心できる」「新規ドメインも検討している」という方は、お名前.comがおすすめです。
まとめ
中古ドメインとは、過去に第三者が取得・運用していたドメインのことで、旧サイトへの良い評価も引き継げるというメリットがあります。一方で、サイト名に合うドメイン名への変更はできないことや悪い評価も引き継いでしまうなどのデメリットもあることに注意しましょう。
購入前には、ドメインパワーや価格だけでなく、ペナルティの有無や旧サイトのコンテンツジャンルなども確認が必要です。また、より恩恵を享受できる中古ドメインの発見のために、いくつかの販売業者を比較するようにしましょう。
執筆者:鈴木理沙
株式会社ヒトノテのSEOコンサルタント。人材系の企業にて、SEO改善とコンテンツマーケティングを担当。CVR改善やオウンドメディア運営、コンテンツ制作による認知拡大・ブランディングを経験。気持ちのよいコミュニケーションや痒い所に手が届くような提案を心がけています。
監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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