SEO 公開日: 2026.04.30

Googleが「戻るボタンの乗っ取り」をスパム違反に|2026年6月施行、対象行為と対応チェックリスト

Googleが戻るボタンの乗っ取りをスパム違反に

2026年4月13日、GoogleはWebサイトのブラウザ「戻る」ボタンの動作を意図的に妨害する行為「バックボタンハイジャッキング」を、スパムポリシーの違反行為として明確化しました。施行は2026年6月15日。違反サイトは手動ペナルティによる検索結果からの除外、または自動的な大幅順位低下の対象になります。

本記事では、対象となる行為の詳細から、今すぐ確認すべきチェックポイントまで、WEBコンサルティングの現場の視点で解説します。

バックボタンハイジャッキングとは?

バックボタンハイジャッキングとは、ユーザーがブラウザの「戻る」ボタンを押しても、本来戻るべきページ(検索結果やリンク元など)に戻れないようにするサイト側の実装を指します。

Googleはこの行為を、公式スパムポリシーにおいて「悪意ある慣行(malicious practices)」として新たに追加しました。発表はGoogle Search Central Blogにて行われ、施行日は2026年6月15日と定められています。つまり、サイト運営者には約2ヶ月の猶予が与えられている状況です。

これまでもバックボタンの乗っ取りはユーザー体験を著しく損なう行為として問題視されていましたが、Googleのスパムポリシーとして明文化されたのは今回が初めてです。直近のコアアップデートでもユーザー体験重視の傾向が強まっており、今回のポリシー追加はその延長線上にあるといえるでしょう。

違反となる3つのパターン

Googleが公式に違反として定義しているバックボタンハイジャッキングのパターンは、大きく3つに分類されます。

1. 同一ページ滞留

ユーザーが戻るボタンを押しても何も起きず、同じページに留まり続けるパターンです。ブラウザの履歴にダミーのエントリを挿入することで、戻るボタンの操作を無効化しています。ユーザーは何度戻るボタンを押しても脱出できず、フラストレーションが溜まるばかりです。

2. 不正リダイレクト

戻るボタンを押すと、ユーザーが訪問したことのない広告ページやランディングページへ強制的に遷移させられるパターンです。アフィリエイトリンクへの誘導や、広告収益を目的とした不正なリダイレクトが典型例です。ユーザーの意図とはまったく異なるページへ飛ばされるため、信頼性の観点からも深刻な問題です。

3. ナビゲーションループ

戻るボタンを押すたびにダミーページが繰り返し表示され、検索結果へ永遠に戻れないパターンです。見かけ上は戻っているように見えますが、実際にはループ構造が仕込まれており、ユーザーを囲い込む仕組みになっています。

技術的に何がNGで、何がOKなのか

実務上もっとも気になるのは、「具体的にどの実装が違反になるのか」という点でしょう。ここでは、NG(違反)とOK(問題なし)のラインを整理します。

NG(違反)な実装

  • history.pushState() / history.replaceState() を悪用してダミー履歴エントリを大量挿入 — ユーザーが戻るボタンを押してもページが変わらない、または意図しないページに遷移するよう仕込む手法
  • popstateイベントをインターセプトして別ページへリダイレクト — 戻るボタン操作を検知し、広告ページやアフィリエイトページへ強制遷移させるスクリプト
  • 離脱防止ツール・アフィリエイトASPタグによる不正リダイレクトスクリプト — サードパーティ提供のタグであっても、バックボタン操作時に不正遷移を引き起こすものは違反
  • バック操作検知でのクーポン表示などの全画面オーバーレイ — 一見ポップアップのように見えるが、閉じても結局元のページに戻れない仕組みになっているもの

OK(違反にならない)な実装

  • SPA(シングルページアプリケーション)でのpushState()によるURL更新 — React、Vue、Next.jsなどのフレームワークが行うルーティングは、ユーザーが意図したナビゲーションの一部であり問題ありません
  • スライドショーやInfinite ScrollでのURL同期 — コンテンツの進行に合わせてURLを更新する実装は、戻るボタンの動作を妨害するものではありません
  • マウスアウト・スクロールトリガーのポップアップ — 閉じれば通常通り戻れるものであれば違反にはなりません
  • target="_blank"による別タブ展開 — 元のタブの履歴には影響しないため問題ありません
  • 追従バナー等の静的UI — ブラウザの戻る操作に干渉しないUIは対象外です

判断基準

Google側が示している基準はシンプルです。「ユーザーが意図した戻るナビゲーションを実質的に阻害するか否か」——これが違反かどうかの分水嶺になります。技術的な実装方法よりも、ユーザー体験への影響が判断のベースとなっている点が重要です。

自社実装だけの問題ではない——サードパーティも対象

ここで特に注意したいのが、自社で直接実装していなくても違反になり得るという点です。

広告プラットフォームやアフィリエイトASPが提供する「離脱防止ツール」、あるいは外部のエンゲージメント向上ライブラリが原因でバックボタンハイジャッキングが発生しているケースでも、サイトオーナーが責任を負うというのがGoogleのスタンスです。

「自社では意図していない」は通用しません。導入しているタグやスクリプトが、知らないうちに違反行為を行っている可能性があるのです。

特に以下のようなサイトは要注意です。

  • アフィリエイト系サイト — ASP提供の離脱防止タグが仕込まれているケースが多い
  • メディアサイト — 広告収益最大化のための離脱防止スクリプトが導入されている場合がある
  • ECサイト — カート離脱防止やクーポン表示系のツールに注意

テクニカルSEOの観点からも、導入しているスクリプトの挙動を定期的に監査する体制が求められます。

違反した場合のペナルティ

Googleが定めるペナルティは主に2つのパターンがあります。

手動スパム対策(Manual Action)

Google Search Consoleに通知が届き、該当ページまたはサイト全体が検索結果から実質的に除外されます。手動対策の場合、問題を修正したうえで再審査リクエストを行い、Google側の審査を通過するまで解除されません。

自動ランキング降格(Automated Demotion)

Googleのシステムが自動的に検知し、大幅な順位低下が適用されます。手動対策とは異なりSearch Consoleに通知が来ないケースもあるため、気づかないうちに影響を受けている可能性もあります。

いずれの場合も、修正後に再審査リクエストが必要です。修正してもすぐに順位が戻るわけではなく、審査期間を含めると数週間〜数ヶ月の影響が出ることを覚悟する必要があります。

今すぐ確認すべきチェックリスト

施行日は2026年6月15日です。以下のチェックリストに沿って、自社サイトの状況を確認してください。

  1. 自社コード内のhistory.pushState / popstateの利用状況を監査
    JavaScriptコード内でこれらのAPIが使われている箇所を洗い出し、戻るボタンの動作を妨害していないか確認しましょう。
  2. 導入している広告タグ・アフィリエイトASPの離脱防止ツールを確認
    ASPやツール提供元に対し、バックボタンハイジャッキングに該当する挙動がないかを問い合わせてください。
  3. サードパーティライブラリ(エンゲージメントツール等)の挙動確認
    ポップアップツール、チャットウィジェット、離脱防止系ツールなど、外部から読み込んでいるスクリプトを棚卸しし、挙動をテストしましょう。
  4. 実機テスト:スマホ・PCで戻るボタンを押して正常に戻れるかテスト
    Chrome DevToolsだけでなく、実際のスマートフォン端末でもテストすることを推奨します。特にモバイルでの挙動は要チェックです。
  5. 問題が見つかった場合は2026年6月15日までに修正
    猶予期間は約2ヶ月です。外部ツールの対応待ちになる可能性もあるため、確認は早めに行いましょう。

ヒトノテの見解

今回のポリシー変更は、「ユーザー体験を最優先する」というGoogleの一貫した方向性の延長線上にある施策だと私たちは捉えています。

バックボタンハイジャッキングは、短期的には離脱率の低下やページビューの増加につながるかもしれません。しかし、ユーザーの信頼を損ない、ブランド毀損のリスクを伴う手法です。Googleがスパムポリシーとして明文化したことで、今後はSEO的にも明確なマイナス要因となります。

離脱率を下げたいなら、ユーザーが「戻りたくならない」コンテンツと導線設計こそが本質的な解決策です。

ヒトノテでは、CVR改善の基本施策EFO(エントリーフォーム最適化)など、ユーザー体験を向上させながらコンバージョン率を改善する正攻法のアプローチを推奨しています。

「戻るボタンを封じる」のではなく、「戻る必要がないほど満足度の高い体験を提供する」——これがWEB運用における持続可能な成長戦略です。

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まとめ

Googleが2026年6月15日から施行する「バックボタンハイジャッキング」のスパムポリシーについて解説しました。ポイントを整理します。

  • 戻るボタンの動作を意図的に妨害する行為が、Googleのスパムポリシー違反として明文化された
  • 同一ページ滞留・不正リダイレクト・ナビゲーションループの3パターンが違反対象
  • 自社実装だけでなく、サードパーティのタグやスクリプトも対象——サイトオーナーに責任がある
  • 違反した場合、手動スパム対策による検索除外、または自動的な順位低下のペナルティを受ける
  • 施行まで約2ヶ月。今すぐ自社サイトの挙動を確認し、問題があれば修正を

ユーザーが快適にブラウジングできるサイト設計は、スパムポリシーへの対応というだけでなく、長期的なSEOパフォーマンスとブランド信頼性の向上に直結します。この機会に、自社サイトの実装を見直してみてはいかがでしょうか。

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