ECサイトリニューアルのお手本になる成功事例10選!
数多くの企業が参入し、競争が激しさを増しているECサイト。自社製品やサービスへのリピーターや潜在層の顧客獲得を目的とする情報発信メディアとしての役割も担っており、各企業の創意工夫による多様化が進んでいます。
そんな中、自社のECサイトをどのように構築するべきなのか迷っているという方も多いのではないでしょうか?
そんな疑問や悩みを抱えている方に向け、さまざまなECサイトから成功事例10選を紹介し、独自コンテンツ成功に必要な要素を考察します。ECサイト運用業務に携わっている方、社内でECサイトリニューアルを検討中の方はぜひご覧ください。
この記事の目次
ECサイトの成功事例をご紹介
成功するECサイトには、一度利用したユーザーをリピーターにするための「仕掛け」が随所に施されています。人口減少による国内市場の縮小を勝ち抜くためには、サービスを複数回継続してくれるファン層の存在が不可欠だからです。各企業の仕掛けを学び、自社のECサイトに応用できる部分がないか分析してみましょう。
レコチョク(楽曲のECサイト)
レコード会社直営の強みを生かし邦楽配信に特化
サイトのターゲット:若年層の邦楽ファン
主要レコード会社の共同出資により誕生した、国内最大級の音楽ECサイトです。海外向けサービスを日本語翻訳した音楽ECサイトよりも、日本人が直感的に操作しやすい構造となっています。
邦楽が検索しやすいようヒット曲・ドラマ主題歌・アニメソング・ジャニーズ特集など細かくジャンル分けされており、ラインナップの充実ぶりもトップクラスです。
国内メジャーアーティストの楽曲限定配信も盛んに行われており、邦楽ファンの獲得に特化しています。邦楽特化という強みを生かした独自サービスを提供し、ユーザーを取り込んでいるECサイトです。
職人醤油(醤油のECサイト)
醤油に関する知識と職人のストーリーを掲載
サイトのターゲット:高品質な醤油製品を求める一般消費者や法人
職人の手作りによる国産醤油を販売するECサイトです。高品質な醤油を選択するための知識がない新規ユーザーに向け、醤油の規格、等級、製造過程、調理法などを解説するページが充実しており、製品購入時の疑問点を解消できます。
また、全国各地の職人を顔写真付きで紹介し、それぞれ醤油にかける想いやこだわりをストーリー形式で語っています。知識やストーリーを通して見込み客の信頼を勝ち取り、購入へと導く戦略を一貫して実行しているのが特徴のECサイトです。
石けん百貨(石鹸のECサイト)
https://www.live-science.co.jp/store/php/shop/
お客様目線を重視し各種サイトと連動して集客を実現
サイトのターゲット:子育て世代
石けんを中心に約6,000点の商品を販売するECサイトです。お客様目線を重要視するという戦略を掲げており、商品説明にはスタッフが実際に商品を利用して感じた「スタッフのひとこと」が取り入れられています。
オウンドメディアの「石鹸百科」、掲示板の「せっけん楽会」など、利用するユーザーが正しい商品知識をもって購買を楽しむための姉妹サイトも開設しており、それぞれ連動して集客につなげているのが特徴です。
ECサイト・姉妹サイトともにスタッフによる質の高いコンテンツが検索エンジンから評価に繋がっている事例です。
@COSME Shopping(化粧品のECサイト)
クチコミレビューを集客・情報提供に利用
サイトのターゲット:化粧品にこだわる 20~40代の女性
日本最大の化粧品クチコミサイト「@cosme」が運営する化粧品のECサイトです。クチコミサイトで確認した化粧品をそのまま購入できる構造となっており、見込み客を効率よく購買につなげる仕組みができています。
クチコミはECサイト内でも活用されており、商品の特徴や使い方、利用しているユーザーの年齢や肌質などを詳しくチェック可能です。精度の高い多数の口コミによる情報提供により、ユーザーが購入前に抱く不安を軽減するだけでなく、購入後のトラブルも防止可能です。クチコミを利用して、顧客の満足感や信頼を獲得するECサイトといえます。
NOCE(家具のECサイト)
実際のコーディネートに役立つコンテンツで消費者の悩みを解決
サイトのターゲット:インテリア家具にこだわりがある一般家庭
家具購入から実際のコーディネートまでを円滑に行えるような仕組みが、随所に施された家具販売サイトです。家具の選び方やお手入れ方法、仕入れに携わるバイヤーの解説ブログ、NOCEが推奨するインテリアコーディネート事例、実際に商品を購入したユーザーによる100種類以上のルームコーディネート実例がコンテンツ化されており、モデルルームのようなコーディネートを一般消費者でも作れます。「おしゃれな空間を作りたいけど、どのような製品を組み合わせればいいか分からない」という消費者の悩みに着目し、課題解決のためのコンテンツに特化したECサイトです。
北欧、暮らしの道具店(雑貨のECサイト)
モノではなくスタッフの姿を通して見えてくるライフスタイルを提供
サイトのターゲット:北欧雑貨に興味がある20~40代の女性
北欧、暮らしの道具店は北欧雑貨を取り扱うECサイトです。販売するのは商品ではなく、ライフスタイルそのものというコンセプトで運営しています。運営会社の福利厚生として月8個程度の商品をスタッフに提供しており、実際に利用する場面を商品紹介に取り入れています。商品がカタログ内の演出された写真としてではなく、スタッフのリアルな生活用具としてライフスタイルに溶け込んでいる様子が、ユーザーの購買意欲を引き立てます。ライフスタイルそのものを提供する戦略が支持されるECサイトです。
ショップジャパン(テレビ通販のECサイト)
テレビを中心としたメディア戦略を構築する
サイトのターゲット:テレビを主要メディアとする高齢者
テレビを中心としたメディア戦略を構築し、「ビリーズブートキャンプ」や「トゥルースリーパー」といったヒット商品を生み出したECサイトです。通販番組「ショップチャンネル」でのユニークな商品紹介を通じて、多数のファン層を獲得しました。
テレビ放映ユーザーを効率よく取り込めるよう、テレビで放映中の商品を紹介するコーナーが常設されています。ラインナップは主要ターゲットであるである高齢者を意識しており、心身を健康に保つ健康グッズや生活上の負担を減らす便利道具が主力商品です。ターゲットを絞り、サイトの誘導を分かりやすくすることで、効率よくユーザーを獲得しているECサイトと言えます。
ボーネルンド(玩具のECサイト)
https://ec.bornelund.co.jp/shop/?utm_source=corporate&utm_medium=banner&utm_campaign=product
動画メディアを利用して玩具で遊ぶイメージや動きをダイレクトに伝える
サイトのターゲット:小さなお子さんを持つ子育て世代
アメリカ、デンマーク、ドイツなど、海外の多種多様な玩具を販売するECサイトです。玩具ごとの遊び方を商品ごとに詳しく解説しており、ユーザーの「買ったはいいけど遊び方が良くわからない…」という悩みを解消しています。
また、YouTubeにて玩具を使った遊びの動画コンテンツを多数配信しています。商品紹介ページでもそのような動画を掲載しているので購入検討している親御さんが、子供に動画を見せて反応を確認してから購入することもできます。まだまだ活用例の少ない動画メディアを最大限活用しているECサイトと言えます。
ヴィレッジヴァンガード オンラインストア(雑貨のECサイト)
店舗網との連携を重視した販売戦略が成長のカギ
サイトのターゲット:ヴィレッジヴァンガードを日常的に利用している若者
書籍を中心に多種多様な雑貨を取り扱う「ヴィレッジヴァンガード」のECサイトです。店舗の雰囲気がそのまま再現されており、他にはないユニークな商品が多数販売されています。
最大の特徴は、店舗網とオンラインとの連携です。人気声優がプロデュースしたブランド「yipyip」や、人気の展示イベント「百合展」をECサイトと連動させた企画の実施により、着実に売り上げを伸ばしています。オフラインとオンラインを融合させた取り組みが注目されているECサイトです。
ホームセンターコメリ(DIY製品・家具・日用品のECサイト)
https://www.komeri.com/top/CSfTop.jsp
「ニューリテール」戦略でシームレスな販売環境を実現
サイトのターゲット:DIYやインテリア好きな男性
全国に約1,200店舗を構えるホームセンターコメリのECサイトです。店舗とネット環境を相互に接続し、便利で快適な買い物環境を提供する「ニューリテール」を戦略の中枢に据えています。
代表的な取り組みが、ECサイトで注文した商品を店舗で受け取れる「取り置きサービス」です。サービス利用回数は開始当初の10,000件から30,000件へと増加しており、ECサイトの成長を支えています。2019年にはスマートフォンアプリをリニューアルし、近隣店舗の在庫確認、デジタルチラシの閲覧、登録した店舗のチラシが届くマイストア機能などが利用可能となりました。ニューリテールの理論を取り入れて成功した、新時代のECサイトです。
成功しているECサイトの共通点
ここでは成功しているECサイトの共通点をご紹介します。
自社の強みを言語化している
顧客に他の競合ではなく自社のECサイトを選んでもらうためには、仕入れ力や接客力といった自社の強みを言語化する必要があります。その際に重要となるのが、ユーザーの声です。ユーザーがなぜ自社を選んでくれているのか?を突き詰めれば、今まで見えてこなかった新たなニーズを発見できます。
新規ユーザーがリピーターになるまでのストーリーを描いている
ECサイト成功の鍵は、獲得した新規ユーザーをいかにリピーターとして取り込めるかにかかっています。徹底的にユーザー目線に立ち、どのような経路を経てECサイトを利用し、商品を購入し、リピーターになってもらえるのかをストーリーとして描きましょう。
経路を考える際は、チラシやカタログを通じたオフラインの経路、メルマガやECサイトを通じたオンラインの経路、オンラインの中でもTwitterやLINEといったSNSを利用した経路など、ユーザーの特性に応じて適切な経路を選ぶことが重要です。ペルソナを作るなどして、ターゲットユーザーの具体的な生活様式を想像しながら設計すればサービスに一貫性が生まれ、効果に繋がりやすくなるでしょう。
ソーシャルメディアを積極的に活用する
ECサイトの利用ユーザーを増やすには、ソーシャルメディアの活用が欠かせません。接点の増加による認知度向上やブランディングに効果があり、興味を持ったユーザーをファン層として取り込めます。最近では大小様々なソーシャルメディアがありますので、ターゲットに合わせて選定すると良いでしょう。
また、ソーシャルメディア運用においては日常的に情報発信や、ユーザーフォロー、フォロワーとのコミュニケーションをすることが重要となりますので、しっかりと運用の仕組みを設計してから始めることをおすすめします。
オウンドメディアで潜在層を取り込む
成功しているECサイトの中にはオウンドメディアを活用している企業も多く存在します。自社サービスの潜在層が求める情報をオウンドメディアで発信すれば、潜在のニーズを顕在化させ、購買へと繋げることが可能です。
例えば、先ほど紹介した「石けん百貨」が運用するオウンドメディアでは、重曹やクエン酸などの活用方法について写真・画像を入れつつ丁寧に紹介して、自社商品への購買へ繋げています。このような優れた記事を多数公開できれば、ユーザーの企業に対する信頼感も高まりECの成果にも貢献できるというメリットがあります。
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まとめ
ECサイトの成功事例から見えてくるのは、ユーザーの意見に耳を傾け、本当に必要な情報や商法を届けようとする企業の姿勢です。ECサイトの運用に悩んでいる方は、自社の強みを今一度洗い出し、「ユーザーのためにどんな情報を発信すべきか」を再考しましょう。
執筆者:ヒトノート編集部
株式会社ヒトノテのオウンドメディア、WEBマーケティングの学習帳「ヒトノート -Hito note-」の編集部。
監修者:坪昌史
株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。
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